アトピーに石鹸を使わなければ治る？悪化する？どっちがいいの？

石鹸というのは習慣の一つです。毎日お風呂に入って石鹸で綺麗に洗っている人はアトピーの人では多いんじゃないかな？

僕がアトピーの相談を受けるときににまず疑う物と言えば習慣です。アトピーは生活習慣病だからね。原因に気づけば治るし気づかなきゃ中々治らない。

石鹸っていうと自然な物だから安全だとかいわれてますがとんでもない誤解で石鹸は安全ではないです。使い方を誤るとアトピーを悪化させます。

つまり石鹸をやめればよくなるというのはありえます。治っちゃう人もいるぐらい。でもやめると悪化するケースももちろんある。

ということで今日は石鹸で洗ったほうが良いケースと洗わないほうが良いケースを紹介したいと思います。

あくまで僕の判断基準だから個人によっては当然違うこともあるので妄信しないように。

石鹸を使う本質は黄色ブドウ球菌を殺菌することにある

黄色ブドウ球菌というばい菌がアトピーの人の皮膚にはいっぱいいます。それを減らすのが石鹸です。

このばい菌が増えすぎるとアトピーの痒みを悪化させ皮膚の炎症を悪化させ、とびひ等の感染症を誘発させるというとても厄介な物となっています。

アメリカでは黄色ブドウ球菌をコントロールする為に様々な試みが用いられています。ハイター風呂もその一つです。

エビデンス（科学的根拠）のレベルも高く推奨される。となっているので日本はなんでこれを取り入れないんだろう思ってます。

日本では黄色ブドウ球菌の対策としてイソジンや超酸性水が有名です。これは民間療法になっていますが効く人にはまじで効きます。

石鹸で殺菌しきれない人（汁がジュクジュク出る人）はこちらも+するとなおよしです。日本は細菌コントロールに関してすごい遅れています。

少し話がそれましたが黄色ブドウ球菌の数をコントロールするのが石鹸で強力な殺菌作用があります。

弱酸性石鹸を用いた清拭の皮膚への影響 ─ アルカリ性石鹸との比較において ─ より引用

こんな感じで石鹸を使うと殺菌ができるわけ。アルカリ性も弱酸性も関係なく消毒できる。

ちなみにこれは普通の人の皮膚のデータ。アトピーの人の皮膚にはこの数十倍～数万倍の細菌が繁殖していると言われている。

皮膚科の先生が石鹸は汚れを落とすために石鹸を使うとかいってるけどあれは胡散臭い。汚れを落とすだけならお湯で殆ど落ちる。

タモリさんやら福山雅治さんとかがやってるお湯で洗うとかが有名かな。汚れだけなら湯船につかりつつお湯でばしゃばしゃやってると落ちます。

でも黄色ブドウ球菌は落ちない。ほっておくとどんどん増殖していく。だから石鹸で消毒する必要がある。ここまではＯＫかな？

石鹸には強力な洗浄力と脱脂力がある

http://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/01/01_05.pdfより引用

石鹸は殺菌ができるのがメリットなんだけどデメリットとして石鹸には強力な洗浄力と脱脂力があります。

体に優しいというのは半分ぐらい嘘で半分ぐらい本当です。アトピーの人が使うには洗浄力が強すぎるんだよね。

石鹸で頻繁に体を洗うとセラミドと天然保湿因子（ＮＭＦ）その両方がごっそり失われます。

セラミドと天然保湿因子は共にお肌の水分の保持を担っている重要なものです。これらが不足すると肌がガサガサになります。

そして二つ目石鹸はアルカリ性であるということ。上の図にあるようにアルカリ性はセラミドをガンガン流出させます。

石鹸はアルカリ性でｐｈ10～12ぐらいの物が多いです。お肌に優しい弱酸性なんていうフレーズを聞いた事はないでしょうか？

皮膚のｐｈは弱酸性で健康的な皮膚は4.5ぐらいです。弱酸性を保つことで皮膚の菌のバランスを整えています。悪い菌は弱酸性では生きられない体質です。

ところが皮膚のphがアルカリ性に傾くと皮膚のバランスが崩れ悪い菌すなわち黄色ブドウ球菌が増えます。

ま、つまり石鹸で洗うというのは弱酸性を保っている皮膚をアルカリ性に人為的に傾けているようなものなので肌に優しくはないだろうなとは推測されます。

そういうデータが見つからなかったのであくまで推測です。個人差もあるみたいですしね。

石鹸で洗った後の皮膚というのは一時的に皮膚のphがあがり徐々に元のｐｈ（弱酸性）に戻っていきます。

http://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/01/01_05.pdfより引用

じゃあ弱酸性のもので体を洗えばいいの？と思いがちですが弱酸性のものは基本的に洗浄力が弱いので合成界面活性剤がたっぷり配合されている事が多いです。

特に弱酸性でお肌に優しい♪とかいってる安物のボディーソープとかだとこれでもかっ！というぐらい合成界面活性剤が入っているので全然お肌に優しくありません。

安物のシャンプーやボディーソープに入っている合成界面活性剤は皮膚への残留性が非常に強く洗浄力も高いです。

その為すすぎを徹底的にしないと頭皮の湿疹の原因になります。美容院とかいくとすすぎに時間がかかるのはこの為。

石鹸の場合はすすぎ必要なしでさっと流すだけでＯＫです。

つまり石鹸は洗浄力は強いものの皮膚への残留性はあまり高くないためこの点では安全といえます。上でいった半分嘘というのはこの点です。

医者が無添加の石鹸を薦めるのはこのためです。皮膚への残留性はなくて安全って点からお勧めしてるって事なんだよね。

でも石鹸で洗いすぎることで皮膚に含まれる保湿成分をごっそりと落としちゃうって事はあまり知られていない上に教えていない。

それを踏まえてどうするか

ようするに黄色ブドウ球菌が少なければ石鹸で洗わないほうが皮膚には優しい。

黄色ブドウ球菌が多ければ石鹸で洗ったほうがいいんだけど黄色ブドウ球菌って目に見えない。

汁が出ている部分には黄色ブドウ球菌が多いのでそこだけはしっかり石鹸で洗ったほうがいいと思われる。

一番手っ取り早いのは左右の腕で石鹸を使う、使わないで比べてみる。1週間枚に写真を撮って比べる。1～2週間もすれば結果が出ます。

これ僕はやったことあるんだけどはっきりと違いが分かります。僕の場合は石鹸使わないほうが痒みが減り赤みも減ります。

石鹸については色々言われてるんだけど自分で試行錯誤して正解を見つけ出すしかない。

ただ赤ちゃんは皮脂のとりすぎで皮膚が乾燥するケースがあるのであまり洗い過ぎないほうがいいと思われる。

 乳児のアトピー性皮膚炎は洗いすぎが原因？について大雑把な解説をしてみた

今大規模な実験が行なわれていて洗いすぎがアトピーを発症させる要因の一つかもしれないっていうのを調べているらしいです。 

アトピーは清潔にしなきゃいけないという先入観から石鹸での洗いすぎによるアトピーの悪化というのはありえます。

毎日石鹸で洗ってるという人は「洗いすぎ」かもしれないので洗う頻度を落としてみるといいかもしれません。

顔を石鹸で洗顔をしている人は多いかと思いますが女性の方だとメイクを落とす洗浄力が足りず皮膚トラブルが起こってしまう可能性があります。

そういう場合は洗浄力のあるクレンジング剤を使えば良いかなと思います。

顔にニキビやブツブツできてない？アトピーの人にお勧めのクレンジングの選び方