アトピーや花粉症や蕁麻疹で使われるアレロックの効果と副作用についてまとめてみた
2017/09/08
今日のテーマはアレロック。アレロックの成分名はオロパタジン塩酸塩です。
この記事はアトピー患者兼重度の花粉症である僕がそういえば病院で飲み薬について一切説明されていないな・・・とふと思ったことからその疑問についてまとめた記事になってます。
アレロックだけ読みたい人は前半は読み飛ばすのが吉。なんで人によって効き目が違うのか?薬によってどんな違いがあるのか?
眠気が半端ないんだけど?等市販の薬が効かないんだけど?等誰もが一度は疑問に思ったことをできるだけわかりやすくまとめてみました。
アレロックは花粉症の薬の中で効果も最強だけど眠気も最強という非常に分かりやすい薬です。僕みたいな重症患者向け。蕁麻疹アトピーにも非常によく効く。
アレロックを飲むと鼻炎がぴたっと治まりますが僕は眠気や集中力の低下が見られた為合わなかったみたい。
眠気や集中力の低下は個人差があるため鼻炎に悩んでいる人はまずはこれを試してみるといいと思います。
もしこの薬が駄目だった場合はジルテック(ザイザル)が薬の効果もそこそこ強く眠気もアレロックほどではないのでお勧めです。
さてアレロックの説明もさらっと触れたところで抗ヒスタミン剤の基本であるヒスタミンとはなんぞや?というところから書いていきたいと思います。
目次
- 1 ヒスタミンってなんやねん
- 2 抗ヒスタミン剤と抗アレルギー剤の違い
- 3 抗ヒスタミン剤の種類
- 4 第一世代抗ヒスタミン薬
- 5 第二世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー剤)
- 6 ケミカルメディエター遊離阻止薬
- 7 アトピーで抗ヒスタミン剤を飲んでも効き目が薄いのはなぜ?
- 8 睡眠や集中力の低下等の副作用が少ない順に選ぶ
- 9 効果時間の長さで選ぶ
- 10 抗ヒスタミン剤のアレルギー性鼻炎に関する効果で選ぶ
- 11 アトピーに対する抗ヒスタミン剤の効果
- 12 蕁麻疹に関する効果
- 13 抗ヒスタミン剤における使用上の注意とか
- 14 抗ヒスタミン剤と相互作用のある薬は使ってはいけない
- 15 重大な副作用
- 16 アレロックの特徴
- 17 アレロックの使用方法
- 18 アレロックのアレルギーに対する効果
- 19 アレロックの副作用
- 20 重大な副作用
- 21 花粉で皮膚が痒くなる人はセラミドサプリのほうが効果が高くなる
ヒスタミンってなんやねん
http://kenkyu.wakasa.jp/hitomi/sickness/hay-fever.phpより引用
一言で言うと様々なアレルギー反応を起こす化学物質のうちのひとつ。
もっと詳しく説明するとヒスタミンというのは肥満細胞に蓄えられている細胞の一つです。
その肥満細胞は体中の至るところに散らばっていて脳をはじめとして色んな重要なところに配備されています。
このヒスタミンですが主な働きは集中力を高める、眠気を抑える、食欲を抑えるといった体にとって非常に重要な働きを担っています。
なにかと悪者扱いされがちなヒスタミンなんだけど体に必要なとても重要な働きをしています。
ヒスタミンは凄い奴なんですけど負の側面もあって体内に異物が入ってきたときに肥満細胞から大量に放出されます。
このヒスタミンが大量放出されて他の細胞とくっついたときに結果としてその部位によって様々な反応が起きる。
ヒスタミンの過剰分泌、これがアレルギー反応と呼ばれているものです。
異物が入ってきたのが鼻ならばヒスタミンの過剰分泌の結果くしゃみがでる、鼻がむずむずするといった症状を出すこれが「アレルギー性鼻炎(花粉症)」と呼ばれているものです。
異物が入ってきたのが皮膚からならヒスタミンの過剰分泌の結果、その異物をスムーズに追い出すために血管が膨張し「その異物をひっかいてとりのぞけ」という脳からの命令が出ます。
これが「痒み」であり「蕁麻疹」と呼ばれているものです。
異物が入ってきたのがヒスタミンの過剰分泌の結果気管ならば息苦しくなったり、セキが止まらなくなったりする。これが「喘息」。といった症状を引き起こします。
これらはいずれもヒスタミンが他の細胞とくっついたときに起こるということです。
ヒスタミンが他の細胞とくっついておこるんだからヒスタミンそのものを抑える薬やヒスタミンが他の細胞とくっついたりしないような薬があれば解決するんじゃね?
というような目的で作られたのだが抗ヒスタミン剤だったり抗アレルギー剤だったり呼ばれるものです。
当然ですがヒスタミンの分泌を抑えたり他の細胞とくっついてアレルギー反応を抑えたりする薬でアレルギーを根本的に治す薬ではないのでそこのところ勘違いしないように。
抗ヒスタミン剤と抗アレルギー剤の違い
以前は抗アレルギー剤というくくりはなくて全部抗ヒスタミン剤と呼ばれていました。
さて上で書いた通りヒスタミンを抑えるのが抗ヒスタミン剤の役割です。
ヒスタミンというのは負の働きばかりが強調されているんだけど当然ながら正の働きもある。そうでないとなんで体の中にあるんだって話だからね。
正の働きとは集中力を高める、眠気を抑える、食欲を抑えるといったものです。当然ヒスタミンを薬で抑えるということは集中力の低下、眠気の増大、食欲増進を引き起こします。
抗ヒスタミン剤は1950年~1970年にかけて発売された薬で優れた抗ヒスタミンの効力を示した。
これを今では第一世代ヒスタミン薬と呼んでいます。花粉症や蕁麻疹や喘息で苦しむといった患者をたくさん救ってきたわけ。
ところがその当事はまだ医療も発展していなくて効果も凄いが副作用もすごかった。ようするに薬の効き目の調整ができなかったってことなんだよね。
そのひとつが眠気がすごいというもの。抗ヒスタミン剤を飲むとなんとウイスキー3本分の眠気が出ることが試験の結果分かっている。
更に集中力の低下も問題となって仕事の単純ミスや試験の結果が落ちるという問題もあった。薬の副作用のせいで日常生活に支障が出る人もいたわけ。
そして何より個人差がでかい。劇的に効くという人もいれば飲んでも全然効かずに副作用だけが出る人もいた。
こりゃいかんという事でそれを解消したのが第2世代ヒスタミン薬と呼ばれるもの。別名で抗アレルギー剤。
効果を多少マイルドにして日常生活に支障が出ない範囲に副作用を抑えることに成功したお薬です。
皆さんが今飲んでいる花粉症やらアトピーの薬の殆どが抗アレルギー剤です。ちなみに抗アレルギー剤という名称があるのは日本だけです。海外では通じません。
抗ヒスタミン剤の種類
じゃあ薬にはどんな種類があるのかというところなんですがヒスタミンを抑えるにしても効果重視のタイプだったり副作用の眠気を少なくしたものだったりそこで薬の使い分けをするポイントとなっています。
普通お薬というのは強さで区切られているイメージが強いですが抗ヒスタミン剤の強さというよりは働きで区別されています。じゃ早速書いていきますよー。
第一世代抗ヒスタミン薬
上でかいたように効果もでかいが副作用もでかい。一般的な特徴として薬価が安い。飲むとすぐ効くのが特徴。喘息、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎に主に処方される。
飲むとすぐ効くというのは自覚症状の話。どんな抗ヒスタミン薬でも理論上は1日目には効果が出る。
ただし効果がいまひとつなので人にはさっぱりわからない。あーこの薬ようやく効いてきたなーという自覚症状がでるのが第1世代ヒスタミン薬の場合比較的速く2~3日ぐらい。
比較として第2世代ヒスタミンは効果を自覚するまで最低1~2週間(個人差あり)はかかるといわれている。
要するに即効性があるということ。その代わりすげぇ眠いしすげぇ頭がぼーっとする。
そして何より個人差がでかい。飲んですごい効くという人もいるし全然効かないという人も多い。
すごく重要なことなんだけどどんな薬でも効果と副作用の大きさは比例しない。副作用が出ているからといって薬が効いているというわけではないので注意
花粉が予想より早く来て抗アレルギー剤の予防が間に合わなかったというときに飲んだりすることもあるし急に強い鼻炎に襲われたときにとっさに服用することもある。
一般的に蕁麻疹には第2世代ヒスタミンよりこちらのほうがよく効くといわれている。というのも第一世代の薬には抗コリン作用と呼ばれるアセチルコリンという神経物質の分泌を阻害する働きが加えられているからだ。
このアセチルコリンが蕁麻疹には密接にかかわっていてその分泌を抑えることにより蕁麻疹が改善されることが多い。
第2世代ヒスタミン薬では抗コリン作用は削られているかもしくは弱くなっている。これは抗コリン作用の副作用が中枢系神経系(脳や消火器)に作用し眠気や倦怠感といったものにかかわってくるからだと思われる。ようするに得られるメリットに対しデメリットがでかいから削られたということだと思う。
今では抗ヒスタミン剤は一部の限定された用途以外には殆ど使われませんが副作用を逆手にとって使われることはあります。例えば副作用の眠気がすごいというのは日常生活を送る上ではマイナスですが不眠で苦しんでいる人やアトピーの痒みで眠れない人にとってはプラスと捉えることも出来ます。
うまく使うことが必要なんだけど僕は今までこの手の薬に関して説明されたことはないし今の皮膚科医にうまく使いこなせるスキルがあるとはとても思えない。耳鼻科なら多少ましになるんだろうけど。
第一世代功ヒスタミン薬の主な薬
()内は成分名です。
レスタミンコーワA(タンニン酸ジフェンヒドラミン)、ペリアクチン(塩酸シプロヘプタジン)
アタラックス(塩酸ヒドロキシジン)、アタラックス-P(パモ酸ヒドロキシジン)
ホモクロミン(塩酸ホモクロルシクリジン)ピレチア細粒(メチレンジサリチル酸プロメタジン)
ピレチア錠(塩酸プロメタジン)、アリメジン(酒石酸アリメマジン)
ベネン(塩酸トリプロリジン)、セレスタミン(d-マレイン酸クロルフェニラミン)
ネオレスタミンコーワ(d-マレイン酸クロルフェニラミン)、プロダミン(マレイン酸クロルフェニラミン)
ベナ(塩酸ジフェンヒドラミン)、プロコン散(テオクル酸ジフェニルピラリン)、タベジール(フマル酸クレマスチン)等がある。
一番有名なのはセレスタミンだろうか。セレスタミンはステロイドが入っているので当然のことながらすごい効く。副作用も半端無いから短期間しか処方されない。ヤブは平気で出してくるけど。
第二世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー剤)
第一世代の効果をマイルドにして副作用を減らした薬。具体的に言うと眠気が少なくなる。
抗コリン作用が少ないために消化器系への負担がやさしい。ただし薬価は高い。
効果が出るまで時間がかかる。最低1~2週間だけど花粉症対策に使うなら1ヶ月ぐらいはみておいたほうがいい。
喘息や蕁麻疹やアレルギー性鼻炎に幅広く用いられる。鼻炎でも鼻づまりには効きにくいらしい。
抗ヒスタミン作用に+αされているものが多いのでアトピーで使うならまずこの薬だが服用すると劇的に治るというわけではなくあくまで痒みを和らげる補助的な役割にとどまる。
第二世代抗ヒスタミン薬の主な薬
()内は成分名
ザジテン(フマル酸ケトチフェン)、 アゼプチン、(アゼラスチン)、セルテクト、(オキサトミド)、
ゼスラン(メキタジン)、 ダレン(フマル酸エメダスチン)、ニポラジン(メキタジン)等
更にここから色々と見解が分かれているが第2世代の中を更に細かくわけたものに第3世代ヒスタミン薬と呼ばれているものもある。
第2世代ヒスタミン薬を更に改良したもので優れているもの。より眠気が出にくくなるタイプや1日1回で服用が充分なものなどがこれに当たるらしい。
「らしい」というのはサイトによって呼ばれていたり呼ばれていなかったりして僕にもよく分からない。とはいえ第2世代より優れているものが多いので一応区分けしてみた。こちらを使っている人が多いのではなかろうか。
第三世代抗ヒスタミン薬の主な薬
アレグラ(フェキソフェナジン)、 アレジオン(エピナスチン)、アレロック(オロパタジン )
クラリチン(ロラタジン)、 エバステル(エバスチン)、 タリオン(ベシル酸ベポタスチン)
ジルテック(セチリジン)、 ザイザル(レボセチリジン塩酸塩)
ケミカルメディエター遊離阻止薬
抗ヒスタミン作用の無い飲み薬です。主に花粉、喘息等に主に処方される。アトピー、蕁麻疹には効果ほぼなし。
ヒスタミンは他の細胞とくっついてアレルギー反応を起こすんですが抗ヒスタミン剤はヒスタミンそのものを減らしアレルギー反応を和らげるといった働きをするのに対してこちらは他の細胞とくっつくのを防ぐという点でアレルギー反応を抑えるといった点に特化しています。
その為体内のヒスタミンを減らさずにアレルギー反応を抑えることが出来るため眠気をはじめとした副作用が少なくなるのが特徴かつメリット。
抗ヒスタミン薬はヒスタミンそのものを抑えるため眠気をはじめとする様々な副作用が出ることが多い。
デメリットは当然のことながら抗ヒスタミン作用がないということは体内で増えすぎたヒスタミンを抑える力は無い。つまりアレルギー反応が始まってから飲むのは無意味。
使い方としては花粉のシーズンくるしそろそろ飲んでおくかなぁといった使い方や普段から喘息を起こす子供が飲む予防薬的な意味合いが強いです。
アトピーにも効く薬(リザベン)もありますがアトピーの人は慢性的にアレルギー反応が起きているので効果は薄くあまりお勧めは出来ない。アトピーに使うなら効ヒスタミン薬をお勧めします。
ケミカルメディエター遊離阻止薬の主な薬
インタール(クロモグリク酸ナトリウム)、リザベン(トラニラスト)
アレギサール(ぺミロラストカリウム)、ソルファ(アンレキサノクス)
ロメット(レピリナスト)、タザノール・タザレスト(タザノラスト)
ケタス(イブジラスト)
他にも色々と喘息用の薬とかもあるんだけどここはアトピーブログなのでアトピー、蕁麻疹、花粉症に絞って書いていきたいと思います。
飲み薬の特徴をまとめると花粉症、蕁麻疹、喘息には大抵有効でうまく使えばQOLをあげれる。
一方アトピーの場合は効果は有効だけれども効果は薄いといった感じです。各薬剤にも特徴がありそれによって使い分けをすると吉。
アトピーで抗ヒスタミン剤を飲んでも効き目が薄いのはなぜ?
http://www.jaanet.org/pdf/guideline_skin03.pdfより引用し改変
まずはこの図を見てもらおう。これはアトピーの痒みが体内でどうやって起きているのかを示した図だ。
痒みというのは複雑なメカニズムでドミノ倒しのように連鎖してどんどん広がっていく。
別にわけがわかんなくてもいい。僕もわからん。この図を見て痒みが起きるルートが一杯あるんだなぁというのを感じてもらえばOKだ。
この中でMCと書いてあるのがヒスタミンが関与するアレルギー反応でそこを赤丸で囲んでみた。
MCが関与するアレルギー反応を抑えても別ルートから来る痒みもあるのでどう頑張っても全部ブロックするのは不可能というわけだ。
アレルギー反応にはおおまかにわけると4つあってヒスタミンが関与するアレルギー反応をⅠ型アレルギーというんだけどアトピーの人はヒスタミンが関与するⅠ型アレルギーとT細胞が関与するⅣ型アレルギーというのを誰しもが持っている。
簡単に言うとアトピー=Ⅰ型アレルギー+Ⅳ型アレルギーと考えてもらえばOK!ただし人によってどちらが強いかは違う。
抗ヒスタミン剤はⅠ型アレルギーを抑制する効果が強いもののⅣ型アレルギーはあまり抑制することが出来ない。
だからアトピーの人でもⅠ型アレルギーが強い人(蕁麻疹のある人)は効果がでるし、Ⅳ型アレルギーのほうが強い人(湿疹がメインの人)はうーんあんまり効かないなぁと思っちゃうわけ。
もっとも最近の薬はヒスタミンだけじゃなく好酸球(上の図で言うとEo)が遊走(アレルギー反応)するのを防いだりとかでいろいろ出来るようになってるけどそれでもアトピーの痒みは完全に抑えたりすることは出来ない。
だから過度な期待は禁物でせいぜいかゆみ止め程度と思って服用するのが吉。
2週間ぐらい試しても効果が出ない人はまったく無いのでそういう場合は別の薬に変えるかいっそのこと飲まないという選択肢もあり。
場合によっては副作用だけが出て効果がまったくでないということもありえるので副作用が出ているからといって効くというわけではないのでそこだけ勘違いしないように。
一杯種類があるんだけど何を基準で選べばいいの?
めんどくさい人は薬に関するあれこれを勉強するよりは2週間ぐらい服用して効かないとも思ったらさっさと薬を変えるのが吉。
どれを飲んでもそれなりに効くので薬によって大きく違う点を抑えつつ選べばいいと思う。
薬によって違いが大きい点は薬を服用後血中濃度最高値にどれぐらい早くあがるか(血中濃度最高値にあがるのが早いほど薬の効き目が早い=即効性が望める)。
服用後血中濃度が2分の1になる時間(薬の効き目の持続時間、ただし薬の効き目が持続するということは副作用も持続するということ)
特に眠気や集中力の低下の副作用の違いは大きい。ここらへんを考慮に入れて選べばまずはずれは引かないと思います。
睡眠や集中力の低下等の副作用が少ない順に選ぶ
Yanai K et al:Pharmacol Ther 113(1):1-15,2007より改変
ヒスタミンH1受容体占拠率の高さ=睡眠の副作用が強いということです。ザイザルとクラリチンとタリオンは表に載っていないけど非沈静性です。
いずれにせよ抗ヒスタミン剤は個人差が大きいのでこの表は参考程度にして色々試すのが良さそうです。
沈静性の高い薬を使っていると試験結果が落ちるという海外の論文報告があります。学生さんとかは非沈静性の薬を選ぶのが言いかなぁと思います。
眠気に関して一番少ないのはアレグラとクラリチンが2TOP。この二つは眠気、集中力の試験をしていて副作用なしのお墨付き。
次に眠気が中程度アレジオン、エバステル、ザイザル、ジルテックと続きます。眠気が中程度の中で一番効果が強いのがザイザル。眠気大がアレロックです。
僕はザイザル使ってるのでお勧めしておきます。
効果時間の長さで選ぶ
次に薬剤の効果時間についてこれもまぁ薬剤によって違いがでかい。飲んで1時間で効くという奴もあれば4時間かかるというものもある。
持続時間も短いものから長いものまで様々。ここらへんはライフスタイルに合わせて選べばいいんじゃないかと。
花粉が飛んでいない時期から抗アレルギー剤を飲んで予防に使うならエバステルが超お勧め。エバステルは花粉症の予防薬に一番適している。
花粉が飛んできたなと思ったら自分のライフスタイルに合わせて切り替えるべし
非沈静性の効ヒスタミン剤(上から順に睡眠作用が少ない。個人差あり)
アレグラ(薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで2.2時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから9.6時間。眠気は治験で2.3%市販後は0.5%。眠気、集中力に関する試験で影響なしと判断)
アレジオン(薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで1.9時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから9.2時間。眠気は治験、市販後あわせて1.21%)
エバステル(薬を飲んで薬の最大のピークに達するまで5.5時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから15.1時間。眠気は治験、市販後あわせて1.7%)
ザイザル(薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで1時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから7.3時間。ザイザルは治験で5.2%市販後のデータはなし)
タリオン(薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで1.2時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから2.4時間。眠気は治験で5.7%。市販後は1.3%)
ジルテック 薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで1.4時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから6.7時間。眠気は治験で6%、市販後は2.6%。)
クラリチン(薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで2.3時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから14.5時間.眠気は治験で6.35%。眠気、集中力に関する試験で影響なしと判断)
アレロック(薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで1時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから8時間。眠気は治験、市販後あわせて7%。)
ここらへんを自分のライフスタイルに合わせて選ぶのが吉。眠気が少なくなればなるほど一般的に効果も落ちる。
ザイザルのデータが無いのは市販されてからまだ日が浅いから。眠気は中程度だと言われている
一応眠気の副作用順に並べてみたんだけど薬剤の副作用報告(眠気)と医療関係者の意見を比較するとしばしば食い違いがある。
例えばこの表ではクラリチンの眠気がアレロックやジルテックに並びぱっとみは眠気の副作用が強そうだなぁと思ってしまうが医療関係者の意見だとクラリチンの眠気はかなり少ないという見解になっている。
それを反映するかのように実際に眠気の試験をしてパイロットでも眠くならないという結果を出している。
ちなみに眠気の比較試験としてきちんとしたデータがあるのはアレグラとクラリチンのみ。他の薬剤は比較試験をやっていない。
副作用報告の眠気を信じるか比較試験や医療関係者の意見を信じるか悩むどころ(僕は後者を信じる)だけど眠気には個人差があるのでデータはあくまでも参考にして自分に適した薬を選ぶのが一番いいと思われる。
抗ヒスタミン剤のアレルギー性鼻炎に関する効果で選ぶ
鼻炎にどれぐらい効くか?というのは鼻炎に関する試験で決められます。
鼻炎の比較試験の成績には総合鼻症状スコアが使われます。0点~3点の4段階評価で患者さんがこの基準を元に点数をつけます。
例えば僕の鼻炎が酷い時はくしゃみは0点、鼻汁は3点、鼻閉は3点、鼻内そう痒感は0点で合計6点になります。
この表では4項目だけど3項目で評価試験をすることもあるし5項目のときもある。普通は大体4項目での評価が多い。
これがザイザルを飲んだことによりくしゃみは0点、鼻汁は2点、鼻閉は1点、鼻内そう痒感は0点で合計3点になったら-3点というスコアになります。
このスコアを基準に薬が飲む前と飲んだ後でプラセボ(偽薬)もしくは他の薬と比較することで薬の有効性を計ります。
http://www.msd.co.jp/Documents/hcp/productinfo/interviewform/if_nasonex_n.pdfより引用
%の後の()内は人数。薬の添付文書からひっぱってきた。
アレグラ(鼻炎に関しての有効率は記載されず。鼻炎に関しての改善スコアは-0.36±0.18。ぶっちゃけ効かない)
アレジオン(鼻炎に関しての有効率は47.7%(195/ 409 )
エバステル(鼻炎に関しての有効率は54%(137/253)薬が効くまで時間がかかるので鼻炎には向かない)
ザイザル(ジルテックと同じ)
タリオン(鼻炎に関しての有効率は63.6%(126/198))
ジルテック 鼻炎に関しての有効率は49.6%( 66/133)鼻炎の改善スコアは-1.85)
クラリチン(鼻炎に関しての有効率は52.7%(146/277)。鼻炎の改善スコアは-2.53。5項目での評価なので改善スコアが高くなっている。)
アレロック(鼻炎に関しては有効率は62.9%(117/186)鼻炎の改善スコアは-1.41±1.99 です。)
鼻炎に関しては薬剤の違いがはっきり出ます。眠気で仕事に支障が出て困る仕事(ドライバーやパイロット等)ならアレグラとクラリチンが処方される。
アレグラとクラリチンどちらも眠気が少ないけどクラリチンのほうが効果が強いので眠気で選ぶならまずはクラリチンを試してみるのがいいと思う。
一番強いとされているのはアレロック。時点でジルテック、タリオンと続く。薬の強さと眠気のバランスがいいとされているのはザイザル。
鼻閉(鼻づまり)が強い人はタリオン、ジルテック、ザイザルにのみ鼻づまりに効く成分が配合されているのでそっちをお勧めする。
上の表と全然あってないじゃないかと思うかもしれませんがそもそも比較の仕方が会社ごとにばらばら。
鼻炎スコアに関しても3項目でやってるところとか4項目で比較してるところとかね。他にはやっていない試験(眠気に関する試験等)があったりでちぐはぐになるのは否めない。
なのであくまでも参考程度。鼻炎の改善スコアについては以下を参照のこと。
アトピーに対する抗ヒスタミン剤の効果
アトピーに関してどれぐらい効くか?というのは数字で表すんだけどそれにはそう痒重症度スコアが使われるのでそれの説明から。
薬剤の比較のときにアトピーや蕁麻疹の痒みの比較にはそう痒重症度スコア(痒みの数値)が使われます。
患者さんに日中の症状と夜間の症状の痒みの症状を目安に0~4点の間でスコアをつけてもらいます。
点数が高くなればなるほど痒みが強くスコアも高くなります。下がその表です。点数の下の折れ線グラフのほうは関係なし。
http://jp.rohto.com/m-hepasoft/data.htmlより引用
これを説明したところで薬の数値を書いていく。%の後の()内は人数。薬の添付文書からひっぱってきた。
アレグラ( 湿疹・皮膚炎に対する有効率は記載されず。アトピーの痒みスコアの軽減は-0.75±0.07)
アレジオン(蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬に対する有効率は74.2%(610/ 822 )個別の情報なし)
エバステル(湿疹・皮膚炎、痒疹に対する有効率は71%(188/264))
ザイザル(ジルテックと同じ)
タリオン(湿疹・皮膚炎に対する有効率は63.1%(65/103)、痒疹に対する有効率は73.2%(30/41))
ジルテック (湿疹・皮膚炎に対する有効率は65.9%( 81/123),痒疹に対する有効率は 57.7%( 30/ 52)アトピーの痒みスコアの軽減は-0.43)
クラリチン(湿疹・皮膚炎に対する有効率は60.7%(105/173)、痒疹に対するデータなし。アトピーの痒みスコアの軽減は-0.51)
アレロック(湿疹・皮膚炎に対する有効率は74.6%(91/122)、痒疹に対する有効率は50.8%(31/61)アトピーの痒みスコアの軽減は−0.78±0.84)
さてじゃあどれを使えばいいのかというとどれを選んでも正直そんなに変わらないと思うが僕のお勧めとか論文で効果があると言われているものを紹介する。
ぶっちゃけアトピーだけ悩んでいる人だったらその薬剤を2週間使って効かなかったら別の薬剤に変えるといういきあたりばったり手法が一番効果的。
あくまで痒みを抑える補助的な役割でメインはアトピー治療のメインはステロイド外用薬です。あまり期待しないようにするのが吉。
以下適当な薬剤の批評です。エビデンスの高い順番に並べます。
二重盲検試験=ざっくりいうと一番信頼性のある比較方法という事です。この試験で結果を残せばエビデンスがある(科学
エビデンスが高い=薬がそれだけ効くというわけではない。効く可能性が高いというだけ。
アレグラ
http://www.jaanet.org/pdf/guideline_skin03.pdfより引用し改変
抗ヒスタミン作用に加えて炎症性サイトカイン産制抑制作用(IL-8及びGM-CSF)。上の痒みの図でちょっと説明したけど痒みというのはドミノ倒しのように広がっていく。
炎症性サイトカインというのはそのドミノ倒しのスタート地点にあるのでそこを抑制することでアトピーの痒みを抑えれるってわけ。上の図の青丸ね。
大規模な二重盲検試験で効果ありとの判断。ステロイド外用薬とステロイド外用薬+アレグラの比較では後者が有意に痒み及び炎症が改善した。
またアレグラとザジテンとの比較で同等の結果を残したとの報告。
副作用の眠気が最も少なく蕁麻疹にもほどほどに効くのでアトピーorアトピー+蕁麻疹のある人はこれがお勧め。
ただし鼻炎にはほぼ効果なしなので鼻炎もちの人は別の薬を選ぶべし。
アレロック
蕁麻疹や花粉症によく効きアトピーにも効果がある。アトピーに合併する特殊な湿疹(痒疹や貨幣上湿疹)にもよく効く。アトピー+花粉症ならこれがお勧め。
論文では1094例の大規模な臨床試験があり間欠投与、連贈投与を比較。共に重症度が下がり連続投与のほうが有意に効果が高かった。また患者のQOLも改善された。
クラリチン
抗ヒスタミン作用に、LTC4遊離抑制作用(ロイコトリエン)、好酸球浸潤抑制作用がある。
論文では成人及び小児にでエビデンスの高い報告があった。ステロイド外用薬を用いた比較では使った郡ののほうが有意に痒みが減った。クラリチンとザジテンの比較では効果は同等であり安全性も同等だった。
アレジオン
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=chishiki&c2=1&c3=2&n=3より引用
アレジオンにはNGFの上昇を抑制を抑制する効果がある。NGFというのはすごく簡単に言うと痒みを感じる神経。詳しくは上の図を参考に。
普通の人は皮膚の下(真皮)までしかないんだけどアトピーの人はこれが表皮つまり皮膚の表面まで伸びていることで知られている。それの成長を抑制することで痒みを減らす。
論文では 小児アトピーで高いエビデンスの高い報告があり有効性を示した。アレジオンとザジテンの比較では両者ともによく効きアレジオンは医者の間でもよく効くとの評判。安全性でも同等。
ジルテック
選択的H1受容体拮抗作用、好酸球遊走阻止、活性化抑制。アレロックより1ランク落ちるが副作用の眠気は抑えられている。軽度のアトピーの人だとこれぐらいの薬のほうがいいかもしれない。
論文報告では顔及び東部に中等度以上の皮疹をもつ成人アトピー性皮膚炎で、プロトピック軟膏との併用で掻痒に有効かつプロトピック軟膏の灼熱感を有意に軽減し、その併用効果が示された。
1999年ではあるが、カナダでの大規模な安全性の報告4)がある。
プロトピックを使っている人で火照りに悩んでいる人はジルテックを使うのがお勧めです。
アイピーディー
これは抗ヒスタミン作用のない薬で純粋な抗アレルギー剤です。作用はIgE抗体・IL4・IL5産生抑制作用です。鼻水よりは鼻づまりやアトピーに効果があります。
成人アトピー性皮膚炎でプロトピック軟膏にアイピーディーを併用し症状の改善が早い傾向を示した報告がみられた。
また、難治性顔面紅斑をもつ成人アトピー性皮膚炎で、タクロリムス軟膏併用にて軟膏量が減少した報告があった。
プロトピックを使っている人で中々よくならないと言う人はアイピーディーを併用すると更に効果が上がる
以上がエビデンスのある薬剤です。この中から自分に会ったものを選ぶといいと思います。
蕁麻疹に関する効果
%の後の()内は人数。薬の添付文書からひっぱってきた。
アレグラ(慢性蕁麻疹に対する有効率は記載されず。蕁麻疹の症状の痒みの改善と症状の改善、2項目の合計の数値は10mgが-2.12±0.34。60mgが-3.53±0.33)
アレジオン(蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬に対する有効率は74.2%(610/ 822 ))
エバステル(慢性蕁麻疹に対する有効率は75%(277/369))
ザイザル(ジルテックと同じ)
タリオン(慢性蕁麻疹に対する有効率は76.4%(191/250)、蕁麻疹の痒みスコアの改善は-1.62蕁麻疹の症状の改善は-1.24)
ジルテック 慢性蕁麻疹に対する有効率は77.3%(211/273),蕁麻疹の痒みに対する試験はなし。)
クラリチン(慢性蕁麻疹に対する有効率は77.7%(310/399),蕁麻疹の痒みスコアの改善は-1.51。蕁麻疹の症状の改善は-1.41)
アレロック(慢性蕁麻疹に対する有効率は80.6%(225/279)、蕁麻疹の痒みに対する試験はなし)
蕁麻疹にはどの薬剤もよく効くので何を選んでも良さそう。重い蕁麻疹の場合はアレロックが適切だろうか。
蕁麻疹の場合は継続して飲むことになるので眠気や集中力の低下を最優先にして選ぶべし。
鼻炎がある場合はある程度強い物をチョイス(アレグラ、クラリチン以外)
アトピーの場合は眠気の弱いものから(アレグラ、クラリチン)から試すのが良い。
抗ヒスタミン剤における使用上の注意とか
まず腎障害or腎障害の疑いがある人は一人で勝手に使わないこと。血中濃度があがりすぎて薬の効き目がでたりでなかったりする。
高齢者も慎重に投与。次にてんかん等の痙攣性疾患がある人は薬剤によって痙攣を起こす可能性あり。
妊娠している場合も基本使ってはいけない。特に妊娠初期(15週頃)までには使わないほうがいい。なぜ使ってはいけないのかというと動物実験で奇形が生まれたとの報告があるからです。
ポララミン、クラリチン、ジルテック当たりがよく使われていて逆にアタラックス、セルテクトは禁忌になってます。
仮に抗ヒスタミン剤を服用していなくても遺伝子に異常がある可能性はゼロではないので医者とよく相談した上でよく使うのが一番いいと思います。
抗ヒスタミン剤と相互作用のある薬は使ってはいけない
テオフィリン。喘息の薬。併用すると薬が弱くなったり強くなったりする。
リトナピル。エイズの薬。併用すると薬が強くなる。
中枢神経抑制剤、アルコール。眠気が強くなったり副作用が強くなったりする。これはまぁ医者に言われたことがあるから誰でも知ってるかと思います。
サンリズムカプセル(ピルシカイニド塩酸塩水和物)。不正脈を治すお薬。効果が強くなり副作用が出たりする。
抗ヒスタミン剤を使うならこれらの薬を使っている人は併用しないでくださいねーって事です。併用できる薬剤もあるが基本は禁止ということは頭に入れておこう。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、腎障害、痙攣等があげられる。これについては薬剤の注意書きにも書いてあるので起こしやすい人は医者の指導の下きちんと使うこと。もしくは使わない。
ショック、アナフィラキシー、腎障害、痙攣等があげられる。これについては薬剤の注意書きにも書いてあるので起こしやすい人は医者の指導の下きちんと使うこと。もしくは使わない。
アレロックの特徴
さて以上を踏まえた上で説明してアレロックについて説明していこうかなと思います。
アレロックの基本スペックは薬を飲んで薬の効果のピークに達するまで1時間かかる。薬の効き目が続く目安は飲んでから8時間。薬の効き目が半日持たないことから1日2回服用となっています。
薬価は5mg(OD含む)が56.8円。2.5mg(含む)が44.7円。市販薬は多分なし。ジェネリックは30社前後が出している。多すぎ。
アレロックの最大の特徴は効き目は第2世代最強だけど眠気も半端ない。といった効果重視のタイプです。僕は以前これ飲んでましたが喉の渇き、眠気、集中力の低下が顕著に出ました。
眠気の副作用はかなり個人差がありちょうど8時間で薬の効き目が切れるのでアトピーで夜眠れないという人にはいいかもしれない。僕は睡眠薬として使ってます。
効能は抗ヒスタミン作用(ヒスタミンがアレルギー反応を起こすのを防ぐ)、実験的抗アレルギー作用(動物実験で喘息や鼻閉を抑制を確認)、 化学伝達物質の産生(ヒスタミンそのものの数を減らす)となっています。
特に蕁麻疹に対して抜群に効きアトピーにも効きます。喘息には効果なし。アレルギー性鼻炎に対しても効きますが眠気の副作用も高いので花粉症だけ悩んでるという人には微妙かもしれない。
アトピーで蕁麻疹の症状が強い人やアトピーで花粉症もちの人なんかにはいいかなぁと思います。眠気が気になる人はジルテック(ザイザル)、タリオンあたりをお勧めします。
皮膚科の先生曰くアレロックはどうにも個人差が大きいらしい(蕁麻疹や鼻炎には確実に効くがアトピーは個人差がある)のでそういう場合は個人差の少ないタリオンを処方しているといっていました。
このアレロックなんですがある日突然OD錠に変わったという人は多いかと思います。これははっきりいうと製薬会社の都合です。
簡単に事情を説明すると薬の開発には何百億というお金と7年~15年という莫大な年月がかかります。薬を開発したメーカーにはその恩恵として独占販売の期間が与えられます。他のメーカーはその期間が終わるまでは同じ薬を開発できません。
その独占販売の期間が切れたときにそんなに性能が変わらずかつ薬の値段が安くなったジェネリック(後発医薬品)がぞろぞろとでてきます。
アレロックの場合は大手メーカーなので30社前後がジェネリックを出し値段も4割減なので普通に考えれば患者さんは皆ジェネリックに流れていきます。アレロックは今後は儲かりにくい状況になったわけです。
幸いOD錠のほうはジェネリックがあまり販売されなかったので普通のの錠剤のほうの製造は押さえOD錠のほうで利益を追求するという形にしたという感じかなぁと思っています。
僕もそんな煽りを食らった一人でいきなりOD錠に変わったんですけどはっきりいうとまずい。パイナップル味?なんですけどまずすぎて飲むのが苦痛だったので即効で変えました。
以上なぜある日なぜ突然OD錠に変わったのかの説明終わり。
アレロックの使用方法
アレロック錠
http://www.kafun-season.com/alerok.htmlより引用
アレロックには5mgと2.5mgの2種類ありますが使い方は殆ど同じです。ただしジェネリック(後発医薬品)には小児適応がありません。その点については注意してほしいと思います。
オロパタジン塩酸塩=アレロックの主成分
成人は1回1錠(主成分として5mg)を1日2回朝・寝る前に服用しますが、治療を受ける疾患や年齢・症状により適宜増減されます。
7歳以上の小児には1回1錠(5mg)を1日2回朝・寝る前に服用します。
2歳以上7歳未満の小児は1回1錠(2.5mg)を1日2回朝・寝る前に服用します。5mgではなく2.5mgです。
めんどくさいからといって絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
アレロック錠OD
オロパタジン塩酸塩=アレロックの主成分
成人は1回1錠(主成分として5mg)を1日2回朝・寝る前に服用しますが、治療を受ける疾患や年齢・症状により適宜増減されます。
7歳以上の小児には1回1錠(5mg)を1日2回朝・寝る前に服用します。
2歳以上7歳未満の小児は1回1錠(2.5mg)を1日2回朝・寝る前に服用します。5mgではなく2.5mgです。
めんどくさいからといって絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ODってなんやねん
普通の錠剤は水と一緒に飲むタイプですがこちらは口に入れると勝手に解けるタイプです。食感はラムネ、フリスクと似たような感じで味はパイナップル味です。
僕はまずくて服用を止めましたがおいしいと感じる人もいるようです。アレロックを病院で処方されていた人はいきなりODに変わったという人もいるかもしれません(僕はこれでした。)
なんでいきなり普通のものからODに変えるんだろうと思ったんですがそこは製薬会社の利益が絡んでいてややこしいので後で説明します。
アレロックのアレルギーに対する効果
アレルギー性鼻炎(成人)
国内42施設で実施された試験での有効率は62.9%(117/186)であった。また、二重盲検比較試験において、最終全般改善度の改善率(「改善」以上)はオロパタジン塩酸塩62.4%(53/85)、オキサトミド56.6%(47/83)であった。
10%上乗せ方式による同等性の検証の結果、同等性が確認された(p=0.018)。概括安全度の安全率(「安全性に問題なし」)はオロパタジン塩酸塩68.0%(70/103)、オキサトミド61.4%(62/101)であった。
両群間に有意差は認められなかった
解説:オロパタジン塩酸塩=アレロック。オキサトミド=ジルテクトです。
P値の説明は難しいのでざっくりと。P値=0.05(5%)以下ならその実験結果が偶然ではない(エビデンスがある)と示している思ってもらえばいいと思います。
アレルギー性鼻炎(小児)
国内31施設で小児(7~16歳)を対象に実施された二重盲検比較試験において、オロパタジン塩酸塩(1回2.5mg 1日2回、もしくは1回5mg 1日2回)あるいは、対照薬としてプラセボを2週間投与した。
主要評価項目である「鼻の3主徴(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)合計スコアの観察期からの変化量」について共分散分析を行った結果、オロパタジン塩酸塩1回5mg 1日2回投与はプラセボに対し有意な改善を示した。
また、国内3施設で小児(7~16歳)を対象に実施された非盲検試験(12週間投与)において、オロパタジン塩酸塩1回5mg 1日2回を投与(33例)した結果、鼻の3主徴(くしゃみ、鼻汁、鼻閉)合計スコアの観察期からの変化量(mean±S.D.)は投与2週後-2.08±1.73、投与12週後-2.41±2.09であり、効果は投与終了時まで減弱することなく安定していた。
小児 アレルギー性鼻炎を対象とした比較試験成績
投与群 | 症例数 | 投与前 (mean±S.D.) |
変化量 (mean±S.D.) |
解析結果(共分散分析注1)) |
オロパタジン塩酸塩5mg/回 | 100 | 6.14±1.44 | -1.41±1.99 | 最小二乗平均の差 (プラセボ群-5mg群):0.51 95%信頼区間:0.04~0.98 p値:0.019※※ |
プラセボ | 97 | 5.99±1.17 | -0.84±1.58 | - |
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4490025F3026_1_03/より引用
解説:オロパタジン塩酸塩5mg=アレロック。プラセボ=偽薬です。変化量はそのまんまで薬剤の効き目です。
鼻炎の比較試験には総合鼻症状スコアが使われます。0点~3点の4段階評価で患者さんがこの基準を元に点数をつけます。
例えば僕の鼻炎が酷い時はくしゃみは0点、鼻汁は3点、鼻閉は3点、鼻内そう痒感は0点で合計6点になります。
このスコアを基準に薬が飲む前と飲んだ後でプラセボ(偽薬)もしくは他の薬と比較することで薬の有効性を計ります。
http://www.msd.co.jp/Documents/hcp/productinfo/interviewform/if_nasonex_n.pdfより引用
蕁麻疹
国内39施設で実施された試験での有効率は80.6%(225/279)であった。また、二重盲検比較試験において、最終全般改善度の改善率(「改善」以上)はオロパタジン塩酸塩77.7%(87/112)、ケトチフェンフマル酸塩66.9%(81/121)であった。
主たる検定であるU検定において、オロパタジン塩酸塩はケトチフェンフマル酸塩と比べ有意な改善を示した(p=0.019;U検定、p=0.093;χ2検定)。
概括安全度の安全率(「安全性に問題なし」)はオロパタジン塩酸塩77.2%(95/123)、ケトチフェンフマル酸塩53.9%(69/128)であった。オロパタジン塩酸塩はケトチフェンフマル酸塩と比べ有意に概括安全度が高かった(p=0.0001;U検定、p=0.0001;χ2検定)。
皮膚疾患に伴うそう痒
国内31施設で実施された一般臨床試験における湿疹・皮膚炎に対する有効率は74.6%(91/122)、痒疹に対する有効率は50.8%(31/61)、皮膚そう痒症に対する有効率は49.3%(33/67)、尋常性乾癬に対する有効率は52.8%(28/53)、多形滲出性紅斑に対する有効率は83.3%(15/18)であり、全体での有効率は61.7%(198/321)であった。
なお、気管支喘息に対しては、本剤の有用性を十分に確証する成績が得られていない。
解説:湿疹、皮膚炎=アトピー 多形滲出性紅斑=蕁麻疹で見られる特殊な型。
アトピー性皮膚炎(小児)
国内26施設で小児(7~16歳)を対象に実施された二重盲検比較試験において、オロパタジン塩酸塩(1回5mg 1日2回)あるいは、対照薬としてケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ(1回1g 1日2回)を2週間投与した。
主要評価項目である「そう痒スコアの治験薬投与前からの変化量」について共分散分析を行った結果、ケトチフェンフマル酸塩ドライシロップに対するオロパタジン塩酸塩の非劣性が検証された(95%信頼区間の上限が0.4以下)。
小児 アトピー性皮膚炎を対象とした比較試験成績
投与群 | 症例数 | 投与前 (mean±S.D.) |
変化量 (mean±S.D.) |
解析結果(共分散分析注2)) |
オロパタジン塩酸塩 | 152 | 2.36±0.46 | -0.78±0.84 | 最小二乗平均の差 (オロパタジン塩酸塩群-ケトチフェンフマル酸塩群):-0.08 95%信頼区間:-0.25~0.09 |
ケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ | 153 | 2.38±0.44 | -0.71±0.76 | - |
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4490025F3026_1_03/より引用
解説:オロパタジン塩酸塩 =アレロック。ケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ=ジルテックのドライシロップ。
薬剤の比較のときにアトピーや蕁麻疹の痒みの比較にはそう痒重症度スコアというものが使われます。
患者さんに日中の症状と夜間の症状の痒みの症状を目安に0~4点の間でスコアをつけてもらいます。点数が高くなればなるほど痒みが強くスコアも高くなります。下がその表です。点数の下の折れ線グラフのほうは関係なし。
http://jp.rohto.com/m-hepasoft/data.htmlより引用
アレロックの副作用
成人に対してのアレロック錠(普通錠)の承認時及び使用成績調査・特別調査(長期使用調査)において9,620例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は1,056例(発現率11.0%)で、1,402件であった。主な副作用は眠気674件(7.0%)、ALT(GPT)上昇68件(0.7%)、けん怠感53件(0.6%)、AST(GOT)上昇46件(0.5%)、口渇36件(0.4%)等であった。(再審査終了時)
小児に対してのアレロック錠(普通錠)の国内臨床試験において417例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は62例(発現率14.9%)で、78件であった。主な副作用は眠気22件(5.3%)、ALT(GPT)上昇18件(4.3%)、AST(GOT)上昇8件(1.9%)、白血球増多7件(1.7%)、γ-GTP上昇3件(0.7%)等であった。
その他の副作用
重大な副作用
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
花粉で皮膚が痒くなる人はセラミドサプリのほうが効果が高くなる
2016年2月ごろ資生堂から衝撃的なニュースが発表されました。以下引用
資生堂は、肌のバリア機能への影響を明らかにするために、セロハンテープで組織培養皮膚表皮の角層を剥離して人為的にバリアを破壊したうえで、スギ花粉の抗原タンパク質「Cry j1」溶液を塗布したときの水分量および細胞間脂質量を測定しました。その結果、水を塗布したときに比べて、「Cry j1」溶液を塗布した皮膚では水分蒸散量が顕著に高くなり(図1)、肌のうるおいが失われることがわかりました。また、肌本来の油分としてバリア機能の維持・回復を担う細胞間脂質については分泌されにくくなり(図2)、細胞間脂質の供給が滞ることが明らかになりました。これらのことから、「Cry j1」によりバリア機能が損なわれることを見出しました。
通常、肌のバリア機能が一時的に低下しても、肌本来のもつ回復力(恒常性)により元の状態へ戻っていくことがわかっています※2が、特に肌のバリア機能が低下している人はスギ花粉が付着しないよう肌を保護することが重要です。
https://www.shiseidogroup.jp/news/detail.html?n=00000000000035より引用
これがどういう事を示すかと言うと花粉による目や肌の痒みを改善する具体的な手法がわかったという点です。僕的にはノーベル賞を上げたいレベル。
今まではアレルギー反応で皮膚に痒みが出ると思われていてその対処法として抗ヒスタミン剤(アレルギー反応を抑える薬)が出ていました。
今後は杉花粉が付着する事により痒みが出るという事がわかったのでくしゃみが出る人は抗ヒスタミン剤。
痒みが出る人は抗ヒスタミン剤+保湿クリームを処方する病院が増えるんじゃないでしょうか。くしゃみは鼻の粘膜に花粉が入ることで起きるのでこれはアレルギーです。
病院で出される保湿クリームなんてうんこなんで全然効かないんですが。
そこで僕がとっておきの方法を紹介しましょう。僕はこの方法を実践してから杉花粉が飛ぶ中痒みがほぼなくなりました
ニュースとして公表されたのはつい最近ですが花粉がひっつくと肌が乾燥するなというのは体感で分かっていたので3~4年前から既に対策してました。
上の文章を見ると肌本来の油分としてバリア機能の維持・回復を担う細胞間脂質については分泌されにくくなり(図2)、細胞間脂質の供給が滞ることが明らかになりました。
と書いてあるわけです。ようするにバリア機能を担う細胞間脂質を供給すれば花粉のときのどうしようもない痒みがなくなるって事です。
ちなみに通常、肌のバリア機能が一時的に低下しても、肌本来のもつ回復力(恒常性)により元の状態へ戻っていくことがわかっています※2が、特に肌のバリア機能が低下している人はスギ花粉が付着しないよう肌を保護することが重要です。
ともかいてありますが花粉がびゅんびゅん飛んでる絶えず肌に付着する中回復する見込みはまずないです。
http://www.tvert.jp/fs/tvert/c/sale1より引用
細胞間脂質の半分はセラミドでできていまして細胞間脂質が少なくなっている人=セラミドといっても過言じゃないです。
このセラミドなんですけど高価すぎて保険適用になっておらず病院の保湿剤ではもらえません。
市販のセラミドクリームは品質がまともなもので30g4000円ぐらいです。糞高いでしょ?しかも1ヶ月持たないです。
これより安いセラドクリームも売ってますがそれはセラミドもどきなので皮膚にセラミドの補給はできないわけです。
そこでお勧めするのがセラミドサプリです。元々これアトピーの為に飲み始めたんですがこれ飲み始めてから花粉のシーズン中の痒みがぐっと減りました。
お値段も1ヶ月2000円~3000円ぐらいで飲むだけで全身に効くという優れものです。
花粉のシーズン中に肌が痒い!って人は抗ヒスタミン剤よりこちらのほうが効果あるんで是非試してみてくださいな。
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