アトピー攻略ブログ

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アトピーでステロイドを塗り続けるとステロイドを出さなくなりリバウンドを起こすは本当か?

      2017/01/06

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ステロイドを塗り続けると腎臓がサボってステロイドを出さなくなるというような話を聞いたことがある人って結構いるんじゃないでしょうか。

今はこの腎臓がサボってステロイドを出さなくなるというのはあまり見なくなって最近はステロイドによるリバウンド原因はステロイドが蓄積して酸化コレステロールになる説を信じている人が多いと思います。

僕はそれとは別にステロイドによる皮膚バリア破壊説によるリバウンドを信じていたりしますけども・・・。

それはさておき今日は腎臓がサボってステロイドを出さなくなる説について書いていこうかなと思います。

医者でないので間違っていたりするかもしれませんがそこは目をつぶってね。

 

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ステロイドを塗ると腎臓がサボってステロイドをださなくなる説の概要

ステロイドというのは僕らの体内で作られています。腎臓の近くにある副腎皮質という部分で作られるステロイドの名前をコルチゾールと言います。

コルチゾールは人体には必要不可欠なものでストレスのコントロール。ブドウ糖つまり人間のエネルギーを作り出すコントロール。

脂肪を分解しエネルギーとして作り出す。たんぱく質を使い体を修復する。他にも血圧免疫機能等の様々な機能をコントロールしている超重要な部分です。

アトピーでは炎症を抑える。という点で使われています。

人間の体というのはよくできていて恒常性の維持つまり体を一定の状態に維持する能力があります。ホメオスタシスともよばれますね。

体が寒かったら体を震わせて熱を発生させるとか、運動をしたら体温が上がりすぎてしまうから汗を出して体温を下げて調整するとかそういう奴ですね。

これをステロイドホルモンに例えると外部から人工的に与えられたステロイドつまりステロイドの塗り薬を外部からずっと与え続けると体内のコルチゾールが上昇します。

すると体はコルチゾールの量が多くなっているという以上を認識してコルチゾールを出さなくなってしまいます。

コルチゾールは多すぎても少なすぎてもいけない。多くなるとアトピーが良くなると考えている人が多いですがあんまり分泌させると免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなります。

外部からコルチゾールを与えるわけですから体内のコルチゾールはずっと過剰に多いままです。

すると体がこのままじゃいけない!と思ってコルチゾールを少なくします。その結果体本来が持つ炎症を抑える力やストレスに対抗する力が落ちていきアトピーが悪化します。

外部からステロイドを与えれば与えるほどコルチゾールが少なくなっていくので薬がだんだん効かなくなってしまい薬のランクを上げざるを得なくなります。

そして最高ランクの薬が効かなくなったとき体内のコルチゾールは殆ど働いていないのでこの状態でステロイドを塗るの止めるとコルチゾールがゼロになり激しいリバウンドが来る。というもの。

 

まぁこう書かれると妙に説得力があるよね。患者さん自身はステロイドが効かなくなってたという経験があるわけだしそう思っちゃっても仕方がないと思う。

 

実際のところはどうなの?

ステロイドを大量に塗ると一時的にコルチゾールが抑制されるというのは間違いないです。ただし日常生活に影響を与えるほどではないしステロイドを止めるとすぐに元に戻るという事です。

アトピーガイドラインにもベリーストロングクラスのステロイドを1日5gないし10gまでの初期外用量で初めて3ヶ月までならコルチゾールは抑制されるものの一時的であるとかかれてますからね。

それが3ヶ月以上続く場合は副腎皮質の抑制があるかもしれないから時々チェックするべきだというようなことがかかれています。

ステロイドを普通に塗ると炎症が治るわけですから塗る量は減っていくのでそれに従いコルチゾールも回復していくはずです。

ただし内服は別。ヤブ医者のせい内服ステロイド(リンデロンとかね)を毎日飲んでいたりあれはまじで腎臓を萎縮させるので腎臓萎縮の回復にはそれなりに時間がかかるはずです。

外用薬のほうはそういう報告があるのかというと・・・ネットで探すとそこそこ出てきます。

例えばこれ。ステロイドは下垂体・副腎皮質系に影響を起こすと書いてあります。長いので結論だけ読んでもらえればいいと思います。

入院中のアトピー患者のコルチゾールとACTH(副腎皮質ホルモンを出す臓器)の数値を朝計ったもの。長いので結論だけ引用する。

①.ステロイド外用量が多い患者ほど、コーチゾルやACTH低い患者の割合が多くなっていたこと
②.ステロイド外用剤を大量に使っている重症患者ほど、コーチゾルやACTHが低下した患者が多くなっていたこと。
③.入院後、ステロイド外用剤を大量に使用すると、コーチゾルやACTHが低下した患者がいたこと。
④.もともとステロイド外用剤をほとんど使っていない患者は、入院中ステロイド外用剤を使ってもコーチゾルやACTH低下した患者はほとんどいなかったこと。
⑤.ステロイドを中止したリバウンド状態においても、コーチゾルやACTHが低下した患者が多数いたこと。

以上のことから、ステロイド外用剤は吸収されると、下垂体・副腎皮質系に影響を及ぼすことは明らかです。
その悪影響は、Rapid ACTH試験の結果からみると、副腎機能不全ではなく、下垂体機能不全です。
ステロイド外用剤は、もっと上部の下垂体を制御している視床下部に影響している可能性もあります。

ステロイドを中止したリバウンド状態においても、コーチゾルやACTHが低下した患者が多数いたことは、それまでのステロイド治療が下垂体・副腎皮質系に影響を及ぼしていたために、本来必要な分だけコーチゾルが分泌されなかったと解釈されます。
一種の下垂体・副腎皮質系の反応不全と思われ、それだけに入院後湿疹が軽快するとともに正常反応に戻ったと思われます。
そうはいうものの、そんな反応不全に陥らせたものは、結局のところ長年のステロイド外用です。

http://www.atopy-endo.com/papercortisolACTH.htmlより引用

 

結論だけ読むとステロイドを使うと副腎皮質に影響を及ぼす。下垂体・副腎皮質系の反応不全はステロイドによるものと書いてあるけどこれはちと違う。

①と②と③については全くその通りでステロイド外用薬を使うと多かれ少なかれ副腎皮質が抑制される。ただしそれは一時期的なものである。

それはコルチゾールが入院後に皮膚状態が良くなってステロイドの量が減れば正常反応に戻るということからも読み取れる。④はわからん。⑤は後で解説。

コルチゾールというホルモンは普通の生活リズムの場合は朝6時~8時に分泌されて昼12時ごろにピークになりその後緩やかに低下するという形を取る。通常はこんな感じ。

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http://steroidwithdrawal.doorblog.jp/archives/25009720.htmlより引用

ところがアトピー患者の場合はコルチゾールの分泌のピークがずれる。重傷であればあるほどそのずれというのは起きる確率が高い。

これはどういうことかというとアトピー患者は夜痒みで眠れない。そのせいでホルモンバランスが狂ってしまってピークの時間昼にずれる。

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http://steroidwithdrawal.doorblog.jp/archives/25009720.htmlより引用

こんな感じでね。この論文は朝コルチゾールを計ったものなのでコルチゾールの分泌が低いアトピー患者がいるのは当たり前でおそらく昼計ればまた違った結果が出るんじゃないかと思う。

だから5のステロイドを中止したリバウンド状態においても、コーチゾルやACTHが低下した患者が多数いたこと。というのはステロイドの使いすぎで低下したわけじゃない。

ステロイドを止めることによって皮膚の状態が悪化。その影響で不眠になりコルチゾールのピークがずれて朝数値を計ったら低い数値が出たのを勘違いしたんじゃないかなぁ。

つまり下垂体・副腎皮質系の反応不全はステロイドによるものではなく皮膚状態の悪化による不眠の影響という事です。

僕がこの説を信じれないのはもしステロイド外用薬で頻繁に副腎皮質が萎縮がおきるならそれこそもっと大問題になっているはずという点です。

コルチゾールというのは人間が生きるのに必ず必要なホルモンでもし出なくなれば下手すると死ぬし日常生活を送る事すら困難になるからだ。それぐらい重要なホルモン。

僕はステロイド外用薬を長年普通に使っていて死んだということを聞いた事がないしよほどぶっ飛んだ使い方をしなければ大丈夫だと思う。

あくまで塗り薬を普通に使う分には腎臓の萎縮は気にしなくていいよーってことね。

それは脱ステ患者をたくさんみてきた深谷先生もステロイドによる腎臓萎縮については外用薬ではよっぽどのことでは起きないとかかれている。

ステロイド外用剤による副腎不全

重症なアトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis:AD)患者の入院治療は,短期間に皮膚症状を改善する有用な治療法である.しかし,入院中に使用される比較的多くの量のステロイド外用薬が生体に及ぼす影響については明らかではない.今回われわれはADの入院患者において,入院時(検査は入院翌日)および退院時の血中コルチゾール値を測定し,その推移について検討を行った.対象は,当院皮膚科に2007年5月から2008年8月までに入院加療した重症度の高いAD患者である.11歳から43歳(平均値±SD:27.4±7.5歳)の20名(男性12名,女性8名)に,入院時および退院時の朝7時から8時の間に血中コルチゾール値を測定した.結果は入院時の血中コルチゾール値は3.7±5.7 μg/dl(平均値±SD)と低下を示していたが,退院時は11.6±4.4 μg/dlと上昇した.この推移には統計上有意差を認めた(p<0.05).また,入院期間は13.3±4.7日(平均値±SD)であり,血中コルチゾール値が基準値である4.0 μg/dlに復するのに必要な入院期間は平均4.8日(推定)であった.入院中に使用したステロイド外用量はII群が8.6±6.3 g/日(平均値±SD),III群が4.8±5.8 g/日であり,ステロイド外用薬の使用量と血中コルチゾール値の変化量には差がなかった.今回の検討で, 入院を要する重症AD患者では,入院時には副腎皮質機能が抑制されているケースが多く,入院治療を行うことにより皮膚症状の改善が認められ,さらに入院時に基準値より低かった16症例のうち1例を除き退院時には基準値以上になり副腎皮質機能が正常に回復することが示された.重症AD患者においての入院療法は,短期間で効率的に皮膚状態を改善させるのみでなく,抑制状態にある内分泌系機能も同時に回復させることが示された.

http://ci.nii.ac.jp/naid/130004708708より引用

 

他にもこんな報告もあります。ステロイドを使うと副腎皮質ホルモンは抑制されるけど皮膚の状態が良くなり睡眠をきちんと取れるようになれば正常に反応するようになります。

長年ステロイドの塗り薬を使うとコルチゾールが分泌されなくなるというのは入院患者が退院後良くなっていることからまずないんじゃないかなぁとおもう。だって戻らなかったらやばいしね・・・。

じゃあステロイドが効かなくなってくる現象は一体なんなんだ!と思うかもしれませんが今現在は皮膚の萎縮が作用することで起きるといわれています。

 - 脱ステ

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