アトピーに使われる非ステロイド性抗炎症薬ジルダザックの使い方や効果と副作用についてまとめてみた
2015/08/01
今日のテーマはジルザダック軟膏について書いていきます。ジルザダック軟膏の成分名はベンダザックと言います。
ジルザダック軟膏は先発医薬品で後発医薬品にはイワザック軟膏があります。
先発医薬品は先に世の中に出た薬品で後発医薬品は先発医薬品を真似して作った製品です。
先発医薬品は安定した薬効が望める。後発医薬品は薬代が安い。薬効が先発薬品に比べて安定しにくいといった特徴があります。
実は僕非ステロイド抗炎症薬(以下NSAIDs)は使ったことがなくて接触性皮膚炎(かぶれ)のリスクが高いと言う事ぐらいしか知りませんでした。
今回は僕の勉強もかねてNSAIDsについて書いていきたいとお思います。
目次
NSAIDsって?
僕は最初NSAIDs=非ステロイドの塗り薬を意味するのかなぁと思っていたんですがどうやらNSAIDsとはステロイドを含まない内服薬全般の事を指すらしいです。
僕がたまに痛み止めに使っているロキソニンもNSAIDsのひとつという事らしくて鎮痛作用、抗炎症作用、解熱作用がありステロイドを含まないもので前述のような効果がある薬物をNSAIDsと分類するみたいです。
つまりステロイドと同じく最初は内服薬だったが優れた抗炎症作用を皮膚炎に使えるかなということで外用薬にされた経緯があるみたいです。
内服には幅広い種類がありサリチル酸系、フェナム酸系、フェニル酸系、プロピオン酸系、ピロロ-ピロール誘導体、オキシカム系、コキシム系と幅広く分類されています。
主な副作用は胃腸障害、腎障害、肝障害、高血圧、光線過敏症、服用することによる喘息の増加等があります。
その内服薬の一部を外用薬(塗り薬)にしたのがアトピーの非ステロイド系列の軟膏って事らしいです。
NSAIDsの役割
ここからは内服薬ではなく外用薬についての話をしていきます。つまりアトピーの塗り薬におけるNSAIDsの役割です。主に赤ちゃんに使う場合についてあれこれ書いていきます。
NSAIDsは抗炎症作用がありますがステロイドほどは強くありません。ステロイドの強さで言うと 4郡中程度(medium)より弱く5郡弱い(weak)と同等ぐらいです。
ステロイドで5郡弱い(weak)使われないわけは端的に言うと炎症を抑える力が弱すぎるからです。
これはNSAIDsが炎症を抑える力が弱いということを示しますが5郡弱い(weak)にかわってNSAIDsが処方されるというのは副作用のリスクが少ないこともあると思います。
後は親御さんがステロイドを塗るのは嫌だ!といってしぶしぶ処方するケースやステロイドを使わない小児科で処方されることもあります。
NSAIDsの特徴としては主に急性の湿疹、おむつかぶれ、帯状疱疹によく効きます。逆に慢性の湿疹、アトピーにはあまり向きません。
つまり1~2週間で治る湿疹や炎症に塗るというのが正しい使い方です。例えば赤ちゃんの場合だとお母さんの服とこすれてできた湿疹とかなら軽いのでNSAIDsで充分です。
逆にそれ以上に重い場合例えば汁がでていたり見るからにもう真っ赤になっていたりする場合はステロイドで素直に炎症を抑えたほうがいいです。
使い方としてはステロイドで炎症を抑えた後出てきた急性の湿疹にNSAIDsを使う。というのが一番いいかと。
つまりアトピーが軽くなった後ちょくちょくステロイドを使うには躊躇するけど炎症があって困るという分にはいいんじゃないかと思います。
NADISのリスクとしては接触性皮膚炎(かぶれ)を起こしやすいという特徴があります。
体につけるものならなんでもかぶれが起きるリスクはあります。例えばステロイド外用薬でもかぶれを起こしますがNADISはステロイド外用薬と違ってかなりの頻度でかぶれを起こします。
これが非常に厄介で例えばNADISはステロイドじゃないから安全だ!と信じ込み毎日赤ちゃんのほっぺたにべたべた塗ってかぶれをおこした場合それを治すにはステロイドを使うしかありません。
ステロイドを塗らずにかぶれを放置した場合は自家感作性皮膚炎が起こる可能性もあります。
自家感作性皮膚炎はかぶれを放置すると起きることがありかぶれがおきた場所にアレルギー反応が起きます。
そこで起きたアレルギー反応を起こす細胞が血液を通って全身に湿疹を起こすというもの。こうなると全身にステロイドをべたべたと塗るハメになってしまいます。
こうなるとステロイドを使いたくないからNADISを使ったのにNADISのせいで結局ステロイドを大量に使うハメになり悲惨な目にあいます。
こういう風にならないためにもしっかりと使い分けをしたいものです。ここで一旦ステロイドとNSAIDsについてまとめてみてみます。
NSAIDsと 4郡中程度(medium)ステロイドの比較
副作用比較
まずアルメタ軟膏の副作用の起こる確率ですが14633 例中,副作用は82 例(0.56%)、39 件に認められた。主なものは,毛嚢炎・せつ 10件,ステロイドざ瘡 (ニキビ)3 件等であった。
NSAIDsであるスタデルム軟膏使用症例8583例中115例(1.34%)が認められた。
NSAIDsであるスタデルムクリーム使用症例5220例中126例(2.41%)に副作用が認められた。報告された主な副作用は、軟膏、クリーム全体で発疹(0.87%)、刺激感(0.68%)、瘙痒(0.35%)等でいずれも接触皮膚炎、その他の局所の皮膚症状であった。
NSAIDsであるコンベック軟膏の総症例数13398例中223例(1.66%)410件の副作用が報告されている.主な副作用は発赤117件(0.87%),刺激感87件(0.65%),そう痒74件(0.55%),丘疹37件(0.28%),灼熱感29件(0.22%)等であった.
NSAIDsであるコンベッククリームは総症例数1,289例中16例(1.24%)37件の副作用が報告されている.主な副作用は灼熱感9件(0.70%),接触皮膚炎6件(0.47%),潮紅6件(0.47%),刺激感5件(0.39%),発赤3件(0.23%),そう痒3件(0.23%)等であった.
一般的に軟膏のほうが不純物は少なく水の刺激に強く副作用が少ない。赤ちゃんの口周りのよだれに塗るとかなら軟膏のほうが向いているはずです。
クリームは添加物が多く肌に合う合わないが大きいので軟膏と比べてかぶれ等の副作用が多くなります。薬の効き目や使い勝手はクリームのほうが優れています。どちらも一長一短なのでうまく使ってください。
炎症作用比較
アルメタ軟膏は湿疹・皮膚炎群に対し 83.9%(426/508)でした。
NSAIDsであるスタデルム軟膏の有効率は急性湿疹で64.8%( 35/54 )、慢性湿疹で75.0%( 36/48 )、アトピー性皮膚炎では64.7%( 97/150)です。
NSAIDsであるスタデルムクリームの有効率は急性湿疹で50.6%( 39/77 )、慢性湿疹で71.7%( 38/53 )、アトピー性皮膚炎では55.2%( 69/125)です。
NSAIDsであるコンベック軟膏の有効率は急性湿疹で64.6%(104/161)、慢性湿疹で42.6%(26/61)、アトピー性皮膚炎では56.3%(218/387)です。
NSAIDsであるコンベッククリームの有効率は急性湿疹で77.1%(27/35)、慢性湿疹で82.1%(23/28)、アトピー性皮膚炎では50.0%(25/50) です。
サンプル数が少ないものもありますが目安にはなるかと思います。
使う際の注意点
感染症を伴う湿疹や皮膚炎には使わないこと。これはステロイドの副作用が免疫を下げることから感染症を伴った部位に塗ると感染症に対する体の免疫が下がりむしろ悪化します。
特にアトピーの人は様々な感染症にかかりやすいため、アトピーとはなんか違った炎症があるなぁと思ったら必ず医者に見せに行きましょう。
以上を踏まえてどう使うか?
以上コピペでした。ステロイドはNSAIDsより炎症を抑える力が強くNSAIDsより副作用が起こる確率は少ないです(安全なわけではない)。副作用が起こるとされている確率は0.5%~1%未満。
適切に使えば皮膚炎に万能に効き主な副作用はニキビ、毛のう炎、確実に起きる副作用は皮膚の萎縮(表皮の萎縮)です。皮膚の萎縮は真皮は仕様書に乗っていても表皮の分は乗ってないです。
適切に使えなければ酒さ皮膚炎のリスクや免疫の低下が目立ってきます。適切に使う分には免疫の低下はそれほど問題にはならないはずです。
問題は適切な使い方を指導できる医者が思ったより少ないということです。赤ちゃんにも使える薬だからとヤブがステロイドを処方して顔面にべたべた塗って酒さ皮膚炎一直線ということは決して少なくないと思います。
皮膚の萎縮というとピンっとこないかもしれませんが界面活性剤含む石けんやシャンプーにも同じ効果があります。ステロイドには抗炎症作用(プラスの面)と皮膚の萎縮(マイナスの面)があります。
人間の皮膚というのは外界に対する様々な異物を弾くようにできています。
その皮膚が萎縮するということは異物を弾く力が弱くなり皮膚のバリア機能が低下する=様々な刺激に弱くなりアトピーが悪化しやすくなることを意味します。
ステロイドを塗れば確実にこの副作用が起きるために治療の初期以外は休薬期間をおいて使うのが重要です。
一方でNSAIDsは世間一般では安全な薬というイメージですが4郡中程度(medium)と比べると抗炎症作用が少なく副作用が起こる確率は高いです。副作用が起こるとされている確率は1~2%前後。
ステロイドはアトピーに対して8割前後効果があるのに対しNSAIDsは5~6割前後に留まります。
主な副作用は刺激感(使い続けるかどうかはケースバイケース)、発赤(皮膚が赤くなる)、や痒み等。刺激は我慢して塗っていればよくなることもありますが収まらずに逆に掻いてしまい酷くなることもある。
発赤や痒みは塗れば塗るほど酷くなるので塗るのを中止。
NSAIDsの一番のデメリットは薬による副作用が出た場合の殆どがアトピーを悪化させ薬剤を中止しなければ治らないこと。世間一般で言われているほど安全な薬ではないのは確かです。
これらの副作用がおきなければ特にデメリットもなく使いやすい薬ですがこういう副作用が起きるということを念頭において使ってもらえればいいと思います。
結局のところどっちを使うかという基準は痒みがあるかどうか?という点と塗って3~4日で収まるかという点です。
ちゃんは痒みを我慢できないので痒みを放置するとそこから掻いてどんどん炎症が広まります。湿疹が湿疹を呼ぶ負のスパイラルです。それを止めれるのはステロイドだけです。
またステロイドにしろNSAIDsにしろ3~4日できっちりと湿疹を抑えれる物を選ばなければいけません。毎日塗り続けるというのはそれだけ副作用のリスクも高まります。
成人の場合はいっそ使わないほうがいいと思います。成人でNSAIDsの使用が選択肢に入るということは脱ステ中の人でしょうから。
脱ステ中の人は皮膚状態が悪いことが多くNSAIDsでは抗炎症作用が不十分なことが多く毎日ダラダラ塗ってしまい接触性皮膚炎のリスクも高まります。
といってもこれはあくまで僕の考え方です。アトピー治療に正解はないので各自好きにすればいいと思います。なんといっても人によって体質は違うしアレルゲンも違う。
ステロイドなしの治療、ありの治療どちらでもいいですがステロイドもNSAIDsも毎日だらだらとつかっていい薬ではない事だけを頭にしっかりと覚えて治療をしっかりしてください。
使う上での注意点
妊婦には使ってはいけない。妊娠後期の女性に対し使用したところ胎児動脈管収縮が報告されている。
胎児動脈管というのは赤ちゃんに栄養を送る専用の血管のようなものです。それ専用に作られた血管とでも考えてもらえればいいかな。
んでその血管が収縮するということは赤ちゃんに栄養を送れず最悪の場合は死亡してしまうこともあるんだとか。そういう理由で基本的に使用はされないとの事です。
授乳の影響については薬の説明書にのっていないのでよくわからなかったです。
次に高齢者に使用する場合は生理機能が低下しているので薬剤の効きが悪くなったり強くなったりするので注意すること・
眼科用として角膜、結膜に使用しないこと。これは当たり前っちゃ当たり前ですが。
ジルザダック軟膏
http://www.packageinsert.jp/detail/662640142/bendazacより引用
1日に数回患部に適量を使用する。
毒性の特に強いもの(お肌に優しくない成分)は赤字で表示。赤字でなくてもアレルギー反応やかぶれがでることはあるので簡単な目安です。
1g中に含まれるベンダザック(ジルザダックの主成分)= 30 mg(3%)添加物は白色ワセリン、マイクロクリスタリンワックス(油剤、親油性増粘剤)、軽質流動パラフィン
クリームは販売中止になっています。
薬のアトピーに対する効きめとか詳しいものは乗っていないのでこちらを使うならフエナゾール軟膏とかスタデルム軟膏とかを使うのをお勧めします。
ジルザダックの副作用
軟膏・クリーム注)の合計総症例1,898例中、49例(2.6%)54件に副作用が認められた。主な副作用は刺激感32件(1.7%)、皮疹増悪7件(0.4%)、発赤5件(0.3%)等であった。
(軟膏:添加物一変承認時(1982年12月)、クリーム注):副作用頻度報告時(1982年1月))
注:クリームは販売中止です。
非ステロイドの軟膏が効くならセラミドサプリもお勧め
非ステロイドの塗り薬が効く炎症ならセラミドサプリの併用をお勧めします。非ステロイド塗り薬は接触性皮膚炎を起こす可能性があるので。
あんまりべたべた塗るのも正直よろしくないのでお手軽に飲めて軽い炎症、乾燥に効くセラミドのサプリを使う事で減らす方向に持っていくほうが言いかなぁ。
セラミドのサプリは飲むだけで効くお手軽さ。エビデンス(科学的根拠)がある。副作用が少ない。値段がお手ごろ。この4つを完璧に満たしています。
僕がセラミドのサプリが好きなのは和食にするとか。お菓子を制限するとか。運動をするとか。生活に負担がかからずにできて手間隙やストレスが一切かからないところです。
アトピー患者は副作用のないアトピーが治る夢のような薬が欲しいなぁとか思ってますがセラミドのサプリがまさにそれです。
もちろん治るわけじゃないですがセラミドサプリ飲むとだいぶアトピーがましになります。
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