アトピー攻略ブログ

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ステロイドの皮膚萎縮って治るのにどれぐらいかかるの?

      2015/05/21

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今日はステロイドの皮膚萎縮について。皮膚萎縮というのはステロイドの副作用読むとさらっと書かれているんだけどこの重要性を皆あまり知らないんじゃないかなと思ってる。

僕はステロイドを週に1~2回使っているわけなんだけど今まで漠然と週に1回程度なら安全だと思っていたのでちょっと調べてみることにした。

人によって皮膚質が違うので絶対的な回答というのはないです。

 

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ステロイドの皮膚萎縮について

皮膚が萎縮するというとぴーんとこないかもしれませんが皮膚が萎縮する=皮膚が薄くなる。という事です。

これはステロイド外用薬(塗り薬)アンテベートだとかデルモベートだとかリンデロンだとかロコイドだとかいっぱいステロイドの種類がありますけどどれでも塗ればおこりうることです。

当然の事ながら薬のランクが強ければ強いほど皮膚の萎縮は進みます。これの怖いところは本人が気づかない点にあって気づいた頃には真皮の萎縮まで進んでいるという点にある。

ステロイド副作用である皮膚が薄くなった感じがするというのを感じるのは真皮の萎縮がはじまってからです。

肌の弾力をつかさどっているのは膠原線維とよばれるところがステロイドを塗ると数が少なくなっていき薄くなってきたと感じます。

ステロイドによる皮膚の萎縮は皮膚の表面である表皮の萎縮から始まりその後表皮の下にある真皮を萎縮させます。

膠原線維というのは真皮にあるので皮膚が薄くなったと感じた段階ではすでに真皮の萎縮は始まっており表皮の萎縮はかなり進んでいる状態だからです。

 

んで皮膚が薄くなるとどうなるの?って事なんだけどこれがアトピーの人にとっては洒落にならない副作用で皮膚というのは人体最大の免疫器官といわれています。

皮膚の免疫器官を担っている(皮膚のバリア機能といいかえてもいい)は表皮とよばれわずか厚さ2mmしかありません。

その中でも特に重要な働きをしている表皮の中の角質層と呼ばれる部分は0.02mm。このわずか0.02mmの部分が皮膚の表面の部分が皮膚の水分と皮膚のバリア機能を担っています。

皮膚が薄くなり皮膚のバリア機能が低下すれば皮膚は乾燥しその乾燥した皮膚からアレルゲンが進入し痒みを催し感染症にかかりやすくなり・・・といった負のループに陥ります。

それを説明するとすごーく長くなるのでそれは下の項目で解説しています。

アトピービジネスにだまされないために!アトピーに関する基礎を抑えとけ!

ま、つまりステロイドを塗ると例外なく必ず皮膚の萎縮が発生し皮膚の免疫機能すなわち皮膚のバリア機能が落ちるって事です。

じゃあステロイドつかわないほうがええやんけ!という結論になりそうなんだけどステロイドには優れた抗炎症作用があります。

正の作用が抗炎症作用で負の作用が皮膚萎縮(皮膚のバリア機能の低下)です。普通に使えばメリット>デメリットになるはず。

 

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ステロイドをどれぐらい使うと皮膚が萎縮するのか

 

② 皮膚萎縮作用(ベタメタゾン吉草酸エステル)
健康成人男性 18 例(24 ~ 48 歳)の前腕屈側に 6 週間にわたって密封法(ODT:夜間 12時間,1 週間のうち 5 日間塗布,2 日間休薬)によりベタメタゾン吉草酸エステル軟膏(リンデロン-V 軟膏 0.12%)及び各種軟膏を塗布し,皮膚萎縮作用の指標として皮膚の厚さの測定,肉眼的観察,触診等を行った。その結果,ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏(リンデロン-V 軟膏 0.12%)にも皮膚萎縮作用が認められた 11)。

https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=f1b6ae46fa76a6230a7c04b713935566より引用

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まずはステロイドの成分名から。上から順番にベタメタゾン吉草酸エステル 0.12%(3群:strong[強力]リンデロン-V軟膏)。

0.1% アルクロメタゾンプロピオン酸エステル(4群:medium[中程度]アルメタ軟膏)。

0.1% ヒドロコルチゾン酪酸エステル(4群:medium[中程度]ロコイド軟膏

クロベタゾールプロピオン酸エステル(1群:strongest[最強]デルモベート軟膏

 

ジフルコルトロン吉草酸エステル(2群:very strong[非常に強力]ネリゾナ軟膏)となっています。

密封塗布というのは一番ステロイドが吸収される塗り方です。ステロイドの塗り方は単純塗布、重層療法、密封療法の3つがあります。

単純塗布というのは読んで字の如く薬を手で取って塗るという一般的な塗り方です。

一方で密封療法というのはステロイドを皮膚に単純塗布したあとポリエチレンフィルムで覆ってステロイドの吸収率をよくして効果を挙げる手法です。

素人がやると非常に危険なので病院で重症患者に良く使われます。薬の効目は密封療法>重層療法>単純塗布となりますがそれに伴い薬の副作用も強くなります。

ようするにかなりリスクの高い塗り方をしてどれくらいで皮膚萎縮が戻るかを調べようという試験のようなものと考えればいいと思います。

軟膏基材では皮膚萎縮していないのに対してステロイドでは皮膚萎縮が発生しているのが見て取れます。表皮の厚さが2mmなので0.5mの萎縮というのは表皮の4分の1にあたります。

そしてもう一つあるのが深谷先生のブログにあるデルモベートを6週間外用するとこうなるよーというのも参考になるかと思います。

 

ステロイドを連用し続けると真皮まで萎縮が進む

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http://atopy-endo.com/keitaiman14hormone.htmlより引用

上の実験では6週間で塗るのを止めて速やかに皮膚萎縮が回復していますがアトピーは慢性疾患なのでステロイド何年あるいは何十年と使うことになります。

休薬期間をおけば皮膚萎縮は回復するわけですからできるだけステロイドは間欠的な使用にとどめるべきだと僕は思います。

だから僕はステロイドを使う際は週に2回までしか使わないし一回使ったら3日は期間を空けるように意識しています。

皮膚のバリア破壊というのはとても恐ろしいもので僕は無知な為にお風呂で垢をこすって皮膚のバリア破壊をした為一夜にして軽症のアトピーから重傷のアトピーになってしまいました。

ところが世の中にはステロイドの危険性を説明しない医者がいて塗る必要がないのにステロイドの危険性を知らずに毎日塗ってしまう患者さん。

あるいはステロイドの塗り方をろくに教えない医者のせいでステロイドの効きが悪い状態で炎症を抑えられずにだらだらと長期連用するはめになる患者さんもいます。

どういう事情であれステロイドの連用が何年も続けばステロイドは確実に皮膚を萎縮させ表皮の萎縮だけではなく真皮まで萎縮を発生させます。

表皮の萎縮は4~6週間で表皮が生まれ変わるために元に戻りやすいですが真皮というのは生まれ変りに何年もかかるので萎縮すると中々元に戻りません。

真皮まで萎縮すると皮膚が薄く白くなって血管が浮き出る、皮膚にちりめん状のしわができる(上の画像のようなかんじ)。内出血するといったものが肉眼で確認できます。

これが世の中で言われているステロイドの副作用です。この段階まできてようやく患者さんが何か皮膚がおかしいと感づくことも多いそうです。

 

皮膚萎縮のまとめ

ステロイドを連用すると皮膚萎縮は確実に進む。イメージとしては借金の前借のような感じ。

表皮の萎縮は4~6週間(連用が長ければ長いほど回復が遅くなる)。真皮の萎縮は年単位でゆっくりと治る。

皮膚萎縮を回復するためにはステロイドを塗るのを止めること。塗るのを止めることによって皮膚の萎縮は回復するが人によって回復の速度は違う。

やめるといっても何も一気に止めることが必要ということじゃなくて1日使ったら3日休むとかそういう感じでいい。

週に1~2回かつ間を空けて使う分には皮膚萎縮のリスクは限りなく少なく出来るはず。それぐらいの頻度であれば休薬期間中に皮膚の萎縮が回復するはず。

アトピー患者の半数がステロイドをうまく使えていない!ステロイドの使い方を要チェック!

これは8年間使ってきた僕の感想。もちろん個人の皮膚質は違うので他の人には当てはまらないかもしれない。

生まれもった皮膚質は人によって違うし年齢によっても回復速度は違う。健常者のほうが皮膚の回復は早いしアトピーの人は遅い。年齢も40台よりは20台のほうが回復も早い。

究極的に言えば6日がつんとステロイドを使って1日休んだだけで借金を返済できる人もいる。一方でその使い方をしていたら借金の返済が出来ない人もいるということ。

自分がどちらにあてはまるかは調べる方法がないので慎重に使わざるをえない。

もし上にあるステロイド副作用、毛細血管が透けて見える、ちりめん状のしわ、内出血が見られるといった特徴があるのなら病院を変えたほうがいい。

通常その状態になるまで放置するというのはありえない。きっとその医者はヤブだ。

ここまで萎縮が進むとステロイドをだんだんやめるというのは難しいかもしれないので脱ステの先生に診断して貰うというのがいいかもしれない。

それかきちんとした病院でステロイドの塗り方を教えてもらうとかそういうのもありだ。

病院を50箇所回ったアトピー患者がお勧めする絶対に失敗しないアトピーの病院の選び方

 - アトピーと塗り薬, 脱ステ

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Comment

  1. ジャム より:

    はじめまして。
    皮膚萎縮の治療で迷ってるときに
    ブログに辿りつきました。
    参考になる記事がたくさんあって勉強になります。

    現在、首の皮膚萎縮がかなり進んでしまいました。
    ニキビが出やすくなったり鏡で見て脈が打ってるのがわかるほどです。

    首にフルメタを使用してるのですが、
    フルメタのままで回数を減らして大丈夫でしょうか?
    一旦5日間ほど連続で使用して炎症を抑えてから記事に書いているように週に2回程度塗るのがいいでしょうか?

    • sobo より:

      プロトピックは皮膚萎縮がないので特に抵抗がなければプロトピックに切り替えるのがいいと思われます。

  2. ジャム より:

    ありがとうございました。何度も繰り返し塗ってみます。

  3. miray より:

    現在37才で、アトピー歴かれこれ30年以上です。幼少期にアトピーと診断され親から丁寧にひじと首にステロイドを濡られて、大きくなってからも塗り続けました。
    きっとここまで、読まれただけでも恐ろしいですよね?
    30才になって脱ステ始めて7年経ち「アトピー 変な皮膚」と検索したらこちらにたどり着きました。
    私の首やひじの変な皮膚「皮膚萎縮」だったんですね。なるほど…「皮膚萎縮」が治るように頑張りたいです。また、何かいい方法がありましたら教えて下さい。

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