アトピー攻略ブログ

アトピーを完治させたい全ての患者へ。医者に依存せずに考える患者になるために。

ステロイド外用薬でいつステロイド依存が起きるか?

      2014/12/29

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今日は依存がいつ起きるかというのをまとめていきます。

依存というのはその人の皮膚質にもよるしステロイドの外用期間や塗り方にもよっても大幅に左右されます。

だから明確な答えとかはないんですが知識をつけることで依存を防いだりとか今時分がどんな状態にいるのかというのをある程度知ることが出来ます。

依存?そんなもんねぇよ!という人はこの記事を見ないほうがお互いに幸せになれると思います。

 

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ステロイドによる依存というのは皮膚萎縮が関連している

まずこの論文(わかりやすく書いてある)を頭に通した後読んでください。めんどくさいという人はすっ飛ばしてもかまわないんだけど多分ちんぷんかんぷんになると思う。

② 皮膚萎縮作用(ベタメタゾン吉草酸エステル)
健康成人男性 18 例(24 ~ 48 歳)の前腕屈側に 6 週間にわたって密封法(ODT:夜間 12時間,1 週間のうち 5 日間塗布,2 日間休薬)によりベタメタゾン吉草酸エステル軟膏(リンデロン-V 軟膏 0.12%)及び各種軟膏を塗布し,皮膚萎縮作用の指標として皮膚の厚さの測定,肉眼的観察,触診等を行った。その結果,ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏(リンデロン-V 軟膏 0.12%)にも皮膚萎縮作用が認められた 11)。

https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=f1b6ae46fa76a6230a7c04b713935566より引用

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まずはステロイドの成分名から。上から順番にベタメタゾン吉草酸エステル 0.12%(3群:strong[強力]リンデロン-V軟膏)。

0.1% アルクロメタゾンプロピオン酸エステル(4群:medium[中程度]アルメタ軟膏)。

0.1% ヒドロコルチゾン酪酸エステル(4群:medium[中程度]ロコイド軟膏

クロベタゾールプロピオン酸エステル(1群:strongest[最強]デルモベート軟膏

ジフルコルトロン吉草酸エステル(2群:very strong[非常に強力]ネリゾナ軟膏)となっています。
塗り方やステロイドの強さや個人の皮膚質によっても萎縮の早さ違うんですが上のグラフのようにステロイドが皮膚を萎縮させることは明らかになっています。

このステロイドによる皮膚萎縮(皮膚のバリア破壊)が依存にかかわっているというのが今現在の仮説です。

酸化コレステロール説は論文がないし腎臓が萎縮する説は別のところで記事を書いたんでみてもらえれば。

アトピーでステロイドを塗り続けるとステロイドを出さなくなりリバウンドを起こすは本当か?

んでステロイドで長年治療すると上のグラフのような感じで徐々に皮膚が萎縮していきます。上のグラフは密封法(ステロイドの吸収率が凄く高い塗り方)なので実際の経過はもっと緩やかになると思います。

皮膚というのは体の水分を保ち皮膚への様々な刺激から守る(感染症や外的刺激やアレルゲンの進入)という超重要な役割を担っているので皮膚萎縮というのは相当やばいです。

皮膚が萎縮すれば様々な外的刺激に反応し感染症にもかかりやすくなりちょっとの刺激でも皮膚が敏感に反応し炎症を起こしやすくなります。わかりやすく一言で言えば弱い皮膚になります。

 

依存が起こるタイミング

じゃあステロイドで治療するとやばいじゃん!って誰しもが考えると思いますが実際そこまで深刻ではない。ここからちょっとゲーム的な説明になります。

例えばアトピーの炎症を数値化して仮に80の炎症を持っているとしましょう。その人にステロイドを使うとこんな感じになります。

アトピーの炎症(80)-ステロイドの抗炎症効果(-60)+ステロイドの副作用による皮膚萎縮でのアトピーの悪化(+5)=残ったアトピーの炎症(25)。

()内の数値は適当なのであまり深い意味はない。最初は抗炎症作用が皮膚萎縮より強いからステロイドを塗ると当たり前だけどめちゃくちゃ効く。

この皮膚萎縮というのはステロイドを塗らなければ自然に回復していくし休薬期間をおきつつ上手く使えば問題は回避できるはず。それは上のグラフでも出ている。

またアトピーの皮膚というのはアレルギーによる炎症も大きいのでステロイドを塗るとその炎症がなくなるわけだからアトピーの炎症も減るのでステロイドを塗る量も普通は減っていく。

だから90%ぐらいの人がこれで上手くいく。

しかしステロイドを誤った方法で長期連用したり依存に陥りやすい体質の人がステロイドを長期に使うと以下のようになる。こうなる人は10%程度と呼ばれている。あくまで推測ね。

アトピーの炎症(80)-ステロイドの抗炎症効果(-60)+ステロイドの皮膚萎縮によるアトピーの悪化(+40)=アトピーの炎症(60)

なんだか・・・ステロイドが効かないよう感じるし塗ってもあまりかゆみが取れない・・・。みたいな風に感じるんじゃないかな。

この状態でステロイドを止めると当然リバウンドがある。医者のぼんくらどもは治療を途中でやめるからというけど冷静に考えて塗る前より酷くなるっておかしいからね。

最も患者側も患者側でステロイドを止めることによる悪化(塗る前に戻る)をかなりの率でリバウンドと読んでいるのでそこも混乱の原因の一つになっている。

更にこれがもっと進むと通常はステロイドの抗炎症効果>皮膚萎縮の作用になっているのが逆転し塗っても効かない依存状態になる。

アトピーの炎症(80)-ステロイドの抗炎症効果(-60)+ステロイドの皮膚萎縮によるアトピーの悪化(+70)=アトピーの炎症(90)

こうなるともういくら塗っても効かないのでアトピーを改善させるためのステロイドが悪化因子の一つになりステロイドを止めることでしか回復しないというような感じです。

皮膚の萎縮具合=依存の進み具合

大体こんな認識でOKなんだけど最大の難点がこの皮膚の萎縮具合が初期はわからないということ。皮膚の萎縮がある程度進まないと自覚症状が出てこない。

じゃあステロイドの外用量でわかるのかといえば殆どの患者さんは使った量を覚えていないし個人の皮膚質にもよって違ってくる。

虫歯に例えると分かりやすいかな?虫歯の初期も最初は気づかないけどだんだんと自覚症状が出てくるでしょ?あんな感じです。

皮膚の萎縮は表皮→萎縮で進む。表皮の萎縮は触っても気づかない。皮膚が薄くなったなと感じるのは表皮の下の真皮が萎縮することでようやくわかる。それは真皮が皮膚の弾力を担う部分だからだ。

真皮の萎縮が進むと皮膚が薄くなってきたせいでひっかくとすぐ血が出る、毛細血管が見えやすくなる。ちりめん状のしわができるといった自覚症状が出てくる。

それがもっと進むとステロイドが効かなくなってくる事や皮膚萎縮のせいで体全体に慢性の炎症が出るステロイド皮膚炎と呼ばれる状態になる。

ステロイドが効かなくなってくるというのはかなり皮膚萎縮が進んだ状態で上のランクにあげることでリバウンドは回避できる。

恐らくこの時点でかなり皮膚萎縮が進んでいるのでステロイドを減らすというのは難しいんじゃないかと思う。

これが更に進むと最終的にはステロイドが効かなくなる(皮膚萎縮のせいですぐに炎症が再燃する)状態になりデルモベートだろうが内服ステロイドだろうが抑えられなくなるこの状態が「ステロイド依存」です。

この皮膚萎縮を治すには皮膚萎縮を起こしているステロイドをやめることでしかよくならない。この皮膚の萎縮を含む皮膚を正常な機能に戻すことが脱ステの目的というわけです。

ステロイドのリバウンドはを止めたときの皮膚の萎縮具合でステロイドをやめたときにリバウンドの大きさが決まる。

デルモベートが効かないという状態で離脱したという人よりはアンテベートが効かないと思ったときに離脱したほうが離脱症状は軽くなるはずです。

そのリバウンドをタイプ別にわけたのがこちらです。ステロイドを止めたときに皮膚萎縮が酷い状態だと普通のアトピーとは違う悪化になります。

特徴としては外用していなかった部位にも広がる、ステロイドを塗る前より酷くなる、解説に書いてあるような特徴的な広がり方をする。です。

タイプ1~3は依存に陥っていても軽度(ステロイドによる皮膚萎縮が残っていてアトピーの炎症を悪化させている)、もしくは依存ではない(ステロイドを止めることによるアトピーの悪化)です。

このタイプはステロイドが効くはずで注意深く使っていれば使用は可能だと思います。ただしステロイドによる皮膚萎縮は残っているので連用すると依存になります。

やめることでよくなることもあることもあるし悪化因子が残っている場合は何年も続く場合もある。

タイプ4~5は依存でステロイドを止めないと治らない。というような感じ。

以上僕の考えをまとめました。深谷先生のブログを参考にまとめて自分なりに咀嚼したものを載せたので間違っていることも多々あるかもしれません。

 - 脱ステ

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