脱ステ中のアトピーのリバウンドの対処法と克服方法
今日はリバウンドの対処と克服方法について書いていこうかなーと思います。
脱ステの先生方は患者に対して依存の種類とかどれぐらいで治るとか教えないので自分で勉強する必要があります。
僕は脱ステの先生方を尊敬してますけどこの点だけはマジで納得できない。なんで患者が自分で情報集めなアカンねん。みたいな感じ。
先生方が教えてくれないんだから自分で対処するしかない。というわけで僕なりにリバウンドの対処法や克服方法についてまとめてみました。
リバウンドなんて存在しないという人は見る必要なしです。
まず脱ステについて知らない人は深谷先生の脱ステの論文と依存におけるタイプの分類を読み込むべし!
申し訳ないんだけど記事を読む前にこれだけは最低限目を通して欲しい。脱ステのあれこれを説明してるとすげー長くなっちゃうからね。
目を通さずに読んでもいいけどまじでちんぷんかんぷんになるから不幸な勘違いが起こるかもしれない。
軽い依存のケースor依存に陥っていない場合
僕は脱ステをしたことがないので治療経過の乗っているブログの情報を借りなきゃいけない。でそれが凄い少ない。
当たり前だけど悪化したときの皮膚の状態を残すというのは患者の心理的にはとても勇気がいる。治療中の経過の皮膚が乗っている脱ステブログはとてもありがたい。
そこで今回は僕が記事を参考にしている際、とてもお世話になっているなおぴさんのブログを例に書いていきたいと思います。なおぴさんのアトピー暦についてはこちらを参照。
写真はここにはのっけないのでリンクで飛んでください。さすがに僕のブログに写真を無断で載せるのはできない。
要約すると幼少でアトピーを発症し思春期の頃には治るというよくあるパターン。
大学に入って2年を過ぎた頃アトピーが再発。ステロイド(種類はわからん)を塗り始める。大学卒業後に脱ステ。
リバウンドは来ずに夏には改善。その後春のスギ花粉+皮膚のこすりすぎで大悪化。
アレルゲンはスギ花粉、ハウスダスト、ダニ。IGE値3500となっている。
こっから僕の推測。なおぴさん本人はリバウンド(ステを塗る前より強いあるいは多彩な症状の悪化)がなかったと言っていますけど僕はあったと思います。
アトピーの経過写真で手の写真を見れば一発でわかります。手首に通常の皮膚とアトピーの皮膚で境界線ができているのがわかるでしょうか?
通常のアトピーの悪化ではこういう手首でくっきりと分かれるような悪化はありませんしスギ花粉で炎症が全身に広がるというのもないです。
僕もスギ花粉のクラス6もってますけど春に悪化するのは顔や腕等の露出部分が特に酷くなります。服着てる部分はあんま酷くならないし全身紅皮症になったりしないんだよね。
深谷先生の分類によるとこれはタイプ1の潮紅局面型に当たります。その中でも紅皮症になるタイプです。
タイプ1 潮紅局面型
境界不明瞭な潮紅あるいは潮紅局面。重症の場合には茹で上がったような紅皮症になることもあるが、皮疹要素としては、色素沈着・痒疹・苔癬化などは乏しく単純。
紅皮症化した場合には、手首・足首において境界明瞭な潮紅局面を形成する。
ステロイド離脱後かなりの期間を経た後の再燃時や、ステロイドをさほど連用していなかった乳幼児にも見られるので、アトピー性皮膚炎本来の皮疹経過に近いと考えられる。
数ヶ月から年余にわたるものは、滲出性紅斑様の潮紅局面の形をとる。
このタイプは潮紅(局面)型と同じく、離脱に伴う特異的な皮疹ではなく、アトピー性皮膚炎そのものの再燃と位置付けた方が良いと考えられる。
ただし、強調しておかなければならないのは、再燃してもその前の悪化よりは軽く、かつ短期で治まることが多く、ステロイド離脱直後は皮疹が増幅されていた可能性が高い。その意味でステロイド皮膚症の一つと位置付けて良いと思う。
このようにタイプ1は、ステロイドをさほど連用していなかった乳幼児や、離脱後かなりの期間を経た後の再燃の皮疹としてもよく見られ、消毒や環境抗原・食物抗原・ストレスなど悪化要因の排除が奏功することが多い。ステロイド皮膚症とは、ステロイド外用を長期連用して中止した際、ステロイドの外用を始める前よりも強い(あるいは多彩な)皮膚の増悪を来たしてくるような状態である。
http://www.tclinic.jp/atopy/index.htmより引用、一部改変。
となっているので悪化因子の除去をすれば治りますし悪化する前に悪化因子対策すればリバウンド(アトピーの悪化)も防げます。
このタイプは落屑もそんなに多くない。もちろん普通のアトピーと比べてずっと落屑は多いけどね。
なおぴさんの場合はスギ花粉、ダニ、ハウスダスト。上の項目には書いてないけど自宅で飼っているイヌと皮膚のバリア破壊。この5つです。
このタイプはステロイドが効かないわけじゃないのでステロイドを塗るというのもありだしゆっくり減らしていくということもできるはず。
依存(ステロイドが効かない状態)ではないがリバウンド(アトピーの悪化がステロイドによって大きくなる)は起きるというタイプ。ちょっとややこしいね。
ただしむやみに連用していると依存になる(デルモベートだろうがステロイドの内服だろうが効かない)可能性ありなので慎重な扱いが必要。
分かりやすく言うとステロイドで治療したせいで皮膚が凄く弱くなっているという感じで捉えればいいと思います。
ステロイドは短期的には有用ですが長期の連用は皮膚を萎縮させバリア機能を低下させます。
使わない場合は悪化因子の除去が必要。なおぴさんはこの5つの悪化因子を上手に除去して見事に脱ステを成功させています。
具体的に言うとスギ花粉→抗ヒスタミン剤の服用。通常の花粉対策。出来るだけ外出しない。
ダニ、ハウスダスト→毎日の徹底的な掃除でダニのアレルゲン除去。イヌ→極力近づかずに隔離。
皮膚のバリア破壊→保湿剤ステロイドが使えないので脱風呂で皮膚のバリア機能回復。その後運動で皮脂、汗腺のトレーニング皮膚の機能強化。
他にもいろんな事やってますけどね。皮膚に対しては徹底的に気を使っていたようです。
ここで重要なのは悪化因子に触れなければ触れないほど皮膚の回復が早まるつまりリバウンドの期間が短くなり脱ステも早まるということです。
だから僕は積極的な悪化因子の除去をお勧めしています。これは通常のアトピー治療でも使える知識。僕もそうやって治した。
悪化因子の除去をしなければ皮膚がアレルゲンに慣れるまでリバウンドはずっと続くのでいつ治るのかわからん。
脱ステの期間も長くなるし年月がたって皮膚が正常に戻るかアレルゲンに慣れるまではリバウンド(アトピーの悪化)の回数も増える。
季節性のアレルゲンならそれもあり(花粉やカビ等の季節)だけど一年中ずっと続く物(ダニやアトピーを悪化させる習慣)は積極的に除去していかないと厳しいかなという感じはします。
重い依存の場合
重い依存(塗っても効かないタイプ)は一回目のリバウンドがステロイドの影響による物なので防ぎようがない。
この時点ではステロイドは悪化因子になっているので塗っても効かないし塗れば塗るほど悪化します。
ステロイドを塗る量を減らせば全身に炎症が広がるのでステロイドを徐々に減らしていくというような事はできないことが多い。
ステロイド離脱後はおそらく全身の悪化→皮膚がぱんぱんに膨らむ→皮膚がしぼんでいき徐々に乾燥が強くなる→落屑を繰り返し徐々に直っていくという経過をたどります。
その途中あるいは後で2回目のリバウンドがきます。2回目以降の悪化というのは1回目のリバウンドと違い何らかの悪化因子に反応してのアトピーの悪化です。
重い依存のタイプは重い依存→軽い依存→脱ステ完了というステップを踏みます。軽い依存との違いはステロイドが効かない、離脱直後に強烈なリバウンドがあるでしょうか。
こちらの対処法も軽い依存と同じで悪化因子の除去になる。ただし軽い依存と比べて悪化因子が強烈かつ多彩なケースが多々ある。
例えば普通の人にはなんでもない季節変動で強烈に悪化したり普通の人では反応しない物に反応したり(不純物の少ないワセリンですらかぶれをおこしたり)。
軽い依存のケースの人もとても敏感なんだけど重い依存の人はそれ以上に敏感って事ね。
そういう意味で重い依存の場合は悪化因子の除去はとても難しいんだけど年月が経つ内に季節変動での悪化の影響が少なくなったり保湿剤をぬれるようになったり皮膚が徐々に回復していきます。
1年目と2年目の同じ季節で皮膚の写真をとってちょっとでも改善していればそれはゆっくりでも治っている証拠です。
悪化因子の除去が多すぎて無理な場合はゆっくり焦らずに治るのを待つのがいいかと思います。
いずれにせよ僕の結論としてはリバウンドの対処の基本は悪化因子の除去。ちなみに悪化因子の特定方法はIGE検査でします。一回3000円~5000円ぐらい。
アトピーの人はじっとしていると自分治療頑張っていないと自分を責める傾向があると思う。脱ステはじっとするというのも治療法の一つ。
でももしそれに自分が耐えれないというのなら悪化因子除去頑張ったほうが前向きになれるしリバウンドも防げるしいい事尽くめ。
悪化因子の除去方法は僕のページに書いてあるので自分のアレルゲンを除去していきましょう!
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Comment
こんにちは。先日はご返信有難う御座いました。新しく行った病院が脱ステ思考の先生で、現在首はプロトピック、それ以外は保湿材だけで過ごすように言われています。
もともと、紅い所は背中、膝の裏と首の裏胸の少しの部分だけで、後は乾燥とゴワゴワの肌でした。ステロイドは弱いやつではありますが大した知識もなく、長期的に塗ってしまっていたのを今になって後悔しています。もともと塗っていた薬は特殊な薬でとても体にあっていたのですが、今思うとステロイドが入っていたからかも知れませんが、アトピーと気付かれないほどになっていました。脱ステしてから炎症がお腹背中全身に広がり、保湿材もぬれない状態の為、今乾燥でカサカサしています。タイプ2の症状に似ているのですが、この炎症は黙ってみていても治るのでしょうか。外部的なアレルゲンと考えられるものの対処はしていますが、痒みはなく、単純に赤くてピリピリするだけです。脱ステをネットで調べると今まで綺麗になっていた腕や足にも出るのではないか、このまま治らないで悪化をして終ではないのか。不安で仕方ありません。
ステロイドが効かなくなったわけではないのですよね?そうでなければ脱ステする必要性はないと思います。
もしどうしても不安であれば1年だけ脱ステをして頑張ってみるなど自分なりに期間を設けて頑張ってみるのがいいと思います。
ネットの情報と言うのは不安を煽る事ばかりなので不安になるのならいっそ見ないほうがマシです。
自分が何のために脱ステをするのか?というのをもう一度じっくり考えてみてください。
お返事有難う御座います。ステロイドはきいていたと思います。乾燥が酷く触り心地は良くなかったのですが、赤みや湿疹は殆どありませんでした。脱ステをしないと通常の体に戻らないといった言葉を聞くと、ステロイドを使っても8割の状態は保てても10割良くなることは出来ないのではという不安もあり脱ステに踏み切りました。しかし、今の医者からは今まで何も塗っていなかった顔にプロトピックを塗り、炎症が収まっても2.3ヶ月は塗り続けてと言われて、大丈夫なのかな~と言う感じです。炎症についても見ているだけでは治らない、と抗生剤を出してもらいましたがステロイドを抜いてる期間だからこれからもっと酷くなるよ。と言われて怖さ倍増しています。どんどん、今まで無かった湿疹も増えてくばかりで、ステロイドを抜いてるリバウンドなのではなく、単純なアトピーの悪化なのではと。。
とりあえず、期間を決めて自分に合わないとわかったら、ステロイドも正しい用途であれば使用した方がプラスだと考えているので、治療方法を見直してみたいです。
不安だらけの中本当に有難う御座います。
脱ステ医で有名な先生方はプロトピックも使いませんね。だからといってその先生が間違ってると言うわけじゃないですが・・・。
コメント欄でやりとりするのもあれなのでsobohappy@gmail.com
こちらまでメールください。
ステロイドを抜かないと~は脱ステする先生の脅し文句の典型的なパターン。
実際そんなことしなくても大きな病気なく生きてる人のほうが圧倒的に多いです。
プロトピックの副作用(皮膚癌とか悪性リンパ腫とか)も論文ですでに否定されたよね。
昔はプロトピックもダメっていう医師がこういってたけど。
脱ステ謳ってる医者って総じて時代遅れ。
時代は分子標的薬や細かい機序を考えた薬の開発に進んでる。
深谷先生だって、いつまで昔の論文引っ張ってきて自身の正当性を担保しようとし続けるんだろう…。
最新のステや保湿の有効性を認める論文とか見ても何も思わないのかな?
そんなチラシの裏のようなコメントを僕のブログに書かれても困ります。ご自分のブログでどうぞ。
soboさんにお聞きしたいのですが、脱ステの期間に多くの人は何を塗っているのでしょうか?ネットを見ていると塗っている人と塗っていない人がいるようですがよくわかりません。
そしてどのぐらいの人が保湿なり非ステロイド抗炎症を使いある程度改善しているのでしょうか?
というのは私は全部かぶれるのです。みんな使っているのか使っていないのかがよくわからないのです。
脱保湿という考えもありますが、そもそも保湿剤にかぶれるので私は何も使えません。私のような人はどのぐらいいるのかなあと疑問に思っているのです。
脱ステしてる期間はリバウンドが酷ければ保湿剤がすべて被れます。なので何も塗らないという人が多いのと主治医から何も塗るなと指導されているケースが多いです。
しばらくすると皮膚の機能も戻ってきて保湿をしてもいい程度の皮膚状態には戻ります。そこで塗る人も多いんじゃないかと。
http://www.tclinic.jp/atopy/06.htm
ここが参考になると思いますよ。
ありがとうございます。深谷先生のサイトは唯一参考になります。ほかの医師(といってもそんなに多くを知っているわけではないですが)の情報はほとんど役に立たないと感じます。