脱ステ後ステロイドを使用するかどうかの判断基準について書いてみる
今まで書いてなかったんだけどこれ結構深刻に悩んでいる人多いんじゃないかと思います。僕のところにもかなりの頻度でこういった相談メールが来ます。
今はネットがあるから脱ステしてる人は脱ステしている人同士でコミュニティを作ります。
脱ステしているうちは大いに助けになります。相談したりこんな事をすると楽になるよーこんな風にして治ったよーとか。
がしかしそこからステロイドを使うとなると頼れないんですよね。
脱ステする原因ってステロイドににあるわけですから。脱ステした人にステロイド使おうか悩んでいるんだけど・・・なんて相談できるわけがありません。
脱した人にとってステロイドってトラウマですからね。ステロイドの文字を見るだけでも嫌悪感覚える人もいますし。
相談できないって事は自分ひとりで決めなきゃいけないって事なんだけど中々動き出せないんだよね。。だって一度標準治療で失敗してるんだから。
その迷ってる人たちに対して記事を書こうかなと思っています。
具体的に言えば脱ステしたのに中々治らない。もう限界だ・・・。ステロイド使おうかなと思っている人。
脱ステして良くなったけど社会生活(仕事や学校)に行くと悪化するので使おうか迷っている人。あたりがこの記事を読むと得られることがあると思います。
目次
脱ステする目的を勘違いしてはいけない
脱ステの目的は完治でもなければステロイドを使用せずに綺麗になる事でもありません。脱ステのハードルあげすぎると脱ステで完治する!みたいに考えてると脱ステやめれなくなるんでやばいです。
脱ステする目的は簡単に言うとステロイドでおかしくなった皮膚機能を元のアトピーに戻すと言う事。
ステロイドには皮膚の萎縮と言う重大な副作用があります。弱いステロイドでも6週間ぐらい。強いステロイドなら3日塗ると表皮の萎縮が始まるといわれてます。
皮膚萎縮に付いては下を参考にしてね。
この皮膚萎縮というのは短期間塗っている場合なら数日で治ります。
しかし長年塗っている人、毎日ステロイドを連用していた人、元々皮膚が薄く萎縮しやすい人が長期間塗ると皮膚の萎縮が治るまで何年もかかります。
皮膚の萎縮ってのはさらっと流されてるけど相当やばい副作用なんですよ。
http://www.inou-hifuka.com/child/atopy/より引用
アトピーの場合皮膚のバリア機能が低下していてそこから刺激やアレルゲンが進入する事で炎症が起きて痒みを起こしているわけです。
ステロイドは痒みを止め炎症を止めます。しかしその副作用として皮膚の萎縮があります。
皮膚の痒みをなくし炎症を消しますが皮膚のバリア機能は低下します。
分かりやすく例えるとステロイドを塗る前の皮膚のバリア機能の最大値を100としたら塗った後の皮膚のバリア機能の最大値は90になっているって感じです。
じゃあ塗るだけアトピー悪くなるじゃん!ってなりそうですがそうはならないんです。
炎症を起こした皮膚というのは現在の数値で言うと50ぐらいなんで塗ると最大値の90ぐらいまで回復するので全然無駄じゃないんですね。
しかしステロイドを連用すると皮膚のバリア機能の最大値がどんどん下がっていきます。
皮膚のバリア機能はアトピーの悪化のしやすさに直結するのでだんだんステロイドが効かなくなっている用に感じます。
ステロイドを連用し皮膚のバリア機能の最大値が0になったときステロイドは効かなくなりやめるとリバウンドを起こすって感じですかね。
皮膚のバリア機能の最大値がゼロなんでステロイド塗っても全然効かないわけです。
その皮膚のバリア機能の最大値を0から100にもっていく為にはステロイドを塗るのをやめる=脱ステするしかありません。
ステロイドを塗っちゃいけない人
ステロイドによる皮膚萎縮が治りきっていない人は使ってはいけません。
脱ステの目標が皮膚の萎縮を治す事なのでその途中でステロイドを塗るという事はまた遠くない未来に脱ステせざるを得ないと思います。
http://www.mirai.ne.jp/~seisinc5/steroidhifusyo.htmlより引用
上の写真がステロイド皮膚炎と呼ばれるもの。ステロイドを塗り続けて離脱してリバウンドを起こすとこんな肌になります。
慢性の皮膚萎縮が全体にありステロイドを塗ってもすぐ効かなくなり脱ステせざるを得ないケースが多い。
深谷先生のブログにも写真があるので乗せておきます。
http://www.atopy-endo.com/docs/keitaiman14hormone.htmlより引用
上の画像はいわゆる重症アトピー(notステ皮膚炎)。こーいう人は塗ってもいいです。
ステロイド皮膚炎の写真と比べると色もそうですが炎症のある皮膚が目立つ中で正常な皮膚が見えます。
正常な皮膚というのは触るとしっとり、すべすべしてるって感じですね。
もし自分が皮膚萎縮が判断できないようであれば皮膚科医に見てもらってください。ステロイド塗ってたらこんな皮膚になったんですがこれは皮膚萎縮でしょうか?とね。
これは脱ステ医でも普通の皮膚科の先生でもどちらでもかまいません。まともな先生ならきちんと対応してくれます。
僕も定期的に見てもらってますが大
ステロイドを試すならまずはプロトピックから
ステロイドは皮膚萎縮ありプロトピックは皮膚萎縮なしという特徴があります。
ステロイドのリバウンドは皮膚萎縮から始まると考えられているのでプロトピックは理論上リバウンドが起こらないと言われています。
【科学朝日】アトピー性皮膚炎と患者の思い(collaborate with 朝日ニュースター、2月23日放送)
普通に説明してもいいんですが具体例を挙げて説明したほうがわかりやすいかな?と思ったのでここでは安藤直子さんという患者を一例で出してみたいと思います。
脱ステ後ステロイドを使ったけど上手くいかず再び脱ステされた方です。本も書いてます。
アトピー関連の書籍ってあんまり役に立たない物が多いんですがアトピーの問題点を指摘する良書だと思います。
まずはアトピーヒストリーを順に見ていきましょう。
安藤:もともとあまりアトピーがあった記憶はないんです。それが小学校に入ったぐらいからだったと思うんですけれども、冬の間だけ、膝の関節の裏側のところに軽い湿疹が出てきて、でも病院に通うほどではなかったんです。ここにも書いてあるんですけれども。ですから、薬なんかも全然使っていませんでした。ところが、思春期ごろに私はにきびがかなりひどく出てしまって、皮膚科に通うようになりました。そのときに、顔を洗い過ぎたのか、目の下に軽い湿疹ができました。その顔の軽い症状にロコイドというステロイド剤を出されました。そのロコイドをつけ始めたときには、アトピーの症状というほど、まだそんなことはなかったんですけれども、薬を塗り始めてから、だんだんと皮膚の状態が悪化してきたような、私はそういう印象を持っています。
http://webronza.asahi.com/science/articles/2012022700009.htmlより引用
アトピーというのは肘内膝裏に湿疹がでやすいです。幼少のころは軽いアトピーだったのは間違いないでしょうね。中学生のころに顔に出てきた。
アトピーって言うのは幼少のころは肘内肘裏に炎症が強いですが中学~になると顔に出てくる人もいます。
僕もその一人ですが理由はよくわからんです。女性だったら生理が始まったり男子だったら皮脂分泌が活発になったりホルモン関連に影響する事が関係しているのかもしれません。
ロコイドというのは赤ちゃんにも処方されることの多い弱いステロイドです。
ステロイドをやめてリバウンドが起きるかどうか?という判断基準は・・・・
ステロイドを塗っていて効かなくなってきた。
あるいは塗っているのに悪化が酷くなっていると感じた。というケースは皮膚萎縮が進んでいてリバウンドを起こすケースが多いそうです。
もし脱ステ経験がありステロイドを再使用して上のように感じたらその時点でスパっと脱ステしたほうがリバウンドは軽く脱ステの期間も短くなると思います。
その当時は私もまだ若かったものですから、議論の的になっているということも知りませんでしたし、そもそもその薬がステロイド剤だということも説明されていませんでした。使い方の説明とかも全くなくて、ただそのロコイドをつけると非常に症状がよくなるものですから、ほとんど保湿剤のように毎日使っていたと思います。ところが、使っていてそのときはよくなるんですけれども、すべすべになるんですけれども、だんだん症状が悪化してきたような、そういうふうな感覚を覚えたんです。なんとなく疑問を感じて、あるときこれをやめたらどうなるのかなと思ってやめてみたんです。そしたら、ものすごくぶわっと症状が出てきてしまいまして、ステロイドをやめたいんだけれどもやめられないという、そういう繰り返しになりました。こういう症状の悪化を、患者はリバウンドなんて言っています
http://webronza.asahi.com/science/articles/2012022700009.htmlより引用
ステロイドは連用するとどんなに弱いステロイドでも必ず皮膚の萎縮が発生しますから連用は非常にまずいです。炎症を抑えるために初期に連用するのは仕方ないんですけどね。
ステロイドをやめるとリバウンドかステロイドをやめることによるアトピーの悪化かはぱっとみではわかりません。
ただ毎日連用していているのに1日やめると症状が出る。ステロイドをやめたいんだけどやめられない状況でやめたら悪化したのでこれはリバウンドといってもいいと思います。
毎日塗っているのに炎症が治まっていないというのは余り考えられないと思いますしアトピーの悪化は徐々に悪化するものなのでリバウンドだと僕は思います。
安藤:それはもうほんとにひどくて、私は顔が主に症状が出てきた部分だったんですけれども、ほんとにばっと顔が腫れ上がって、汁が出てきて、かゆいし、目もふさがっちゃうような、それぐらいひどい状況になりました。元々のアトピーが悪化した、という感じではなく、数倍にもなって劇悪化したという感じがしました。こういうふうになってしまいますと、ステロイドを塗る以外はもう何をやってもだめなんです。保湿剤とかを塗ったりとか、他の違うメカニズムの薬を出されたりとかしたんですけれども、ステロイド以外のものを塗るとかえって悪化してしまう。そういうことを繰り返して、私の周囲からは「薬を止めるからいけないんだ」と、そういうふうに言われて、私は止めたかったんですけれども、なかなか周りが止めさせてくれずに、そういうのを2、3年繰り返したんです。
安藤:20代前半ぐらいがそういう感じで、22歳のときだったと思うんですけれども、ある皮膚科の先生、新しく行った皮膚科の先生が、ちょっとこれはステロイドを止めてみたらどうかというふうにおっしゃられて、それでステロイドをそのときにようやく止めることができたんです。そしたら、2、3カ月はほんとにひどかったんですけれども、だんだんよくなってきて、それが夏に止めた記憶があるんですけど、冬にはもうかなり落ち着いた感じになってきました。それから季節ごとに悪くなったりとか、よくなったりとかは、そういう変動はあったんですけれども、リバウンドの頃のような悪化はありませんでした。その後、留学して環境が変わったせいもあったんだと思うんですけれども、かなり落ち着きました。
高橋:「留学とともにアトピーの安定」とありましたけど、留学先はアメリカでしたっけ。
安藤:そうです。アメリカのオレゴン州になります。とても私のアトピーと気候のバランスがよかったみたいで、気候的にも非常に温暖なところですので、その間は、アトピーは出たことも当然あるんですけれども、とても安定していました。
リバウンドというのはステロイドを塗る前より多彩かつ激烈な症状が出ることを指します。アトピーの悪化はじわじわと悪化するだけなんですよね。
ロコイドはステロイドの中でもランクが弱いのでそれも幸いしたんでしょうね。リバウンドはかなり軽いほうだったようです(世間では重症です。あくまで脱ステした中では軽症と言う意味です)
留学をするとアトピーが落ち着くとか海外に行くとアトピーが治るというのは多いです。アトピーには転地療法がよく効きます。
経済的に余裕があれば高層マンションの10Fより↑を借りるとか(ダニや花粉が少ない)自分にあった土地に住むと言うのも一つの手です。
安藤さんの場合は冬に悪化するタイプなので冬のない沖縄とかいけばステロイドなしでいい状態を保てたかもしれません。
高橋:そして、就職とともに悪化。再びステロイドへ。
安藤:そうなんです。アメリカで就職をしたんですけれども、やはり気楽な学生時代とは違って、職場でもストレスが多いですし、そういったストレスとかに私はあまりうまく対処できずに、だんだんアトピーが悪化してしまいまして、ひどくなってしまいました。やっぱり働いているものですから、ひどい状態のまま働くというのは非常に難しくて、結局はステロイドをまた使うようになったんですけれども、もう少しステロイドを使わないで頑張ればよかったかななんて、今では思っています。
高橋:それで帰国されたわけですね。日本に帰っていらして、プロトピック治験参加とあります。プロトピックというのは、また別のお薬なわけですね。
安藤:はい。プロトピックは免疫抑制剤です。免疫抑制剤というのは、免疫を抑制してしまいますので、どうしても発がん性の可能性がないとは言えないわけです。ただ、ステロイドとは違うので、赤くならないし、リバウンドも起こらないと、そういうふうな説明を受けていました。私は治験という、要するに、治療ではあるんですけれども、まだプロトピックが認可される前でしたので、研究対象みたいな、そういう形でこの治験に参加させていただきました。
高橋:その新しいプロトピックというお薬はどうだったんでしょうか。
安藤:とてもよく効きました。この薬で私は4、5年、なかなか安定していたんですけれども、ただ私の場合は、4、5年たったときに、吹き出物というか、にきびみたいなものがすごくたくさんできるようになってしまいました。免疫を抑制してしまうのでそういうことが起こり得るんですけれども、化膿(かのう)、感染症みたいなのが起こってしまう。どうしても使えなくなってしまって、主治医の先生と相談して、もう一度ステロイドに戻ることにしました。それでステロイドを2年ぐらい使っていたんですが、また再びだんだん皮膚の状態が悪くなってきてしまいました。「ああもうこれは、これ以上使っていると、ますますひどくなってしまうんじゃないか」と感じて、かなり悩みつつも、自分の中で総合的に考えて、「もうこれはステロイドはやめたほうがいい」と思って、やめることにしたんです。
ここでようやくプロトピックが出てくるわけですがおそらく感染症がなければこのままいい状態を維持してステロイドを使う事もなかったんじゃないかと思います。
プロトピックもステロイドと同じ免疫抑制剤ですが皮膚萎縮がない分連用が効きます。
ただし塗ると日焼けのように火照る。一度に5gしか使えない。一度使用したら12時間おかなきゃいけない。感染症のリスク増という癖のある薬です。
炎症のない皮膚からはほとんど吸収されないので脱ステしている人がステロイドを使うのならまずはプロトピックから試すのがいいかなぁと個人的には思います。
ステロイドは炎症があろうがなかろうが吸収されて皮膚萎縮を起こすのでそこが問題なんですよね。
安藤さんは感染症のせいでプロトピックからステロイドに変えるわけですがやっぱり効きにくくなってリバウンドを起こしてしまったようです。
上の画像を見てリバウンドだ!と思う人は多いでしょうが成人アトピーで顔面が酷いという人はいるので上の画像だけじゃ判断できないわけです。
といっても普通のアトピーじゃここまでは早々悪化しないんでリバウンドだろうなぁとは思うんですが。
僕は中学生のころステロイドを使ったのにもないのにかかわらず顔がこんな感じでした。ただし僕は赤みがもっと強かったですが。
じゃあどうやって判断するんだよって事なんだけどこのケースなら・・・・
顔だけでなく他の部分も酷いか?(ステロイド皮膚炎は全身が酷く手のひら足の裏が綺麗と言う特徴がある)
ステロイドを塗っている部位以外にも炎症が広がったか?
ステロイドを塗るのをやめた後多彩かつ激烈な悪化があったか?の3つがポイントになります。
高橋:顔だけですか。こういう湿疹が出るのは。
安藤:私は顔が一番ひどかったんですけれども、20代のときは体に広がることはほとんどなかったんです。でもこのときは結構広がってしまって、上半身がこの状態に近い感じになりました。相当ひどかったです。
とあるのでやっぱりリバウンドだろうなと思うわけです。リバウンドが軽いと広がらないケースもありますが重いと顔→体→四肢と広がるケースが多いです。
ステロイドを塗らなくなった後はこんだけ綺麗に治ったというかこれが本来の姿なんでしょうね。
軽いアトピーにステロイドを塗ると自然治癒するはずが逆に治りにくくなると言うケースは良くあると思います。
かなりプロトピックの話題からずれたので強引にプロトピックの話題に戻ります。
プロトピックはリバウンドを起こすか?
僕は起こさないんじゃないかと思ってます。証明しろって言われても証明できる手段がないんですがまぁ読んでいってください。
ネットを見ているとプロトピックはリバウンドを起こすと言う情報があるんですが読んでいると2パターンにわかれます。
①プロトピックを塗るのをやめる→アトピーが悪化する→アトピーの悪化をリバウンドとよんでいる。
しかし、「ステロイドと同様なリバウンドが起きない」という点については疑問を感じる。自分のケースでも、プロトピックは休薬出来ず、間が一週間以上あくと、症状は必ず再燃した。一度、再燃したときに薬を持っておらず、見る間に症状が悪化し、それはステロイドのリバウンドとほとんど違いがないように感じられた。私は、プロトピックが使えなくなってから、ステロイドに切り替えたため、プロトピックを断つ、という経験はしていない。しかし、プロトピックを止める決心をして、実際ステロイドにも戻らずに薬を断った患者さんの話だと、プロトピックのリバウンドは、ステロイドの比ではない、というのだ。私は、プロトピックのリバウンドが、ステロイドのリバウンドに比べて、激しいのかそうでないのかは比較のしようがないような気もするが(なんと言っても、使った量とか、期間、本人の状態などの条件をそろえることは不可能だし)、しかし、ステロイドと同様、プロトピックも休薬出来ず、リバウンドがある、ということはかなりの患者に当てはまるのではないか、と感じている。
http://techu1999.sakura.ne.jp/より引用
プロトピック リバウンドで検索して使用した事がある人のHPから引用してみました。
一週間以上あくと必ず再燃した。というのはリバウンドではなく悪化因子に触れ続けることによるアトピーの悪化だと思います。
アトピーの場合は悪化因子に触れ続けているとそれに免疫君が慣れるか除去するかしないと薬を塗り続けないといけません。
僕の場合も1週間ぐらいあくと必ずアトピーが悪化しますがこれをリバウンドとは呼びません。ちなみに悪化因子は乾燥です。こればっかりはどうにもならない。
後半のプロトピックのリバウンドがステロイドに比べて激しいかは分からないです。
②ステロイドを塗って皮膚萎縮が進んでいたところをプロトピックに切り替えたらリバウンドを起こした
ステロイドによる皮膚萎縮が進んでいるとリバウンドは起きます。プロトピックはステロイドに比べて炎症を抑える力が弱い為。
それについては深谷先生のブログが詳しく解説してくれてます。
ステロイド依存例はリバウンド無くプロトピックに移行できるのか?
内容はプロトピックのリバウンドではないですが下のブログを紹介しておきます。
脱ステしている人なら一度は見た事があるブログなんじゃないでしょうか?
上の本文には書いていないですがプロトピックやステロイドを7年程使って効かなくなったので脱ステ7年→その後ステロイド復帰という流れになってます。
僕が読んでいて思うのが医者ってやっぱ糞だなって思う点です。プロトピックはステロイドに比べて長期連用が効く薬ではありますが免疫抑制剤なので毎日塗っていい薬ではないという事です。
きちんとプロトピックの説明文書にも2年以上の長期使用時の局所免疫抑制作用 (結果として、感染症を増加させたり、皮膚が んの誘因となる可能性がある)については、 臨床試験成績がなく不明である。って書いてありますからね。
皮膚がんのほうは追跡調査でリスクはないってのがでてますが感染症のほうは調査されていないはずです。
ステロイドを嫌がる患者に向かって医者はこういうんです。「プロトピックはステロイド違ってリバウンドがないから大丈夫。毎日塗ってもいい」
これが普通の患者さんなら影響は少ないかもしれないですが(それでも糞だけど)ステロイドで皮膚萎縮を起こした患者さんだと皮膚が薄くなって薬剤が吸収されやすくなってるでどういう影響起こすかわかんないんですよ。
免疫抑制剤なんで黄色ブドウ球菌が繁殖して汁がドバドバでたりカビだらけの皮膚になったりする可能性があります。
ステロイドを使うにしてもプロトピックを使うにしても悪化因子対策は必須
僕はステロイドを使うなら理論上は皮膚萎縮を起こさないプロトピックのほうがリバウンドは起こしにくいはずだ。と考えてプロトピックをお勧めしています。
ただ非常に癖の強い薬なのでプロトピックがいいか?ステロイドがいいか?は自分の直感を信じて治療したほうがいいと思います。
今の標準治療のトレンドはまず炎症をステロイドでゼロまで抑えてその後ステロイドを簡潔に使うと言うのが主流で僕もそれでコントロールできてます。
ただ結局これってステロイド一生使う可能性もあるんでリバウンドを起こしやすい人はまた効かなくなって脱ステせざるを得ない状況になる可能性があるわけです。
そうなるとまずいんで皮膚萎縮を起こさないプロトピックをメインに使うとか。ステロイドを使うにしても2ヶ月だけ使って後は使わないとか。そういった工夫が必要になってくるわけです。
僕がお勧めするのが悪化因子対策。悪化因子対策すればアトピーの悪化もかなりましになるしステロイドの使用量も減るしでいい事尽くめです。
人によってアトピーの悪化因子は違います。安藤さんの場合は季節変動(冬)とストレス。
僕の場合はスギ花粉、汗、カビ、季節変動(冬)とストレスです。
標準治療をする場合でも脱ステをする場合でもこの悪化因子を丁寧に一つ一つ除去していかなければなりません。
しかし除去しにくい悪化因子というのが世の中にあります。季節変動とかストレスとかは住む場所を変えたり職場を変えたりしなきゃいけないので悪化因子の除去はかなり難しいです。
脱ステした人がステロイドを使う際に注意すべきは漫然と使わない事です。ダラダラ塗るなって事です。
漠然と使っていて脱ステせざるを得ない状況になったんだから必ず対策をしましょう。勉強して知識をつけましょう!
具体的に言うとステロイドを使う際は除去できる悪化因子はできるだけ除去。除去できない自分の悪化因子による影響をできるだけ少なくします。
人によって悪化因子は違うんでそれは僕のブログを隅々まで読んでください。必ず悪化因子の対策方法が見つかります。
ステロイドでリバウンドを起こすのはアトピー患者全体の10%程度言われていて脱ステしてから皮膚萎縮が治る(脱ステが終わる)までには使った期間の2割かかるって言われてます。
ステロイド使った期間が10年なら2年。20年なら4年といった具合です。もちろん連用した期間や使ったステの強さや悪化因子も関係すると思いますが。
統計とかはなくてあくまで脱ステしてる先生方の経験則です。いずれにせよ自分がそのうちの10%にあてはまる可能性があるわけだから慎重に使用すべきです。
安藤さんの場合はロコイドを使っていて10年もしない内に効かなくなったので人よりかなりリバウンドを起こしやすい体質ではないかと思います。
アトピー患者さんの中にはロコイドを30年毎日塗ってもリバウンドが起きないという人もいます。(ちなみにその人は医者でもあります)
季節変動による悪化というのは皮膚が外部の気温や湿度に適応するの力が弱いために起きています。
リバウンドを起こしやすい人は生まれつき皮膚が薄いんでセラミドや保湿成分が少ないんでしょう。
なので乾燥しやすい時期だけでも朝と夜2回丁寧に保湿を塗るだけでもだいぶ違います(効果が3倍ほど違う)
セラミド入りのクリームは全身に使うにはチト高いんで・・・セラミドサプリを飲むのもありでしょう。
お手軽に乾燥肌を改善!アトピーならセラミドのサプリメントを取っとけ!
皮膚の萎縮が進んでいる人は結構な効果があるみたいで感謝のメール貰ったりします。
後々追記する予定ですが気力が尽きたので一旦これで記事をあげときます。
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Comment
新しいガイドラインの事は書かないのですか?
アトピーに見えてアトピーじゃない(リンパ腫)の可能性。
アトピーを放置する事によるリンパ腫発生リスクの事など、結構大切な事が書かれてました。
プロトピックによる癌は否定されつつあり、アトピーと思ってプロトピックを塗っていたが実はアトピーの様な症状はリンパ腫だったという可能性が高いそうです。
プロトピックを塗って癌になったのではなく最初からリンパ腫だったという事です。
医者を信用していない人が多いから書いても無駄でしょうか?
ガイドライン自体知らない人が多いですからね。ガイドラインが変わっても現場での治療が変わるかというとそうではないですから。
アトピーに見えて○○だった可能性でリンパ腫だったという可能性自体がまず低いですし。重症で放置する事によるリンパ腫増のリスクはだいぶ前から分かっていた事ですしね。
誤解を招きそうなニュースに対しては言及しますが重症で放置したくてしてる人はいないんで放置するとリンパ腫増だぞ~なんて記事書いても不安にさせるだけだし書かなくてもいいかなぁと思っています。
長文失礼します。
現在脱ステ5年目です。
元々は手湿疹で、ステロイドの危険性を知らずに乱用してどんどんランクが上がり、遂には効かなくなって脱ステしました。
リバウンドは四肢に酷く現れました。ここ1年はそれまで炎症のなかった首と顔にも炎症が広がってきて、まだリバウンド中なのかアトピーなのか、自分でも判断がつかない状態です。
今は足首~足の甲・肘〜手の甲・首・顔が酷く、花粉症皮膚炎も合わさって真っ赤で熱を持ってる状態です。汁はなく細かい落屑があり、苔癬化しています。顔はまだじわじわ広がってきてる状態です。
ただ今月末で育休が終わり4月から仕事復帰しなければならず、ステロイドを再度使わざるを得ないと思っています。
この場合、やはり炎症が起きている部分全身に薬を塗った方がいいのでしょうか?
範囲が広い分薬の量も多いのが心配です。花粉の時期が過ぎるまで特に痒い部分のみ塗る、というその場しのぎの使い方はしない方が良いでしょうか。
リバウンドを経験してる分、もしまたあの辛さを味わう事になったら怖い…というのが本音です。
こんばんは~。僕だったらこうするという前提で書いていきますね。
1年ほどで今までない部位にも悪化してきたという事は何かしらの新たな悪化因子が増えたという事だと思います。
それを特定して除去できれば治癒に向かいますができなければ体がなれるか悪化因子が除去されるまで耐えるしかありません。
脱ステ後悪化因子に触れない、悪化しないほうが回復は早いはずなので花粉の時期のみ悪化するならステロイドを使うという選択肢もありです。
というよりリバウンドを起こしやすい、もしくは脱ステ中の患者さんはそういう風に期間限定で使うほうが楽にはなると思います。
ステロイドを使わざるを得ないなら酷い季節のみステロイドの内服で乗り切ります。といっても医者探しが難しいですし事情の説明も難しいです。
http://steroid-withdrawal.weebly.com/19832418012398123001247312486125251245212489203812338412301.html
お返事ありがとうございました!
皮膚科に行って薬をもらってきました。
処方されたのは、
顔と目の周り→アルメタ+プロペトの混合
首から下→ネリゾナ+白ワセの混合
飲み薬→アレロックのジェネリック
一週間塗り続けて、一週間後に再診予定です。
内服の話をしたら、最初はセレスタミンを一週間…という話でしたが、顔の痒みがそんなに酷くないなら内服しなくていい、と言われてなしになりました。
良くなってきたらプロトピックに切り替えて使うつもり、とも言われました。
正直プロトピックは使ったことがなくて抵抗があるのでそれを伝えたのですが、自分は使うつもりだ。という事で。その辺り、先生を信頼していいのかどうか分かりませんが(これまでの皮膚科医達でこりごり)、とりあえず一週間は様子を見ようと思います。
1つ気になってるのが、目の周りにアルメタ?と、首にネリゾナ?ということです。両方、使う部位にしては強すぎないかな…と。先生にも薬局にも確認したところ大丈夫という事でしたが、今まで眼科でもらった経験上、アルメタはなかったので。
目の周りは赤くなってカサついてます。
首は赤くて熱を持ちやすく、痒みが強い部分でもあります。
よろしければご享受願いますm(_ _)m
ステの出し方というのは症状にあわせて強めの物が出されます(炎症を抑えるため)。2種類出す意図はわかりませんがあながち間違っているともいえません。
プロトピックは抵抗があるという事ですがステロイドよりプロトピックのほうが依存や皮膚萎縮等のリスクは低くなります。
何より赤みにとてもよく効くので一回は使ってみるのがいいんじゃないかと思います。デメリットは使用感や副作用のほてりです。
脱ステし13年経ちますが、満足な生活が送れておらず、堪え兼ねて一週間前、皮膚科を受診してステロイドを塗りました。体も気持ちも一時、楽にはなりましたが、このままどの方向に向かっていいか考えると不安がつきません。
ステロイドなしの生活が理想ですが、ステロイドとうまく付き合うなんて本当にできるんでしょうか?町医者レベルや自己判断では無理だと思うのですが、どこを頼ったらいいかも分からず途方に暮れています。
関東近郊でおすすめの病院はありますか?もしご存知でしたら、教えていただきたいです。
13年たってよくならないってことは相当依存しやすい体質かもしくは依存していないアトピーのどちらかですね。
街医者で使い方は教えてくれないんで教育入院するなり大きな大学病院にいくしかないですね。
ご回答ありがとうございました。
脱ステ期間が長かったので、ステロイドをなるべく使いたくない気持ちが強く、脱ステ病院で一時的にステロイドを使う方法はないかと思ったのですが、標準治療の大学病院で薬を使いこなす方法を学んだ方がいいのかなと思い始めています。soboさんの記事にもあった江藤先生のところに行ってみようかと考えています。
脱ステ中は中症程度の期間が長く、ここ最近は悪化して精神的にキツくて、とりあえず街医者に行ってステロイドを貰いました。
メサデルムを処方され一週間塗って見せたところ、引き続き塗るよう言われたのですが、一週間以上の連用が怖くて、数日止めてみたところ、ひどくはなっていませんが、所々ムズムズしてきたのでまたステロイドを塗りました。表面は落ち着いているように見えますが、やはりボコボコはしています。ビビらず塗り続けた方がいいか悩んでいて、休薬期間のことも気になります。
エピナスチンという抗アレルギー剤も貰ったのですが、まだ飲んでいません。飲んだ方がステロイドの使用が減るのなら飲んだ方がいいのかも悩んでいます。
ステロイドを塗ったことで変化が生じて気になっていることがあります。
塗る前にはなかった赤い湿疹が所々出ていて痒みとは別に引かないのと、塗っていない顔などの肌質も変わった気がするのですが、そういった経験はありますか?
脱ステ中は、石鹸をあまり使わないようにしていたのですが、ステロイドや保湿を塗ったところは石鹸で洗った方がいいでしょうか?
長々質問が多くなってしまいましたが、アドバイスいただけると助かります。
よろしくお願いします。
うーんそうですね。ステロイドは初期治療はガッツリ使う必要があります。脱ステで中程度ならそれこそ1ヶ月~ぐらい連用は必要です。
連用が怖いと言う気持ちもわかるんですがそれができなきゃまだ使わないほうがいいですね。
初期にガッツリ使うのが出来ないと炎症を抑えることが出来ずだらだら塗りになるんでダメです。
後半の質問に関しては逆プラセボ(思い込みによる効果で悪くなる)かストレスかなー?
歯周病が湿疹の原因になる場合もあるようです。
soboさんは、本当によくご存知ですね。アトピー患者はみんな勉強してある程度は知っていると思いますが、私はあなたほど知識がありません。
確認したいのですが、Dr.Corkの主張する表皮バリア破壊と皮膚の委縮は同じ意味ですよね?
皮膚が萎縮すると表皮のバリア破壊がおきやすいという意味ならそうですね。
表皮のバリア破壊はステロイド以外にも感染症や石鹸や洗剤などでも起きますので。
違うということですね。同じなのかと思っていました。ありがとうございます。