アトピー攻略ブログ

アトピーを完治させたい全ての患者へ。医者に依存せずに考える患者になるために。

ゆで卵を食べると卵アレルギーが予防できる?家庭でやると卵アレルギーになる可能性があがるので止めましょう

      2017/02/02

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ゆで卵を食べると卵アレルギーが予防できるというのがニュースになってますね。

僕がこの件を知ったのはメールで卵アレルギーの子に卵食べさせると治る(食べさせても治りません)らしいみたいなメールが来たからです。

当然ですが卵アレルギーの子に卵食べさせたらアレルギー反応でますし下手したらアナフィラキシーショックで死亡する可能性もあります。

そういうようなメールが3件ぐらい着ててどうなってんだ・・・?って検索したら卵アレルギーは早期に卵を食べると予防できる!というニュースが話題になってたんですよね。

TVでも放送してますし・・・。

僕がこのニュースでまずいなぁと思ったのは卵アレルギーの子が卵を食べるとアレルギーが治る(何度も言いますが治りません)と勘違いする層が一定数は出てくるという事。

全国どこにでもいるアレルギーは甘え!と言い放つアレです。

そしてもうひとつがこれを家庭で実践する人がいる事です。これや家庭でやると下手すれば卵アレルギーになってしまうリスクのほうが高いです。

これはさすがにまずいんじゃないかなぁと思いまして僕がニュースの補足説明を書いておくことにしました。

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元になったニュース

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浜松医科大小児科学講座の夏目統診療助教らが、赤ちゃんが生後6カ月の早い段階から卵を摂取することで卵アレルギーの発症を予防できることを実証した。9日、世界五大医学誌とされる「ランセット」で発表した。卵アレルギーの予防につながる食べ方を立証した研究は世界初とみられる。卵の摂食を避けるというこれまでの“常識”を覆す成果で新たな予防法となる可能性もある。
夏目診療助教がことし3月まで在籍した国立成育医療研究センターでの研究成果。
生後4カ月までに、食物アレルギーを発症しやすいアトピー性皮膚炎にかかった乳幼児121人をほぼ同数の2グループに分けて調査した。一つのグループは生後6カ月から毎日1回、十分加熱したゆで卵全卵の粉末50ミリグラム(卵換算で約0・2グラム相当)を摂取し、9カ月以降は250ミリグラム(同約1・1グラム)を摂取した。1歳時に、全員にゆで卵半分程度を摂取して比較すると、卵を摂取しなかったもう一つのグループは61人中23人(38%)が卵アレルギーを発症したのに対し、卵を摂取したグループは60人中2人(8%)にとどまり、発症を約8割抑えられた。卵に反応する抗体が減少し、耐性が付いたとみられる。
湿疹のある皮膚に接触した原因食材が取り込まれて食物アレルギーを発症するメカニズムがあるため、今回はアトピー性皮膚炎の治療を徹底したことも予防効果を高めたとみている。
夏目診療助教は「過去に食品を避けるガイドラインが広まり、今も卵の除去を推奨する育児本が多いが、真逆の結果になった。食べることも湿疹のケアも大事」と述べた。
湿疹の治療が十分ではない例や、抗体を高めやすい生卵を摂取した研究では、アレルギーを発症したケースもあり、夏目診療助教らは既に卵アレルギーを発症している場合は専門医の受診を勧めている。

 http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/309448.htmlより引用
こうやって注意書きを書いているニュースもあるんだけど注意書きを書いていないニュースもある。
まーでもこういう文章って8割の人がさらっと目を通すだけだから注意書きしても効果が薄そう。
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そもそもなぜ卵を食べると卵アレルギーが予防できるの?

ちょっとアレルギーに詳しい人なら減感作療法と同じようなモノといえば伝わるだろうか?

詳しくない人はインフルエンザの予防接種の例えが一番しっくり来るはず。

インフルエンザの予防接種はインフルエンザの菌をインフルエンザが発症しないように極微量にうって抗体を得ようというものです。

卵アレルギーを卵で食べて予防するというと頭の中が???でいっぱいになっちゃいますがインフルエンザの予防接種と置き換えて考えるとすんなり頭に入ってくると思います。

人の体内で最大の免疫器官は腸と言われてまして1歳未満の赤ちゃんはまだ腸の免疫機能がうまく機能していません。2016y12m12d_003633752

 

http://www.nagoya-allergy.com/main/allergy_information/より引用

食べ物を食べたときに腸が体に害のあるものかそうでないかを判断しているわけですがまだ腸内が未発達なので上手く判別できないということです。

だから卵とか牛乳とかを飲食した際にこれは毒物だ!と体が勘違いしてアレルギーを発症してしまうわけです。

じゃあアレルギーを防ぐためにはどうすればいいか?というと特定の食物を食物アレルギーが発症しない程度の極微量の量を食べさせる。

それを続ければ腸内の免疫にこいつは毒物じゃないと判断して貰えるので食物アレルギーが予防できるって感じです。

量が多すぎるとこれは毒物だ!と勘違いして食物アレルギーが発症するわけですから。

ちなみに食物アレルギーの予防実験は海外でも頻繁に行なわれてましてアナフィラキシーショックを起こして中止になった例もあります。

腸が卵を毒(アレルギー)だ!と判断するなら食べないほうがアレルギーは起こさないのでは?

10年ほど前は食事制限が主流でした。下は食物アレルギーの年齢別のグラフですが自然治癒する傾向が強いので食べれる時期が来るまで待つってのが多かったみたいです。

 

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http://www.jspaci.jp/jpgfa2012/chap02.htmlより引用

それから10年のうちに色んなデータが出てきて食事制限するよりも食物アレルギーにかかっていない段階では厳密な食物制限はしないほうが食物アレルギーになるリスクやなってしまったときの重症度は低いことが明らかになっています。

代表的なデータとしてイスラエルとイギリスの二つのピーナッツアレルギーを比較したデータがあります。

イギリスとイスラエルのピーナッツは日本で言うところの卵みたいなもんだと思ってください。

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イスラエルは1歳時点で80%の子供がピーナッツを食べているのに対してイギリスではピーナッツアレルギーの食物制限により1歳の時点で20%の子供しかピーナッツを食べていません。

となるとイギリスのほうではピーナッツアレルギーの発症は少ないんじゃないか?と思うかもしれませんがイギリスのピーナッツアレルギーの発症率はイスラエルの10倍です。

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更に湿疹になっている割合でもイスラエルのほうが明らかに低いです。

他にも食事制限するよりはアレルギーが出てない時点ではいろいろなものを食べさせたほうが食物アレルギーの予防に繋がるとか(論文どっかでみたけどURL忘れた)

生後4~6ヶ月の間に食べさせると卵を食べさせると卵アレルギーが少なくなるとか(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27654604

ピーナッツなら生後4~11ヶ月でピーナッツをとることでピーナッツアレルギーが減るというデータも出てます。

こういうデータから食物アレルギーを予防するには食べさせないより食べさせたほうがいい結果が出るのでは・・・?という推測ができました。

そういう背景があって今回の実験があったわけですが厳密に食事制限するよりは食べさせることでアレルギーが予防できるよーってのが証明できたわけです。

 

じゃあ積極的に食べさせて予防することが正解かというと僕はそうでもないと思います。この手の新治療法というのは全国に普及するまで何年も時間がかかります。

特に今回の食物アレルギーの予防は死ぬ可能性もあるのでそれなりに大きな施設や治療法を理解している医者がいて初めて出来ます。

なのでしばらくは現状の食物アレルギーの治療がそのまま用いられると思います。

変わるとしたら厳格な食事制限を行なう医者がぐっと減るとかそのあたりからの変化じゃないでしょうか?

 

卵アレルギーの予防って家庭でも出来ますか?

残念ながら出来ません。というか仮に記事のやり方を実施したとしてもむしろ卵アレルギーのリスクが増えるんじゃないかなーと予測してます。

それだけですめばいいですが下手すると死にます。絶対止めましょう。

 

この記事を読んでいるお母さんお父さんに是非覚えてほしいのが「経皮感作」という言葉です。

経皮感作っていうのは簡単に言うと皮膚からアレルギーの元(抗原)が進入するとアレルギーが発症しやすくなるあるいはアレルギー反応が起こる事を言います。

卵アレルギーを例に出すと卵アレルギーは皮膚から侵入することによって卵アレルギーが発症したり卵アレルギーによってアレルギー反応が起きるってことです。

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http://www.yokohama.riken.jp/openday2015/event/lectures.htmlより引用

経皮感作は皮膚に乾燥や湿疹等がなければ起きませんが乾燥がないか?湿疹がないか?を判断するのはぶっちゃけ医者でないと無理です。

経皮感作を知らずに卵アレルギーの予防を試した場合赤ちゃんの中には経皮感作によって卵アレルギーが発症する可能性があります。

特にアトピーの赤ちゃんや赤ちゃん湿疹を煩っている赤ちゃんは極めて経皮感作を起こす可能性が高いです。

 

例えば今回の記事を読んで卵を赤ちゃんにあげたとしましょう。

赤ちゃんに卵をあげたときに赤ちゃんの顔に卵の粉末などがついたら経皮感作が起こり卵アレルギーの予防どころか発症を促進する事になります。

えぇ・・・そんなおおげさなぁって思うかもしれないんですが経皮感作って皮膚につけばいつでも起きる可能性があるのがヤバイ。

じゃあこぼさなきゃOKなのか?というと全然そうではなくて赤ちゃんに卵の粉末を運ぶときに目に見えないぐらいの大きさの卵の粉末が空気中に飛び散ります。

それが赤ちゃんの皮膚についたら経皮感作が起こり卵アレルギーの発症が進みます。

ちなみにこれは卵製品を含んだお菓子でも同じで・・・・

例えば卵の含んだお菓子を両親が食べる。そのまま手を洗わないで赤ちゃんを触る。→経皮感作が成立でアレルギーの発症が促進。

他にも台所で卵の調理をしたら卵の粉末が服についてそのままだっこしたら赤ちゃんの顔とこすれて経皮感作が成立する事もあったりする。

まーつまり経皮感作がおこる可能性がある以上家庭ではできませんって事です。

成功すれば卵アレルギーが予防できるけど失敗したら卵アレルギーになる可能性を増やし下手したら死ぬ可能性もある。

僕だったら絶対にやりません。

ちなみに今回の卵アレルギーの予防では徹底的に経皮感作を起こさないような取り組みがされています。

湿疹のある皮膚に接触した原因食材が取り込まれて食物アレルギーを発症するメカニズムがあるため今回はアトピー性皮膚炎の治療を徹底したことも予防効果を高めたとみている。
夏目診療助教は「過去に食品を避けるガイドラインが広まり、今も卵の除去を推奨する育児本が多いが、真逆の結果になった。食べることも湿疹のケアも大事」と述べた。
湿疹の治療が十分ではない例や、抗体を高めやすい生卵を摂取した研究では、アレルギーを発症したケースもあり、夏目診療助教らは既に卵アレルギーを発症している場合は専門医の受診を勧めている。

 http://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/309448.htmlより引用

もし家庭でやった卵アレルギーの予防をやった場合の最悪のケース

①卵アレルギーを予防するために毎日卵を与える。

②毎日卵を与えることを続けることで赤ちゃんの皮膚に卵の粉末がついたり空気中の見えない卵粉末が飛び散り赤ちゃんの皮膚につく。

③経皮感作により卵アレルギー発症。それに気づかず口から卵を摂取することによりアナフィラキシー発症→死亡。

というのが最悪のケースかなと思います。あくまで最悪のケースでそもそもやらなきゃいいって話ですが。

卵アレルギーに関する一般の人が思う疑問点について書いてみる(情報源はツイッター)

僕はニュース見たときはあーやっぱこういう結果が出るよなぁって思っちゃったんだけどやっぱりあのニュースいろんな情報が省かれてて疑問点が沸く人も多かったみたい。

せっかくこの記事書いたのでその疑問点についても書いていきたいと思います。

アトピーの赤ちゃんに効果があっただけであってアレルギーがない赤ちゃんには効果がないんじゃない?

結論から言うと普通の赤ちゃんにも効果はあると思います。ただ劇的な効果はなさそう。というのが僕の意見です。

アトピーの赤ちゃんは先ほど説明した経皮感作によって食物アレルギーを発症しやすいというのがわかってます。

赤ちゃんの食物アレルギーの発症率は10%。そのうちアトピーを発症しているのは70~80%。

ようするに食物アレルギーの子供が10人いたらそのうちの7~8人ぐらいはアトピーを発症してるよーって事なんです。

だからこの卵アレルギー予防の実験にもアトピーの赤ちゃんが選ばれたんだと思います(そのほうが効果がわかりやすいので)

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ちなみにこの卵アレルギー予防の実験では卵の粉末を摂取していない61人中38%(23人)が卵アレルギーを発症しています。

医者が徹底的にアトピーの治療をしてこの卵アレルギー発症率ははっきりいってやばい。

通常の家庭の治療では更に発症率が上がると見ていいと思う。

アトピー=食物アレルギーではないからこの卵アレルギーの予防が無意味

こういうのも多かったかなぁ。アトピーというのは年齢層によって悪化因子が違います。

これは半分正解ですが今回は不正解です。

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アトピーのアレルギーの原因というのは人それぞれです。例えば僕ならスギ花粉と汗、季節変動が悪化因子です。

もっともこれは大人のアトピーに限った話で赤ちゃんとなると少し違ってきます。

先ほども書いたようにアトピーの赤ちゃんは食物アレルギーを70~80%で持っています。

アトピーで傷ついた皮膚から食物抗原が入ること(経皮感作)によりアレルギーが起こりアトピーが悪化します。

なので乳児期に限り食物アレルギーはアトピーの悪化因子の大きな原因の一つと考えてもらってもほぼ差し支えないと思います。

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https://www.akcl.jp/colum/co107cat8.htmlより引用

イメージとしてはこんな感じです。まーだから食物アレルギーを予防することに意味がないかというと全くそんなことはないです。

食物アレルギーが予防できればそれだけ赤ちゃんのアトピーの悪化因子が減りますから自然治癒もしやすくなると思いますので。

家庭内でできるアレルギー予防の仕方

ぶっちゃた話この卵アレルギーのニュースってあんま役に立ちません。病院いってすぐできるものじゃないしまだまだ研究段階なので・・・。

家庭でやるとやばいしね・・・・。というわけで僕が食物アレルギーの予防方法を教えます。

食物アレルギーを防ぐには結局のところ経皮感作を防ぐことが重要になります。

食物アレルギーの赤ちゃんの70~80%はアトピーなのでアトピーの予防法と言い換えてもいいかもしれない。

なので出来ることをあげると・・・・

①赤ちゃんの寝室は台所と離れたところにする(台所は食物抗原が多く経皮感作がおきやすい)

②赤ちゃんに食事を与える前は口周りにうすーくワセリン(他の保湿剤でも可)を塗ってあげる(食べこぼしによる経皮感作を防ぐ)

③お父さんお母さんは卵入りのお菓子や食べ物を出来る限り控える(卵を頻繁に食べているとそれだけ空気中に卵の食物抗原が多くなる)

④空気清浄機を入れる(食物抗原やハウスダストを掃除してくれる。)

⑤乳酸菌をあげて食物アレルギー及びアトピーを予防する

赤ちゃんの腸内は未熟なので食物アレルギーが起きる。だったら乳酸菌を投与することで食物アレルギーを予防しようという事です。

ニュースの反応見てたんだけど食べることでアレルギー予防できるんだー。ってことは食べるとアレルギー予防できる食品とか開発されてるのかもしれないなー。

っていう反応がちらほらあったんだけど鋭いなーって思いました。実はもうあります。その商品こそ乳酸菌なんですよね。

ビフィズス菌を有効成分とするアレルギー予防および/または治療剤(明治)

乳幼児用アレルギー疾患予防剤(森永)

明治も森永も乳酸菌で有名なとこ(日本のNO1、NO3。NO2はヤクルト)で特許とってるみたいです。アレルギーの予防が出来る乳酸菌とかインパクトすごいしすごい儲かりそう・・・。

こんなの初めて聞いたって人多いと思いますが乳酸菌でアレルギーの予防できるよ!っていうと薬事法違反になっちゃうのであんまりメジャーではないです。

なぜ医薬品になってないかというと詳しくはしらないけど大人の事情って奴なんですかねー?

でまぁ実際に現段階で出来るの?というとできます。やり方もそんなに難しくないですし何より乳酸菌って副作用がないので非常に試しやすいと思います。

赤ちゃんの食物アレルギーの予防や改善。アトピーの予防や改善に効果あり。改善効果よりも予防のほうが効果が高いって感じ。

乳酸菌でアレルギー体質の遺伝を治しアトピーになる確率が34%減らす予防方法!

かなり長いんでゆっくりと読んでみてください。

⑥赤ちゃんの皮膚に乾燥、炎症を起こさないように全身に保湿剤を塗る(乾燥や炎症があると経皮感作が起きる為)

こちらはエビデンスがありまして生後間もないころから保湿剤を塗るとアトピーが予防できます。

赤ちゃんのアトピー=食物アレルギーみたいなところがあるのでこちらも効果があると思います。

ちなみにこの保湿剤を塗るとアトピーの予防ができるよーってのを発表した人は今回の卵アレルギーの予防を発表した人と同じです。

赤ちゃんに保湿剤を塗るとアトピーが予防できるのはなんで?どの保湿剤を使えばいいの?お勧めを教えて!

こちらも長いですが是非読んでみてください。

 - 乳児の食物アレルギー

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