乾燥肌の痒みはアトピーの痒みとどう違うの?
乾燥肌の痒みとアトピーの痒みの違いを説明できる人って意外と少ないんじゃないだろうか?
アトピーってなんで痒いの?と質問されたことは誰しもが一度はあると思いますがアトピーの痒みを説明するときに蚊にさされたときの何倍もの痒みと説明した人は多いんじゃないかなぁ。
今日はこれについて書いていきます。ちょっと難しいけどねー。
乾燥肌による痒み
http://ameblo.jp/lemond1074/image-11809806231-12893351689.htmlより引用
アトピーの人というのは80%ぐらいの人が遺伝的に皮膚のバリア異常があり健常者に比べて乾燥肌といわれています。そのためアトピーが治った後も多くの人は乾燥肌による痒みは続きます。
えーアトピーが治っても痒みは続くのかーと思ってげんなりするかもしれませんがそこまで強い痒みではありません。保湿剤塗ればだいぶマシになるしね。
まずは乾燥肌の痒みについて書いていきたいと思います。
知覚神経による痒み
乾燥肌による痒みはほぼ知覚神経による痒み。皮膚が乾燥し皮膚の水分が減って皮膚がスカスカになると表皮細胞はNGFと呼ばれる神経成長因子を出す。
普段は真皮の下にまで引っ込んでいる痒みを感じる神経が上に伸びてくる。上の図だと知覚神経にあたるところでC繊維とよばれています。
これが表皮にまで伸びてくることが第一段階。この時点ではまだかゆみはそんなにない。ちょっと痒いなぁといった程度。
それを放置しているとどんどん伸びていき上の図にある角層まで到達する。すると服がこすれる些細な刺激やひっかくことによる些細な刺激によって猛烈な痒みを感じることになる。
これを元に戻すには徹底した保湿が必要。ようするに乾燥しているからにょきにょきと痒みを感じている神経が伸びているわけで保湿を徹底すれば元に戻る。
皮膚の保湿成分というのは真皮から表皮に押し上げる過程で作られるので乾燥したや炎症を起こした皮膚を治すには4週間。垢となって剥がれ落ちるには6週間程度かかる。
年齢(若いほど生まれ変わりが早く歳を取れば遅くなる)によっても違うし部位(手や足は角層が分厚く顔や首は薄い)によっても違う。
つまりこの痒みを治すには保湿成分をたっぷり含んだ皮膚ができあがった後徹底的に保湿して神経が伸びているのをゆっくりと戻さなきゃいけないということ。
どれぐらいの時間がかかるかはわからないけど少なくとも肌のターンオーバー以上に時間がかかるのは間違いない。
ちなみに僕が重症から乾燥肌に戻るまでは6ヶ月ぐらいかかった。保湿剤きれると即効でガサガサになるしステロイド切れると猛烈に痒くなるしあれは大変だった。
アトピーじゃなくても乾燥肌を治すだけでもかなり大変。乾燥肌をほっておくとアトピー一直線なのでさっさと保湿しましょう。
アトピーによる痒み
ちょっと難しい図になってしまいましたがこれぐらいしか詳しい図がなかったんですよね。
乾燥肌による痒みとアトピーの最大の違いはアレルギーによる痒みがあるかどうかです。
その違いはどこにあるかというと真皮のC繊維が横に伸びているかどうかです。上の図だとにょきにょきと横に伸びているのが分かるかと思います。
乾燥肌による痒みというのはひっかくとC繊維を伝って一直線に大脳に痒みというのが伝わります。真皮にもC繊維はありますが横には伸びていません。
一方でアトピーの場合はC繊維を伝いつつ真皮の横に伸びたC繊維にも同時に伝わりかゆみや炎症を起こす化学物質が分泌されます。
僕はアトピーの痒みをドミノ倒しが起こるような痒みと読んでいます。最初は1のかゆさだったのにひっかくとそれがドミノ倒し式に伝わってそれが10になるというような感じです。
引っかくだけでも厄介な痒みですがアレルギーによる痒みというのは最厄介です。アトピーの人の皮膚は抗原が進入してくるとアレルギー反応が起こります。
ここが乾燥肌の人とは違うところで乾燥肌の人は侵入してもアレルギー反応は起こしません。
ただし何度も抗原が進入してくるとこれは異物なんじゃないか?体が勘違いしてアレルギー反応を起こすようになります。つまりアトピーになっちゃいます。
アレルギー反応を起こす抗原は人によって違いますが皮膚のバリア機能が低下していればいるほど皮膚の奥に侵入しやすくなります。
また抗原にも大きさがあり小さければ小さいほど皮膚の奥に侵入しやすいです。猫や犬といったペットの抗原は小さいサイズなのでもしこれにアレルギー反応を起こすようなことであれば重症化しやすい傾向にあります。
抗原が皮膚に進入すると皮膚が垢となって剥がれ落ちるか異物を処理する細胞が抗原を処理するまでアレルギー反応が起きます。
例えば表皮の浅い部分なら1週間程度だろうし逆に表皮の奥なら1ヶ月程度続くものと考えられます。
更に表皮の奥の真皮の部分だとアレルギー反応を起こす物質が体の異物を処理する細胞によって処理されるまでずっとアレルギー反応が続きます。
これは真皮のターンオーバーが表皮と比べて緩やかで年単位で非常にゆっくりとしたものであるからです。
このアレルギーによる痒みは僕も経験したことがありますが皮膚の下を芋虫が這いずりまわるようなかゆみとでもいいましょうか。痒みで体が動かせないレベルです。
最も人によってアレルギーの強さというのは違うので当然ですが症状の重さも違います。
アレルギーによる痒みが起きると脳にかいて異物を取り出せという命令がされて皮膚をひっかきます。そうするとひっかくことにより皮膚が更に痒くなり・・・という負のループになってしまいます。
この悪循環をたちきることこそがアトピー治療の第一歩です。
アトピーを治す場合は乾燥肌による痒みとアレルギーによる痒み療法に対処するということが重要です。
乾燥肌による痒みには保湿剤で充分ですがアレルギーによる痒みには保湿剤はあまり利きません。もう体内に侵入して炎症を起こしているしまずは炎症を治さなきゃ皮膚のバリア機能は戻らないからです。
今のところ最も効くのはステロイドとプロトピック、一部の抗ヒスタミン剤のみです。
以上乾燥肌による痒みとアトピーの痒みによる違いでした。自分の体でどういう風に痒みが起こるのを知っておくと安心できるしヤブの適当な言葉にもだまされなくなるから一石二鳥だと思う。
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