アトピーで使われる漢方薬「太乙膏」について効果や副作用をまとめてみた
今日は神仙太乙膏についての記事を書いていきます。タイトルを太乙膏にしたのは勘違いが多いため。
最初に言っておきますが神仙太乙膏と太乙膏は別物です!神仙太乙膏のほうが漢方薬で太乙膏は酸化亜鉛を含む薬で全くの別物です。
太乙膏がアトピにー効くって聞いたんだけどという人は神仙太乙膏を購入しましょう。
効くかどうかはためして見ないとわからないってのが正直なところ。成分的には薬が合えば紫雲膏よりは効きます。
アトピーにおける漢方の役割
僕の漢方のイメージって「体に優しい」、「副作用が少ない」「薬が効くまで時間がかかる」「苦そう」というものです。
殆どの人が「体に優しい」、「副作用が少ない」というイメージを持っていると思います。でもこれ間違ってるからね。
自然な物が優しい。というのは幻想だから。薬である以上必ず副作用はあります。薬を選ぶ際は自分に合う合わないで選びましょう。
漢方薬は医者が症状を見てそれにあった薬を出すのでまず医者の診察が正確に行われていて初めて薬の効果があるという感じです。
だから効くときはすごい効くと思う。その代わりヤブ引いたらすげぇ悪化するけどね。つまり漢方が効くかどうかは医者に大きく左右されます。
アトピーの民間療法で重大な副作用報告のうちの23%は漢方が占めていますので漢方だから安全だという思い込みでどっぷりと漢方にはまるのは危険です。
ちなみに西洋医学はまず薬の効果ありきです。特にアトピーの場合は顕著。君はアトピーだからこの薬出しておくねというような感じでしょ?
なので必要最低限の説明がされればどこいっても大して変わりません。その最低限の説明がされていない病院が多すぎるのが問題ですが・・・。
アトピーにおける漢方の役割ですが一言で言うと標準治療(保湿剤+ステロイド+プロトピック)等と併用すると単独よりもいい効果が得られるというような感じ。
今のところエビデンス(科学的根拠)に従えば標準治療と併用すると一部の漢方薬は単独で治療するよりいい結果が出るよ。というような結果に留まっています。
だから漢方が効果がないかというとそういう事じゃない。漢方は人の体の特徴を見てその人に合った処方をするといった感じなのでエビデンスでは評価できない。
薬剤の組み合わせも多く処方の組み合わせ次第では良くなったり悪化したりすることもあるかと思います。つまり医者の腕次第なわけ。
西洋医学以上に医者としての知識や経験が大きく出るので西洋医学では駄目という人は漢方を試すのもあり。
ただしヤブも相当多いのでくれぐれも「好転反応」には注意すべし。何ヶ月も続く「好転反応」等ありはしません。
神仙太乙膏に含まれる成分
100g中
当帰(とうき)。セリ科トウキ属植物の根を乾燥したもの。鎮痛、鎮静、強壮効果あり。主に月経不順や冷え等に使われる女性向けの生薬。
桂皮(ケイヒ)。クスノキ科トンキンニッケイやその他同属植物の樹皮を乾燥したもの。胃腸が弱い人に処方される。
ダイオウ(大黄)。タデ科のダイオウ属植物の根および根茎を乾燥したもの。主に便秘が酷い人に処方される。簡単な言葉で言うと下剤の成分です。
芍薬(しゃくやく)。キンポウゲ科、ボタン科シャクヤクまたは近縁種の根。鎮痛・鎮痙(ちんつう・ちんけい)、収斂(しゅうれん)、緩和作用。体の不調に使われる。
地黄(ジオウ)。ゴマノハグサ科ジオウ属植物の根茎。補血(ほけつ)、強壮、止血、滋潤(じじゅん)に効果あり。
玄参(ゲンジン)。ゴマノハグサ科の多年草ゴマノハグサの根。消炎・解熱・鎮痛作用。主に皮膚の痒み止めに使われる。
白シ(ビャクシ)。セリ科の多年草、ヨロイグサなどの根等。冷えを解消する効果あり。
この成分にゴマ油48g、蜜臘(ミツロウ)48gが神仙太乙膏になります。
神仙太乙膏の使われ方は湿疹、皮膚炎、ひび、あかぎれ、しもやけ、ただれ、外傷、火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷、かぶれ、あせもとなっています。
紫雲膏と用途はほぼ同じなんだけど成分が全く違うので紫雲膏が合わない場合は神仙太乙膏を使ってみるといいかも。
紫雲膏に含まれる漢方薬の成分は2種類でこちらは7種類なので一般的に重い傷にはこちらのほうが効きそうです。
肝心の薬の効果は非ステロイドの塗り薬と同じぐらいと見ておくといいかも。論文もないしそういうデータを取ってないのでわかんない。
ちなみにアトピーでは保険適用されません。なので欲しければネットで買うしかないかな。
ちなみに紛らわしい太乙膏は漢方薬ではないし酸化亜鉛に色々と+αされたもの。皮膚を乾燥させじゅくじゅくや汁を乾かす効果がある。
こっちを使うならまずはサトウザルベや亜鉛華軟膏のほうを使ってみるといいと思う。何せこっちは色々とデータが豊富にあるし今でも現役の薬なのでね。
使ってみて合わなかったらこっちを使うという選択肢の一つとして捉えるのがいいかな。
使い方は普通に塗るだけです。塗り薬なのでくれぐれもカブレには注意するべし。
成分が多いという事はそれだけカブレを起こしやすくなるという事です。
論文
アトピーの人に対して89.1%の有効率があったとの報告だけどんなわけない。主観はいりまくりで論文としては糞以下。
神仙太乙膏と馬油を併用するといい効果がでるかもしれないぐらいにとどめておくのが吉。
神仙太乙膏に含まれるミツロウに対してカブレがあり接触性皮膚炎を起こした報告があります。
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