アトピーで使われる漢方薬の白虎加人参湯について効果や副作用をまとめてみた
2015/02/19
今日は白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)について書いて行きたいと思います。漢字が難しいし読み方が難しいよ・・・。
名前の中にニンジンが入っているので成分にもニンジン入ってます。僕は服用したことないんだけど痒みや喉の渇きにもっぱら聞くとの薬らしい。
アトピーの人が使うと顔の火照りにすごいよく効くという特徴がある。顔の火照りに悩んでいる人は試してみるといいかもね。
では早速かいていきます!
アトピーにおける漢方の役割
僕の漢方のイメージって「体に優しい」、「副作用が少ない」「薬が効くまで時間がかかる」「苦そう」というものです。
殆どの人が「体に優しい」、「副作用が少ない」というイメージを持っていると思います。でもこれ間違ってるからね。
自然な物が優しい。というのは幻想だから。薬である以上必ず副作用はあります。薬を選ぶ際は自分に合う合わないで選びましょう。
漢方薬は医者が症状を見てそれにあった薬を出すのでまず医者の診察が正確に行われていて初めて薬の効果があるという感じです。
だから効くときはすごい効くと思う。その代わりヤブ引いたらすげぇ悪化するけどね。つまり漢方が効くかどうかは医者に大きく左右されます。
アトピーの民間療法で重大な副作用報告のうちの23%は漢方が占めていますので漢方だから安全だという思い込みでどっぷりと漢方にはまるのは危険です。
ちなみに西洋医学はまず薬の効果ありきです。特にアトピーの場合は顕著。君はアトピーだからこの薬出しておくねというような感じでしょ?
なので必要最低限の説明がされればどこいっても大して変わりません。その最低限の説明がされていない病院が多すぎるのが問題ですが・・・。
アトピーにおける漢方の役割ですが一言で言うと標準治療(保湿剤+ステロイド+プロトピック)等と併用すると単独よりもいい効果が得られるというような感じ。
今のところエビデンス(科学的根拠)に従えば標準治療と併用すると一部の漢方薬は単独で治療するよりいい結果が出るよ。というような結果に留まっています。
だから漢方が効果がないかというとそういう事じゃない。漢方は人の体の特徴を見てその人に合った処方をするといった感じなのでエビデンスでは評価できない。
薬剤の組み合わせも多く処方の組み合わせ次第では良くなったり悪化したりすることもあるかと思います。つまり医者の腕次第なわけ。
西洋医学以上に医者としての知識や経験が大きく出るので西洋医学では駄目という人は漢方を試すのもあり。
ただしヤブも相当多いのでくれぐれも「好転反応」には注意すべし。何ヶ月も続く「好転反応」等ありはしません。
白虎加人参湯の特徴
体の熱を冷まし、痒みを沈めるお薬で喉を潤す効果があるといわれています。
その為、体の灼熱感や赤みのある部分の痒み、異常に喉が渇く、尿の頻度が多い等に良く使われます。糖尿病の初期症状や熱中症にも使われる。
胃腸を整える効果があるので便が硬い人尿の多い人、汗が多い人等にも処方される主な成分は・・・
石膏(セッコウ)。天然産含水硫酸カルシウム。草ではなく石を砕いたもの。解熱作用、鎮静作用、消炎作用、止渇作用。白虎加人参湯の冷やす主成分はこれ。
知母(チモ)。ユリ科の根茎を乾燥させたもの。解熱、鎮痛、鎮静、消炎、利尿作用がある。主な役割は石膏の補助として解熱、鎮静作用。
粳米(コウベイ)。イネ科の種子を乾燥させたもの。滋養強壮、止渇、緩和作用あり。喉の渇きに使われる。
人参(ニンジン)。セリ科ニンジン属。皆さんご存知のニンジンの根っこです。健胃整腸、鎮痛、去痰(きょたん)、駆風(くふう)等。胃腸を助ける効果で使われる。
甘草(カンゾウ)。豆科の多年草に属する植物でその根を乾燥させたもの。主成分のグリチルリチンが肝障害やアレルギーに有効だとされている。とり過ぎると低カリウム血症や血圧上昇、偽アルドステロン症等の副作用が出るので注意。
主成分はこんな感じ。アトピーの人には結構向いてそうなお薬だと思います。体力も中程度(日常生活が普通に送れる程度の体力)の人適当なので大丈夫。
特にアトピーの人はプロトピックの顔の火照りや抗ヒスタミン薬による喉の渇きがあるからが向いてそうな気がします。
脱ステ中の人は異常に喉が渇くとよく効くのでそれに対しても使えるんじゃないかなぁ。
使用方法
通常、成人1日○○gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
メーカーによって薬のg数が違うので医者の指示もしくはメーカーの説明文書に従って服用してください。
食前は食事の30分前。食間は食事と食事の間という意味で食事中に飲むということではありません。食事を終えて2時間後ぐらいが目安です。
クラシエ、コタロー、ツムラの3種類のメーカーが出しており配合成分の比率や値段も違います。
注意点
体力がないものには向かない(日常生活を送れる程度の耐力があればOK)。胃腸が弱く冷えが強い人には向かない。食欲不振や吐き気、嘔吐下痢等胃腸が弱い人は特に注意が必要だそうで。
飲んで体に異常があったら服用を止めること。胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢発疹、発赤、かゆみ、じん麻疹。
副作用は重いもので偽アルドステロン症、ミオパチーが報告されている。手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。これらにぴんっときたら服用をすぐ止めること。
生薬の甘草を含むものを十味敗毒湯と併用すると上記の偽アルドステロン症の発症リスクが上がるので注意。
妊娠または妊娠している可能性のある人は使用できない可能性あり。
腎障害のある患者には向かない。
論文とか
アトピーにおける白虎加人参湯については顔の強いほてりを持つ患者に有効であるとの論文での報告があります。喉の渇きや弱いほてりにはあまり効果がないみたい、
服用してから2週間ぐらいで顔の痒みがに効果が出る人が殆どだけど4週間で出る人もいるみたい。
他には外用ステロイドのリバウンドに有効だったとの論文報告があります。
でもこれ中身読むと症例1は肺炎による入院がきっかけの悪化だし症例2は大学進学によるストレスか季節変動による悪化だと思うなぁ。
顔面、首、両肘窩、 膝窩に出るのは成人アトピーの特徴だしね。
症例3は効かなくなってきた、全身の落屑 、苔癬化を伴う暗紅色の紅皮症であった。とかいてあるので依存の可能性もあるし仕事による慢性的なストレスの可能性もある。
ステロイドのリバウンドに有効だったと考えるよりは漢方単独でもアトピーの悪化に有効な症例があったと考えたほうがいいかもしれない。
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