塗り薬のクリーム(乳剤性基剤)の特徴についてまとめてみた
今日はクリーム(乳剤性基剤)の特徴について書いていきたいと思います。
クリームは油と水を乳化させて混ぜたものです。乳化は油と水を混ぜることです。そうしないと分離しちゃうからね。
んでクリームにはパニシングクリーム「水中油型(o/w型)」とコールドクリーム「油中水型(w/o型)」の2種類があります。
いきなりこんなこと言われても頭が???ってなっちゃうと思うので順番に見ていきましょう。
水中油型(o/w型)の特徴
http://ameblo.jp/atopiclass/entry-11155520441.htmlより引用
水分の中に油がちらばったタイプね。大多数のクリームはこっちで使用感はさらっとしている。通称パニシングクリーム。
パニシングクリームの特徴は肌に浸透しやすい。伸びやすい。テカらない。水に流れやすい。といった特徴があります。
一言でまとめると使用感がめちゃくちゃいいって事で市販のクリームは大体これ。使用感ってやっぱ大事だよね。
このクリームの特徴は外が水で中が油になってるから患部を冷やす効果がある。患部を冷やすことで炎症を押さえ痒みを抑えるってことができるんだよね。
デメリットは刺激が大きい。界面活性剤も入っているし使用感をよくするために様々な添加物が入っている。
水中油型(o/w型)の特徴
http://ameblo.jp/atopiclass/entry-11155520441.htmlより引用
こちらは油の中に水分がちらばったタイプ。軟膏とクリームの間に位置する。一言で言えばちょっとべたつくクリームという感じ。通称コールドクリーム。
コールドクリームという名前から患部を冷やして痒みを抑える効果がパニシングクリームと比べて強いのか?と思いきや弱いらしい。名前負けしてる。
コールドクリームの特徴は普通のクリームと違ってちょっととろっとしてる。軟膏ほどではないがテカリがある。クリームよりややぬめっとした伸び。水に流れにくいといったのが特徴。
外装が油で中身が水なんで軟膏の内側にクリームが入ってるような感じかな。マヨネーズっぽいのを想像してもらえれば分かりやすいかと思います。
こちらに属する薬は少ないのでアトピーの場合はこっちの名前だけ覚えてそれ以外のクリームは全部パニシングクリームと思ったほうがいいです。
属する薬はヒルドイドソフト、パスタロンソフト、ネリゾナユニバーサルクリーム、オクソラレン軟膏の4つだと思います。名前にソフトが付くものはこれだと思ってくれればいい。
こちらはパニシングクリームに比べて刺激が少ないのが特徴。油系の保湿剤(ワセリン)等のべとべとが嫌という場合はまずこちらを。
軟膏とクリームの使いわけをどうするか?
まずおさえておくべきはクリームは糜爛や湿潤傾向(汁がでたり皮膚が湿っている)がある場合は使えない。
これは保湿剤でもステロイドでも同じで糜爛のある部位だと吸収率が凄く高くなってしまうせいでもあるもしくは刺激で悪化する危険性が高い為。
それを踏まえたうえでどう選ぶかという事なんだけど皮膚への刺激性は油脂製基材(ワセリン等塗るとベッタリするタイプがベース)>コールドクリーム(ヒルドイドソフト等)>パニシングクリームの順番で刺激が少ない。
皮膚への浸透性(薬の効果)はパニシングクリーム>コールドクリーム>油脂製基材となっている。
皮膚への刺激があがればがるほど皮膚への浸透性もあがる。ここだけおさえておけばそれだけで薬選びで失敗することはなくなる。。
例えばワセリンがべたついて使いにくいという人は皮膚の状態がいいからそう感じると思うのでコールドクリームやパニシングクリームを試してみるのがいい。
逆にクリームで染みるという人はワセリンやコールドクリームを使ってみると案外なじむかもしれない。
まとめるとクリームといっても2種類あってある特定のクリーム(コールドクリーム)は普通のクリームより刺激が弱く皮膚に優しい。
糜爛や湿潤傾向のある部位には使ってはいけない。クリームは刺激が強いので炎症のある部位には特に注意して使う。
クリームを使って悪化するときは油脂製基材も視野に入れる。油脂製基材は皮膚への浸透性は低い物の皮膚への刺激は一番少ない。ワセリンは中でも特に刺激が少なくて○。
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