アトピーの重症患者に効果のある紫外線療法(PUVA療法・ナローバンドUVB・UVA1療法)についてまとめてみた
2015/10/22
今日は紫外線療法について書いていきたいと思います。
紫外線療法はPUVA療法、ナローバンドUVB、UVA1療法、更にはエキシマレーザー療法なるものまであるんだとか。
紫外線療法はアトピーで保険適用されていて重症の患者さんに特に効果を挙げているみたい。
調べていると専門用語多すぎて頭が痛くなってくるんだけどなるべくわかりやすくまとめてみました。
紫外線を当てるとアトピーが良くなるメカニズム
http://komagome-salon.p-eon.co.jp/より引用
紫外線療法というのは文字通り紫外線を皮膚に照射する方法なんだけどその前になぜ紫外線を当てると良くなるかという事について説明しておく。
それについてはまず最初にアレルギー反応の簡単な説明からね。健康な皮膚というのは外の異物をガッチリ弾く角質層(角質)が機能している。ダニ、カビ、花粉等・・・全部ブロックできる。
しかしアトピーで炎症がある部分は皮膚のバリア機能が低下し角質層が皮膚の炎症によってぼろぼろになっていて機能していない。
皮膚のバリア機能が低下しているから外から色んな物が入ってくるんだけど当然のそのまま素通りするとえらい事になるから皮膚の中は二重三重のバリア構造になっている。
角質層が最初の門番だとすれば上の図にあるランゲルハンス細胞というのが体の免疫君であり2番目の門番。こいつが角質層の取りこぼした体の中に入ってきたウイルスやらその他の異物をぱくっと食べて処理している。
こいつは2番目の門番なのであくまで保険。働き自体はあまり強くない。
角質層を素通りで通ってこられて体の中に異物がいっぱい入ってくると処理能力が限界を超え始めこのままじゃ体がヤバイ!なんとかしてくれ!と応援を送る。
その結果応援に来た細胞が急いで処理しちゃうのでほっといても無害なものまで異物と認識してを攻撃し始める。これがアレルギー反応と呼ばれている物。すげぇ大雑把な説明だけどニュアンスが分かればOK。
元々体に無害な物にアレルギー反応を起こすのがアトピーの特徴なのでこのランゲルハンス細胞を意図的に減らしてアレルギー反応を抑えてやればいいんじゃないか?と偉い人は考えた。
それがステロイド。ステロイドを塗るとランゲルハンス細胞が減ってアレルギー反応を起こしにくくなる。
ただしランゲルハンス細胞を減らすということは体の中に入ってくる本当に有害な物を除去する力も落ちるので感染症にかかりやすくなるというリスクもあるけどね。
でそれと同じような効果があるのが紫外線。紫外線を当てるとランゲルハンス細胞が損傷して免疫が抑制される。ステロイドと作用が違うがやってることは同じだ。
でも紫外線には様々なデメリットがある。代表的なものは皮膚がんとかね。そのデメリットを取り除いていいとこどりをしたのが紫外線療法ってわけ。当たり前だが光線過敏症の人は出来ない。
PUVA療法
今はあまりやってるところがないかもしれない。オクソラレン(皮膚への紫外線の感受性を高める成分)を体に塗る方法と内服する方法がある。
日本では殆どがオクソラレンを体に塗る方法が行なわれている。一回700円(保険適用済み)で週2~3回で1~2ヶ月ぐらい。
UVBより効果があるとされていて中~重症患者にはよく効く一方でこの療法をやった後は厳密な紫外線の遮断や照射時間などが長い、患部の周辺にしみが出来やすいリスクもある。
照射時間については調べたけど乗ってなかった1~2時間(!?)と書いてあるところもあれば10分程度というばらつきも。
ナローバンドUVB
日本では多分これが今一番多い。日本で紫外線療法と言えばこれをさすことが多い。
太陽光は3つの紫外線でできていてUVA(強力な紫外線。真皮まで影響が及ぶ)UVB(オゾン層や雲にさえぎられる。しみの原因になる。)UVC(地上に届く前に消える)。
でナローバンドUVBはこのUVBからアトピーに効く強さに調整した物を皮膚に当てるという物。その波長が313nmというそうです。
肝心の効果だけどPUVA療法との違いは効果は同程度ソラレンもいらず照射時間が短いメリットがある。照射時間は短く5分以内に終わる。完全にPUVA療法の上位互換です。
UVA1療法
UVAはUVAのうち340-400nmという長波波長の光線を用いる方法。日本ではあんまりメジャーではなく導入しているところは少ない。
UVA1療法の最大の特徴は急性憎悪の湿疹に対してはステロイド外用薬並に同等の効果あり。慢性の湿疹に対してももちろん効果がある。
ナローバンドUVBと比べると日焼けが少なくサンバーンが特に少ないので使いやすいのが特徴。
なぜこれほど効くのか詳しい仕組みはわかっていないみたい。ステロイドと同じぐらい効くのは確かにびっくりかも。
エキシマレーザー療法
308nmの波長の光線を使う方法でターゲットを選んで照射できるために炎症のある皮膚とそうでない皮膚を選んで照射できる。つまり無駄な日焼けを避けることが出来る。
まだ色々と試されている段階なのでまだまだこれからといったところ。
副作用
UVA療法は効果があるんだけど光毒性、急性では光毒性急性皮膚症(ソラレンによるかぶれ)日焼けによる色素沈着が問題となっている。
他にも慢性光線性皮膚変性、白内障、発癌がある。やっぱり気になるのは発がん性。日本で保険適用されたのは2008年だけどそれ以前から紫外線療法はされている。
メラノーマ発癌リスクや有棘細胞癌はどうなのかというと・・・。
主にPUVA療法の発がん性の問題になるんだけど発がん性のリスクは照射回数に影響されてリスクもあがるが一般的に200回以下ならその発がん性リスクも無視できるとのこと。
僕らは日常生活で紫外線を浴びてるけどこれも発がん性リスク増ですからね。
日本だと100回までを目安にしているので今のところは大丈夫なんじゃないかと。ただし日焼けや色素沈着は当然あるのでそこらへんを考慮して行なうべし。
もし色素沈着が気になるようであれば紫外線の治療が終わった後で美白効果のある塗り薬や飲み薬を飲めばいいかと思います。
僕はプラセンタ+美白サプリを使っていました。
簡単なまとめ
1.PUVA療法は重症のアトピーUVB療法より優れている。ナローバンドUVB療法は中度~重症のアトピーに有効である。
ナローバンドUVB療法とUVA1療法の効果は同じぐらい。紫外線療法には発癌性があり、特に有棘細胞癌とメラノーマの発症は照射回数、総照射量に影響される。
まぁまぁこんなとこ。ようするにアトピーには効果があるって事なので受けれる場合は積極的に受けたほうがいいです。そこらへんの胡散臭いものよりよっぽど効果があります。
ただし病院に2~3回は通わないと駄目。日焼けや色素沈着のリスク増等のリスクもあるのでそこらへんも考慮すべきかなー。
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Comment
Soboさんこんにちは。
かし光線治療ってご存じですか?
ご存じであれば、どう思われますか。
病院とではないのですが、体に無害なかし光線を取り扱ってて自己免疫力を高める、過去にも色々と症例があるもので…(歴史はかなりあるらしいのですが)
よろしければご意見お願いします!
聞いたことないんで検索しましたが書いてある事が難しすぎてよくわからんです・・・。
昔からやってるなら安全性は高いはずなので気になるなら試してみればいいんじゃないですかね。