アトピー攻略ブログ

アトピーを完治させたい全ての患者へ。医者に依存せずに考える患者になるために。

アトピーで使われる尿素の保湿剤ケラチナミンについてまとめてみた

      2015/02/09

今日はアトピーで使われる保湿剤ケラチナミンについて書いていきたいなと思っています。

アトピーの保湿剤で保険適用されているものと言えばワセリン系列の保湿剤、ヒルドイド等のぺパリン類似物質、そしてケラチナミン等の尿素入りの保湿剤。

実質この3種類しか選択肢がありません。ワセリンは保湿剤というよりは皮膚保護剤というようなかんじだから実質2種類ですね。

ケラチナミン軟膏は先発医薬品。他にもパスタロンソフトととウレパールクリームがある。こいつらは成分名が微妙に違うので使用感も微妙に違う。

後発医薬品にはケラベンス軟膏、ウリモックスクリーム、アセチロールクリーム、ベギンクリーム、ワイドコールクリームがある。

後発医薬品は先発医薬品と比べて値段が安いのがメリット。ただし品質にばらつきがある。

尿素はの場合はヒリヒリ感が違ったりするので敏感肌の人は先発医薬品を使うのが吉。

結論から書いちゃうとアトピーの人にはとてもお勧めできない。なんで尿素が保険適用されているのという感じ。

でも人によって合う合わないはアトピーあるあるだと思うので僕は使っている人に対してやめろとかそういうことはいいません。

使う上で尿素がどういった働きをしているか使う際の注意点はどんなところか?というのをまとめてみた。

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尿素の特徴

尿素は天然保湿因子の一種です。アミノ酸とかヒアルロン酸とかそういうの聞いたことあるでしょ?あれの仲間。

尿素入りの保湿剤を外から与えてやることで尿素を増やし肌の保湿をするって事です。これはどんな化粧品やクリームでも同じ事やってます。

尿素は人体の体に元からあるものなので比較的安全です。人間の体の中って化学物質でいっぱいなので人間の体にないものを与えるとどえらい目にあっちゃう事もある。

尿素は安価で製造できるためとても安い。どれぐらい安いかというと対抗馬であるヒルドイドのお値段の3分の1。

天然保湿因子の仲間なので外から与えることにより肌が潤う。つまり保湿成分があるということ。

尿素はすごく水に結合しやすい特徴を持っているのでそこら中から水分を引っ張ってきて集めます。その作用で皮膚に水分が与えられて皮膚が潤います。

それは論文でも確認されていて間違いないです。ただし効果はセラミド>ヘパリン類似物質(ヒルドイド等)>尿素入り保湿剤(ケラチナミン等)と言われています。

そしてもう一つ大きな特徴があって尿素はピーリングの作用があるということ。たんぱく質を変性させ角質をはがし肌をつるつるにする。

古い皮膚をはがし下に眠っている新しい皮膚を表面に持ってくる。これはメリット、デメリットがあるので後で説明。

使用感ですが尿素が皮膚の水分を持っていくときに刺激感が出ます。これをたまに皮膚に炎症を起こしているというようなかんじで勘違いする人がいますが違います。

一般に言われているのはこんなところ。

効果が特にあるのは皮膚のターンオーバーが遅い手や足等の角質がとても分厚い部分に使うといいかんじに効果がある。

反面使いすぎると皮膚のピーリングのし過ぎで古い角質を落として出てきた新しい健康な皮膚まで傷つけてしまうので使いすぎると乾燥肌の原因にもなる。

アトぴーの人が尿素を使う場合の注意点はここではなく下に辛口で書いてある。

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ケラチナミンコーワ軟膏に含まれる成分

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http://www.packageinsert.jp/detail/620003250/kerachinaminkowa-ointment-20percentより引用

1g中に含まれる尿素200mg(20%)=ワセリン、流動パラフィン、セタノール、ステアリルアルコール

ポリソルベート60(合成界面活性剤、乳化剤)、ステアリン酸ソルビタン

ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(合成界面活性剤、乳化剤)、グリシン(緩衝剤、キレート作用)

防腐剤は入ってないみたい。その代わりアルコールと界面活性剤大目なので肌への刺激は高まるかも。尿素が主成分だし特にね。

魚鱗癬、老人性乾皮症、アトピー皮膚、進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型)、足蹠部皸裂性皮膚炎、掌蹠角化症、毛孔性苔癬などに使われる。

使い方は一日数回患部に塗布する。一日2~3回が多いのかな?アトピーの人なら多分2回(朝と夜)が多いと思う。

 

ケラチナミンコーワ軟膏の効果

表1

疾患名 有効率 疾患名 有効率
魚鱗癬 86.9%
(106/122)
足蹠部皸裂性皮膚炎 75.0%
(36/48)
老人性乾皮症 87.9%
(138/157)
掌蹠角化症 64.5%
(20/31)
アトピー皮膚 72.3%
(115/159)
毛孔性苔癬 55.3%
(26/47)
進行性指掌角皮症 68.5%
(113/165)
総計 76.0%
(554/729)

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2669701N2067_1_02/より引用

ウレパールクリームとの比較

アトピー皮膚76.7%(204/266)進行性指掌角皮症66.7%(116/174)老人性乾皮症89.3%(183/205)

掌蹠角化症41.2%(7/17)足蹠部皸裂性皮膚炎83.3%(10/12)毛孔性苔癬42.9%(6/14)魚鱗癬87.1%(223/256)総合計79.3%(749/944)

ケラチナミンは軟膏でこちらはクリーム。一般的にクリームのほうが肌への浸透性は高くなるので保湿効果は高くなる。

薬効薬理

 

角質の水分保持量を増加させる(牛 in vitro)。
角質の溶解剥離により肥厚している角質層を菲薄化し、鱗屑を消失させる(魚鱗癬患者)。
尿素の有する角質の水分保持増加作用、角質の溶解剥離作用により、魚鱗様紋理を軽快させ、また乾皮、角化皮膚をしっとりさせ、皮膚をより正常化する(魚鱗癬患者)。

使用する際の注意点

炎症のある部位には使わない。アトピーでない場合は軽い炎症なら可だけどアトピーの場合は絶対にやめておいたほうがいい。

具体的に言えば潰瘍、びらん、傷面への直接塗擦を避けること。皮膚以外へ使うのは避けること。目には使っちゃいけないよ。

副作用報告

総症例4864例中、副作用が報告されたのは118例(2.43%)で、その主な症状はぴりぴり感83件(1.71%)、紅斑42件(0.86%)、そう痒感29件(0.60%)、疼痛21件(0.43%)などであった。

また臨床検査値には一定の変動は認められなかった。

 

ウレパールクリーム(尿素入りの保湿剤)と比べて副作用が少ないのが特徴です。(ウレパールクリーム)6,199症例中、副作用が報告されたのは260例(4.19%)で、発現件数は379件であった(副作用調査終了時、1981年)。

尿素同士の保湿剤での比較

保湿効果が高い順番日ならべるとパスタロンクリーム>ウレパールクリーム=ケラチナミンだと思う。

お肌に優しいのはウレパールクリーム=ケラチナミン>パスタロンクリームかなぁというような感じ。

ただし副作用報告はウレパールクリーム>パスタロンクリーム>ケラチナミンの順番で多い。

アトピー関連の論文

よむのめんどくせぇ!って人は飛ばすのが吉!

アトピー性皮膚炎患者にみられる乾燥皮膚及びバリアー機能損傷の一因として角層細胞間脂質,特にセラミドの減少が示唆されている。したがって天然セラミド2の類縁体を含有した,8%合成疑似セラミド含有クリーム塗布によるセラミド欠乏状態の改善が,乾燥肌状態の改善に結びつくことが期待される。我々はアトピー性皮膚炎患者の前腕部屈側に本クリームを外用し,その臨床症状と水分保持能,経皮水分喪失量(transepidermal water loss:TEWL)が改善するかどうかを尿素含有クリームと比較検討した。調査対象はアトピー性皮膚炎患者20例(平均年齢26.4歳)で,皮膚所見において60%で有用性を認めた。TEWLについては外用前値と有意差を認めなかったが,角層内水分量(コンダクタンス)は外用前値と比較し,有意に増加した。尿素含有クリームとの比較ではTEWLとコンダクタンスともに有意差を認めなかった。しかし,皮膚所見及び使用感を含む有用性においては合成疑似セラミド含有クリームが有意に優れていた。以上より8%合成疑似セラミド含有クリームは,アトピー性皮膚炎の乾燥皮膚に対し有用性の高い外用剤と考えられた。

http://ci.nii.ac.jp/naid/130004474836より引用

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)患者の乾燥皮膚における医療用保湿剤(ヘパリン類似物質含有製剤,尿素製剤及びワセリン)の有用性を評価するために,角層水分量,経表皮水分喪失量(TEWL),皮膚所見及び痒みの程度を指標として,ランダム化比較試験を実施した.ADの炎症が鎮静化した乾燥症状を主体とする左右前腕屈側部を対象とし,試験薬を1日2回3週間塗布し,その後1週間は観察期間とし,対象部位にはいかなる処置も行わなかった.その結果,全ての保湿剤において外用期間中は角層水分量の有意な増加が認められた.なかでもヘパリン類似物質含有製剤群は,尿素製剤及びワセリン群に比べ,より高い角層水分量を示し,観察期間においてもその効果は持続した.皮膚所見及び痒みも,全ての保湿剤で有意な改善が見られたが,TEWLは改善しなかった.以上より,今回試験した保湿剤は,いずれもAD患者の皮膚生理学的機能異常を改善することが確認され,さらに,ヘパリン類似物質含有製剤は尿素製剤及びワセリンよりも優れた保湿効果を有することが示された.

 

http://ci.nii.ac.jp/naid/130004708525より引用

アトピーでの尿素入りの保湿剤の役割

結論から言うととてもお勧めできない。論文で保湿効果は確認されているし間違いなく効果はあるし特定の人にとって尿素はとても有用なんだけどアトピーとは相性が最悪なんだよね。

まず炎症のある皮膚に塗ると刺激になるということ。これはまぁどの保湿剤でも同じなんだけど尿素はその中でも群を抜いて刺激性が高い。

尿素の保湿剤の注意書きにも(1)炎症、亀裂を伴う症例〔ぴりぴり感などを生ずる。〕(2)皮膚刺激に対する感受性が亢進している症例〔ぴりぴり感などを生ずる。〕は慎重に使用してくださいって書いてあるからね。

ちょっとの傷でも塗ればヒリヒリしてそれで痒みを引き起こす。体全体に塗る保湿剤でヒリヒリ感のせいで痒みが出るというのはちょっとまずい。

これ自体は傷口のない部分に慎重に用いればいいと思うんだけど尿素の角質除去。これがアトピーとは最悪の相性で皮膚のバリア機能をぶっ壊す。

アトピーの人の皮膚と言うのは皮膚の炎症によって皮膚がぼろぼろの状態。でも皮膚というのは人間の体でとても重要な部分でぼろぼろの状態というのはとてもまずい状態なわけ。

だから体が早く皮膚を作れ!といって早く皮膚を作るんだけど皮膚を早く作ったせいで未成熟な皮膚ができる。その皮膚に炎症が起きて~のループを繰り返しているのがアトピーの人の皮膚。

だからアトピーの人の皮膚を治す場合は皮膚を作るのを遅くしなきゃいけない。炎症をなくし皮膚を作るのを遅くすることで保湿成分をたっぷりと含んだ頑丈な皮膚が出来上がる。

アトピーの人が尿素入りの保湿剤を使うと角質をはがす効果があるから皮膚を作るのが早まる。皮膚を作るのを遅くしなければ良くならないのに皮膚を余計に作るのを早めて悪化させる

というような感じでアトピーとは相性が最悪なわけです。皮膚の角質を意図的に落とすということがどうなるか。

それはお風呂で垢を落として一夜にして軽症から重症アトピーになった僕が自分の体験を持って実感しています。

もちろんそんな極端に角質を落とすというような効果はないでしょうが微量であれわざわざ角質層を破壊する保湿剤を選ぶ必要もないかなと思います。

中には尿素が肌に合っているという人もいると思うのでそういう人はそのまま使えばいいんじゃないかと思います。結局の所自分にあっている保湿剤を使うのが一番大事です。

じゃあ何の保湿剤使えばいいんだよって事なんだけどヘパリン類似物質がお勧めです。尿素と比べて刺激感もないですし皮膚のバリア機能を低下させることもありません。

アトピーで悩んでいる人は是非ヒルドイドを使ってみて!ヒルドイドの使い方や効果と副作用についてまとめてみた!

ヒルドイドのジェネリックのビーソフテンなら尿素入りの保湿剤と値段がほぼ同じです。難点は病院に行かないともらえないことですが。

アトピーでヒルドイドを使っている人はヒルドイドと同じ主成分を使ったビーソフテンもお勧め!

 

 - 保湿剤, 尿素

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