アトピーで使うサンホワイトってどういう風に使えばいいの?使い方にピンと来ない人に是非読んでほしい記事
2015/05/21
アトピーの保湿剤と言えば真っ先に出てくるのがワセリンもしくはヒルドイドといったところでしょうか。今回はワセリンに属するサンホワイトについての記事になります。
ワセリンのイメージというと僕は以前こんな風に考えていました。塗るとなんだかべたべたして気持ち悪い。特に顔に塗った時は油がテカテカでとても気になる。
加えて熱もこもって汗がでにくいようなきもするし不愉快だしなんか使いにくいというのが正直なところです。
ワセリンというのはベタベタ塗るのも一つの使い方ですが実はちょっとした使い方のコツがあります。
というわけでワセリンの使い方についてみていきましょー。
目次
ワセリンの種類による違い
ワセリンといっても色々種類があります。主に黄色ワセリン、白色ワセリン、プロペト、サンホワイトです。黄色ワセリンは多分知らない人が多いんじゃないかなぁとは思いますけどね。
ワセリンの区別は純度で決まります。ワセリンは石油を精製して作られるんですが純度によって種類分けされています。精製するにしてもどうしても不純物が入っちゃうからね。
黄色ワセリンは一番純度が低く不純物も混ざりやすいため皮膚病には使われません。昔は石油を精製する技術が低く黄色ワセリンがたくさん使われていました。
しかししばしば不純物が混じり皮膚が敏感な人はワセリンを使うとかえって悪くなる人も多かったようです。今ではあまり使われていません。
次に白色ワセリン。これは黄色ワセリンの純度を更に高めたもので一般的に日本でワセリンというとこれです。上で書いたように様々な用途に使われています。
これは市販でも買える上で値段が安い。ネット通販なら500gで1000~1500円ぐらいで買える。病院でアトピー患者に主に処方されるのは大体これ。
白色ワセリンの純度を更に高めたのがプロペト。こちらはデリケートな眼の薬の基剤として使われていたりそのまま保湿剤として出されたりします。
市販薬も売っているみたいで名前はプロペトホームって言うらしい。成分に違いはなく違うのは値段だけ。皮膚科は保険効くから安いのよねー。
こちらも皮膚科で処方される。があまり医者は処方したがらない。理由はシンプルに儲からないから。
白色ワセリン塗るとちょっと痒くなるんですよねとか適当な理由をつければおそらく処方してもらえると思う。
一番純度が高いのがサンホワイト。こちらは市販のみになっていて徹底的に不純物を省いているのでプロペトでも使えないって人でも使えることがある。
超敏感肌向けでこれが使えないとなると恐らく全ての保湿剤が使えないというぐらい純度が高いです。
病院で処方されないのは処方すると赤字になるからなんだそうで。僕はサンホワイト前まで使ってました。今はけちってプロペトつかってますが。
ワセリンってどういうときに使えばいいの?
ワセリンは油の膜をはって水分の蒸発を防ぐというのが役割なのでそこを抑えればおのずと使い方が見えてきます。
まず油なので水を弾く役割があるということ。ワセリンは油なので水になじみにくい。一方でヒルドイド等のクリームの保湿剤は水になじみやすい性質を持っています。
試してみると分かりますがワセリンは水で洗っても中々落ちません。一方でクリームは水で洗うとさっと流れます。
つまりワセリンは食器洗いやお風呂に入っているときシャンプーや石けんを使う前に手全体にべったりと塗っておくと界面活性剤を弾くことができ効果大です。
塗り方に関しては特に気をつける必要なし。薄く塗るも厚く塗るも自由。
一般的に顔や体に使う場合は手で伸ばして薄くしてから使ったほうがいい。
ただし上のようにシャンプーや石鹸などの界面活性剤から守る場合はたっぷり塗ったほうがいい。
洗う前に塗ることにより界面活性剤の刺激から皮膚を守ります。界面活性剤はアトピーの皮膚バリアを破壊する天敵。重要なことなんですが洗う前に塗ることが大事です。
保湿剤として使う場合は口、鼻周りにつかうのがお勧め。口の周辺や鼻周辺が荒れている人はワセリンの刺激が少なくてお勧め。
顔はデリケートな部位でとにかく刺激に敏感。僕は花粉症で鼻かみすぎるときはいつも鼻の下にワセリン塗ってます。
口周り、特に赤ちゃんの場合はよだれで皮膚に炎症ができるということがあるのでそういう場合にワセリンを塗っておくとかなりましになります。
あ、ただし赤ちゃんの場合汗をかきやすいと言う特徴があるのでワセリンだと汗腺をふさいでトラブルになる事もあります。
赤ちゃんに保湿剤を塗るとアトピーが予防できるのはなんで?どの保湿剤を使えばいいの?お勧めを教えて!
赤ちゃんのアトピーの予防の記事なんですがアトピーの赤ちゃんの保湿剤の使い分けについても書いたので赤ちゃんにワセリンを使っているお母さんお父さんは是非見てくださいな。
また軽い摩擦による刺激ならワセリンでも充分に効きます。大人の場合なら服のこすれる刺激だとか赤ちゃんだったらおむつかぶれとかそういうのですね。
ワセリンは一日に何回塗ってもいいし目や髪の毛を除けばどこにでも使っていい保湿剤です。
ワセリンの特徴をまとめるととにかく水に強い。刺激が弱く何よりも安全(後述)この二つが特徴です。特に主婦湿疹(手湿疹)にはイチオシです。
ワセリンのデメリット
まず真っ先にあげられるのが使用感。どこにつけてもいいんだけど油だからつけるとべとべとするのでとにかく使用感が嫌という人が多い。僕もこのべとべとは何回使ってもも慣れません
特に夏にべったりつけると汗腺までふさいでしまい熱がこもるような感じがしてアトピーだと痒みが悪化します。
冬の場合は軟膏がめちゃくちゃ硬いのでとにかく薬を中から取る&伸ばすのが大変で皮膚にこすり付けてしまうためにそれで痒みが出る人もいる。
次に水で洗い流しにくいという点。これはメリットにもなりますがデメリットにもなる。全身にべったり塗っている場合はシャワーだと中々落ちない。
別に皮膚にワセリンが残ると刺激になるというわけではないのだが問題はそのワセリンにくっついているアレルゲン(埃とかダニの死骸)が問題になる。
洗い流せなかったワセリンの上からワセリンを塗った場合アレルゲンを肌に塗りこむことになっちゃうので猛烈な痒みが襲う危険性がある。
だから石鹸でしっかり洗う人が多いと思うんだけど石鹸の使いすぎはアトピーを悪化させるのでそこだけは注意ね。
石けんの使いすぎはアトピーを悪化させる!石けんの選び方とお勧めの石けんについてまとめてみた
アトピーの場合はお風呂上りに保湿を塗るのでなおさら。全身のワセリンを洗い流す場合は湯船につかるかシャワーを浴びながら皮膚を丁寧にこすって落とすかのどちらか。
アトピーの場合どちらも負担になるのでその点には注意されたし。手とか一部分の場合はそんなに気を使う必要はないので特に問題なし。けど全身に使う場合は注意してねって事。
後は酸化防止剤が入っていないので紫外線に晒したり空気に晒したりすると劣化が激しいです。そこらへん使う分には注意したほうがいい。
ワセリンの副作用について
目立った副作用はない。アトピーで使うならこれほど安全な薬もないと思う。赤ちゃんにも安心して使える保湿剤というふれこみが合ったがあながち間違ってはいないと思う。
というのも赤ちゃんがワセリンを少し食べても平気なようにできているし何より目立った副作用もない&刺激が少ないのが特徴だからだ。
薬には赤ちゃんが誤って食べるというのがよく起こるからそういう例を想定して薬の毒性試験というのが必ずあり動物実験で薬を食べさせてどの薬の毒性を見る。
市販や処方されている薬は必ずその試験をパスしている。当然の事ながらこの検査にひっかかって体に何らかの異変が起きた場合は薬としては販売できない。
唯一あるのが接触性皮膚炎(かぶれ)なんだけどこれは肌につけるものならどんなものでも起こる可能性がある。
ワセリンは起こる可能性はないに等しいといわれているもののかぶれる人は極稀にいるみたいだ。そしてアトピーでワセリンにかぶれるというのは結構やばい。
アトピーで使われるステロイドには殆どが白色ワセリンを含んでいるので白色ワセリンにかぶれる場合はそれらを含むステロイドが使えないということになる。
またび保湿剤にも白色ワセリンが使用されている。病院で処方されるヒルドイドにももちろんのこと。
つまり病院で処方される薬のほとんどが使えないので市販の化粧品や保湿剤を頼る他ない。
そしてもう一つ皮膚の状態がよくなると皮脂の分泌が始まるのでワセリンが合わなくなる。そういう場合はクリームの保湿剤を使ったほうがいい。
そっちのほうが効果強いし使用感もいいしね。というわけで僕は保険適用されているヒルドイドをお勧めしておきます。
ヒルドイドの正しい使い方知っていますか?アトピー暦20年の患者がヒルドイドの効果と副作用についてまとめてみた!
ただしヒルドイドが合わない人もけっこーいるようなのでそういう人にはヒフミドという保湿剤をお勧めしてます。
ヒフミドについてはヒルドイドの記事内で説明しているのでそちらを参考にどうぞ。ワセリンが含まれていないのでワセリンが合わない人でも使えます。
ワセリンの塗り方
動画があったのでぺたり。ワセリンにも塗り方があったので驚愕。というか病院で教えてよね・・・
保湿剤とワセリンの使い分けについて
ワセリンも一応保湿剤という分類ですがワセリンは油分しか皮膚に補充することが出来ません。アトピーの場合は大抵油分と肌の水分が不足しているのでワセリンで保湿をするとなると水分を補う必要があります。
使う際は霧吹きで肌に水分を与えてから使う。もしくは風呂上りに使うという点を押さえておけばOKです。
皮膚がガサガサで油+水分の少ない肌にワセリンを塗っても効果はあまりでない。油と水分がたっぷりある肌こそ潤いのある肌です。
世間一般で言われる化粧品、保湿剤、クリームは大抵ワセリン(肌に油分を与える)+何らかの保湿成分(肌に水分を与える)との組み合わせになっています。
例えば皮膚科で処方されるヒルドイドは白色ワセリン(肌に油分を与える)+ヘパリン類似物質(肌に水分を与える)でまさにアトピーにはうってつけの保湿剤となっています。
ワセリン自体には肌に水分を与える力はありません。アトピーの場合は繰り返しますが油分+水分の両方が足りていない事が多い。
皮膚がガサガサだったり粉を吹いている場合は素直に油分と水分を補充できる保湿成分を含んだ保湿剤を使うこと。
他の薬剤(ヒルドイド等)との併用する場合、ワセリンは水を弾くため最初に塗ってしまうと保湿剤まで弾いてしまうのでどんな場合でも必ず最後に塗りましょう。
白色ワセリンとプロペトとサンホワイトの使い分け
一番の違いは不純物が多いか少ないかです。これは上にも書いたと思うんですがアトピーの人はとても敏感なために不純物に反応する人もいます。
例えば白色ワセリンを使うと痒くなるという人でもプロペトを使えば痒くならないというパターンも結構あります。
つまり純度が高いほど肌に優しくアトピーにとってはいいということになります。白色ワセリンとプロペトの値段は病院で処方される分には同じなので是非プロペトをもらってください。
次に純度が高ければ高いほど薬が劣化しにくいです。酸化防止剤が入っていないために空気に触れると酸化し直射日光に当たると更に酸化が進みます。
ようするに薬剤が劣化しやすいということです。白色ワセリンとかは半年~1年ぐらい経つと変な色になっちゃうのであまり保存が利きません。
酸化防止剤はアトピーの人にとっては刺激になる可能性があるのでアトピーの人にとっては酸化防止剤が入っていないほうがいいです。ここもワセリンのメリットの一つ。デメリットは日持ちしないということ。
その日持ちしないという点が純度が高ければ高いほどカバーされるという事です。
最後に使用感。純度が高ければ高いほど薬剤がやわらかくなり伸びやすくなります。白色ワセリンは割とピンキリで硬くて伸ばしにくいものもあればやわらかく伸ばしやすい物もあるといった印象です。
薬剤が硬いということはそれだけこすりつけなければいけないのでこすり付けることで痒くなったりするアトピー患者にとっては薬がやわらかいというのは重要なポイントです。
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Comment
こちらのブログ、とても為になっています。
どうもありがとう。
子供の頃アトピーでしたが、中学で体質が変わりあせも程度に。
今は30代でなぜか年末からひどいアトピーが再発…苦しいです(泣
で、白色ワセリンを使っています。
使用量では全くベタベタが気になりません。むしろしっとり。
確かにかたくて塗るよりも容器から取るだけでも大変ですよね(笑
私は小分け容器に移して取りやすくしました。
そしてガサガサの乾燥肌には使えないので、お風呂で使っています。
洗い終わったら体の火照りをしばし冷まします。
まだ濡れたままの肌に、小指の爪半分くらいを手に取り手のひらに乗せると熱でトロトロになります。
手、腕、足(膝下)、足(膝上)、お腹、首肩背中、と計6回塗ります。
水分と汗が混ざりしっとりモチモチ肌になります。
残った水分をタオルで軽く叩くように拭き取り、ヒリヒリガサガサがひどい所にはワセリンを重ね付け。
ワセリンは肌から吸収されず安全。
それに少量使いならお湯で落ちます。湯船に浸かって撫でるだけで充分落ちます。
薬は一切使用してませんが、ぶり返しながらも良くなってきました。
塗り過ぎは逆に乾燥するので注意。
長くなってしまいましたが、
こんな使い方もあるよ。と、知って欲しかったので書かせて頂きました。
皆さんのアトピーが少しでも改善致しますように…
おーありがとう!
ありがとうございました
大変参考になりました。