アトピーの為の生活習慣がアトピーを悪化させる!遅延型フードアレルギーを知っていますか?
2017/01/06
アトピーを治すためにはまずは食生活から。とりあえず体に良さそうな物を毎日とっておけばいいだろと考えている人。
非常に危ないです。その考え方はアトピーを悪化させる遅延型フードアレルギーを引き起こす可能性があります。
遅延型フードアレルギーは覆面型食物アレルギーとも呼ばれていて昔からあります。
得にアトピーと併発すると慢性的に炎症が続き知識がない限り治らない可能性が非常に高いです。
食物アレルギーについて
まずは一般的な食物アレルギーについて書いていきたいと思います。これは即時型食物アレルギーと言います。以下食物アレルギーと略します。
食物アレルギーは特定の食物を食べてから30分~1時間で口の周りに痒みや赤み喉に対する不快感や口の周囲に蕁麻疹等が出る症状の事を言います。
食物アレルギーが重度な人はアナフィラキシーと呼ばれる呼吸困難や血圧低下で命を落とす危険性があります。食物アレルギーは赤ちゃんによくおこります。
これは腸管が未発達な為体に取り入れた食物のたんぱく質を上手く判別できないためにこれは体に良くない異物だ!と誤認して食物アレルギーがおこります。
殆どの人は成長と共に腸管が発達し食物は異物ではないと認識して治ります。だから大人のアトピーでは食物アレルギーは重視されていない。
食べるとすぐ痒くなるというのは本人が一番良く分かっているしあえて医者も聞かないからね。
遅延型フードアレルギー(覆面型食物アレルギー)について
上のような食物アレルギーは症状がでたら食べなければいいんだけど遅延型フードアレルギーはそうもいかない。
なぜかというと遅延型フードアレルギーは症状が出るのが6~24時間後とばらばらなので本人が気づきにくい。
加えて食物アレルギーは食べてすぐかゆくなるものという認識があるためにこの時間差でくる痒みというのも非常に気づきにくい。
蕁麻疹ではなく湿疹というのもまた分かりにくくしている。アトピーを悪くする物って無数にあるからね。
ここに偉い人の文章があるので引用します。重要なところは赤字にします。めんどくさい人は読み飛ばしちゃってもいいかも。
食物アレルギーをめぐる問題点は決して少なくない。例えば、わが国の乳幼児において、極めてポピュラーな疾患であるアトピー性皮膚炎は覆面型食物アレルギーの代表的な疾患であるが、この覆面型食物アレルギーの概念がほとんど理解されていないと言う実態がある。覆面型食物アレルギーは1944年、Herbert J. Rinkelにより提唱された。図に示したように、原因食物を完全に中止すると数日後に症状は軽快するが、その食物に対する過敏性が亢進する。さらに除去を続けると、この過敏状態は数週の経過で低下する。そして、数カ月〜数年の除去により、潜在的過敏状態を経て、原因食物を数日に1回程度、食べ続けても症状の出ない状態、すなわち、耐性獲得の状態となる。しかし、再び原因食物を頻回に食べ続けると、もとの覆面型食物アレルギーの状態、皮膚症状の場合はアトピー性皮膚炎の状態に戻ってしまうのである。つまり、原因食物を毎日あるいは2〜3日に1回以上、摂取している場合は、覆面型食物アレルギーの状態となり、持続的にアレルギー症状を呈すということのみならず、誘発反応がマスクされて、仮に原因食物を大量に摂取したとしても、症状の誘発、増悪は通常、見られないのである。アトピー性皮膚炎においてもう1点重要なことは皮膚症状の軽快には超微量の除去が必要であるということである。患者の過敏度にもよるが、除去食療法や経口誘発試験の経験からは、マイクログラムレベルの除去が必要と考えられる。すなわち、十数μgのアレルゲンを日々摂取している状態では皮膚症状の改善すら見られず、また、皮膚症状が存在する状態では、逆に1グラム程度の負荷でも皮膚症状の悪化が認められないということである。この点は除去食療法を指導する医師にとっては、覆面型食物アレルギーの概念の認識同様、重要であり、不十分な除去で軽快しない、あるいは皮膚症状存在下の負荷試験で皮膚症状が誘発されないということをもって、当該アレルゲンの関与を否定してしまうという誤りに陥っている場合が決して少なくないと考えられる。また、このためにさらに食物除去の範囲を広げるという愚を犯してはならない。
http://user.shikoku.ne.jp/manabeto/niped-18.htmより引用
簡単にまとめると週3~4日以上食べている食べ物はどんなものでも遅延型フードアレルギーを起こす可能性がある。
特に毎日大好物で取っているものがあてはまりやすい。過去食物アレルギーであったものが今大好物で毎日食べているとかだったら更に疑いが強くなる。
つまりアトピーの為にヨーグルトだとか納豆だとか何らかの健康食品を毎日摂取していると遅延型フードアレルギーを起こしやすいという事です。
遅延型フードアレルギーはいきなりなるものではなく数ヶ月~数年続けるとなるのでそんなにアトピーの原因となっていることは多くはないです。
ただしもし遅延型フードアレルギーになってしまった場合、原因となっている食物を少しでも摂取し続けるとアトピーの炎症が続く(少し除去しただけでは軽快しない)
これはアトピーに良い食品だという先入観で毎日続けている「習慣」なので非常に気づきにくいです。
特にアトピーには食事って大事だなぁと思っている人ほどこの深みにはまりやすいです。アトピーの人は真面目で頑張りやさんが多いのでね。
アトピー治療の原則は何かを足す(プラス)ことではなく取り除く(マイナス)のが基本です。つまり毎日している習慣を疑えって事です。
対処法
当たり前だけど好きな物はほどほどに。かつバランスよく食べるというのが大事になってきます。これが予防策。
現状どんなメカニズムでおこるのかわかっていないのでそれぐらいしか対処法がないです。
自分がもしなってしまっているなと思ったら自分で好みの食物(週3~4以上で食べているもの)をノートに書いていきます。
2~3ヶ月ぐらいノートにあげた物を一つ一つ徹底的に2~3ヶ月除去してみてその後食べる。
それでアトピーが悪化したらあたりです。はずれたらまた次をやるといった感じ。
ちなみにこれの検査もあります。上のように徹底的に除去するのが辛いという人はこっちがお勧め。
お値段は25000~40000円。高いけど数ヶ月除去するのは骨が折れるので疑いがある人は受けてみるのがいいと思います。下の動画のような検査表がもらえます。
遅延型フードアレルギーはアトピーで頑張っている人ほどかかりやすいです。重要なのは何を食べるか?ではなく何を体の中に入れないか。です
ここさえしっかり抑えておけば大丈夫。ただしあくまでほどほどにね。極端な制限はアトピーを悪化させます。
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Comment
遅延型フードアレルギー検査に関しては海外や日本の学会が注意を喚起していますし、検査の効果を否定しているお医者さんも多数おられるようですがこれについてはどうお考えですか
アトピーの原因は個人によって大きく違います。
ダニが原因の人もいるし花粉が原因の人もいます。そして食物アレルギーが関与する遅延型フードアレルギーが原因でアトピーが酷くなっている人もいます。
遅延型フードアレルギーが疑わしい人は検査すればアトピーがよくなるきっかけがつかめるかもしれない程度のスタンスです。
ただこれが難しい問題でしてアトピーの原因は遅延型フードアレルギーだ!IGG検査をすべき!みたいな連中がいるんでそういう意味では学会が注意するというスタンスは正しいと思います。