病院で処方されるアトピーの保湿剤と上手な使いわけの仕方
2015/05/21
今日は保湿剤の使い分けについて書いていこうかなーと思います。実のところこれ違いがわかっていない人多いんじゃないかと。
例えばアトピーの保湿剤のヒルドイドなんか軟膏、クリーム、ローションの3種類ありますけど効果の違いとかわからないんじゃないかな。
そういう使い方とかさっぱりわからんって人の為に大雑把な区分けを書いて見ました。
使い方ではなく保湿剤の選び方がわからないという人はこちらの記事へどうぞ
アトピーでどの保湿剤使っていいか分からない!そんな人の為におすすめの保湿剤の選びかたをまとめてみた
オイルタイプ
詳しくは下を参照の事。
アトピーで塗るワセリンってどうも固くて使いにくいなぁという人にはプラスチベースがお勧め
アトピーで使うサンホワイトってどういう風に使えばいいの?使い方にピンと来ない人に是非読んでほしい記事
アトピーで使うプロペトってどういう風に使えばいいの?使い方にピンと来ない人に是非読んでほしい記事
アトピーで使う白色ワセリンってどういう風に使えばいいの?使い方にピンと来ない人に是非読んでほしい記事
病院で処方されるものは白色ワセリン、プロペト、サンホワイト、プラスチベース等の鉱物油をベースとしたもの。市販だとホホバオイルとか馬油(ソンバーユ)とか。
亜鉛華軟膏やアズノール軟膏もベタベタしているけど保湿剤ではないのでここにはカウントされない。ヒルドイドソフト軟膏は軟膏と付いているけどクリームなので注意。
最大の特徴は低刺激かつ安全という事。これは別に古くから使われてるから安全とか自然の物(石油は天然です)だから安全とかそういうものではなくて含まれる成分が少なく安全という事。
汁がでているところはさすがにだめだけどガサガサしてるところや皮膚の赤いところに塗っても刺激になりにくいのはすばらしい。もちろん全員がそう感じるわけじゃないけど。
クリームやローション等は肌に浸透させるために界面活性剤やら防腐剤やら色々入れて含まれる成分が15種類を超えることもざら。一方で上に上げたものは1種類もしくは2種類ぐらいしかない。
市販の化粧品が肌に合わないという人はアトピーで肌の状態が悪い人が多いのでこっちを使うことをお勧めします。
そしてもう一つ皮膚の上に薄い膜をはり皮膚の水分蒸発を抑える。皮膚の水分量を増やす効果はないので使い方に注意。
また水を弾く性質があるので水仕事とかする人で手が荒れている人はクリームで保湿するよりこっちのほうがいいと思う。
デメリットは使用感が最悪。塗るとべとべとする上にねちゃねちゃするのでたっぷり塗るとそれだけできつい。顔に塗るとテカるので見た目も最悪。
刺激が少ない反面含まれる成分が少ないので保湿効果が少ないということ。これがメリットでもありデメリットでもある。
クリームタイプ
市販の化粧品やら保湿剤やらが大抵これ。何で多いかというと使用感がよく肌にも浸透しやすいので人気がでやすい。やっぱり使用感というのはとても大事。
市販のクリームの殆どが上にあるオイルタイプをベースに様々な保湿成分をまぜたものになります。保湿効果はワセリンと比べて当たり前だけど高い。
様々な保湿成分というのは天然の植物エキスだったりヘパリン類似物質、セラミド、尿素等が代表的かなぁ。もっとありますけどね。
じゃあアトピーならこれを使えばいいじゃん!となっちゃうんだけど含まれる成分が多ければ多いほどアトピーの人にとってはかぶれをおこしたり痒くなったりする。
これがデメリット。つまり保湿効果が高い分皮膚の状態に左右されやすいということ。
汁が出ている状態は論外で肌が赤い状態皮膚が「カサカサ」ではなく「ガサガサ」しているところに塗ると合わないことが多い。
クリームタイプの保湿剤は炎症を起こしているところに塗ると大抵アトピーが酷くなる。「カサカサ」ではなくガサガサしているところに塗ると悪化するので注意。
クリームタイプのものは皮膚の奥に浸透して皮膚そのものの水分量を増やしたり水分を逃がさないようにガッチリとつなぎとめる役割をすることが多いです。
オイルタイプは皮膚の上に膜をはり水分蒸発を防ぎますがクリームタイプは皮膚に浸透して皮膚の水分蒸発を防いだり水分量を増やしたりします。
以下保険適用のされているクリームタイプのものを紹介。
ヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテン)
詳しくはこちらをどうぞ。
アトピーでヒルドイドを使っている人はヒルドイドと同じ主成分を使ったビーソフテンもお勧め!
アトピーで悩んでいる人は是非ヒルドイドを使ってみて!ヒルドイドの使い方や効果と副作用についてまとめてみた!
汁の出ている部分に塗ったり炎症のあるところに塗ったりするとアトピーが悪化する。
使い勝手はワセリンと比べればかなり良くてヒルドイド軟膏、クリーム、ローションと3つ種類がある。
保湿力は軟膏>クリーム>ローション。べたつきの少なさはローション>クリーム>軟膏。
皮膚の水分量を増やすことは出来るが皮膚の水分蒸発を防ぐ効果はない。
僕はこれ愛用しています。保湿剤の性能としてはセラミド>ヘパリン類似物質>尿素です。
実はヒルドイドってニベアと半分ぐらい成分がかぶっている。
尿素(ケラチナミン、ウレパール、パスタロン等)
保湿作用はヘパリン類似物質に劣り更には刺激もありアトピーを悪化させることもある。
僕は何でこれがアトピーの保湿剤として使われているのかはなはだ疑問だ。国家の陰謀か何かだろうか?
それは言い過ぎにしてもアトピーには使わないほうがいいと思う。
理由としては刺激がありアトピーを悪化させること。そして角質を除去することでターンオーバーを早めること。この2点によるもの。
アトピーというのは凄く大雑把に言うと皮膚の炎症で皮膚がぼろぼろになった状態。
それを異常と察知した体が皮膚を通常より早く作ってしまうが為に「正常ではない皮膚」ができる病気(ターンオーバーが通常より早い)。
だから治すためには皮膚の炎症を治してターンオーバーを遅くしてターンオーバーを通常にして「正常な皮膚」を作らなきゃいけない。
尿素は角質を除去して結果としてターンオーバーを早める。治すためには遅くしなきゃいけないのに。というわけで僕はアトピーには尿素の保湿剤を推奨しておりません。
ただアトピーが治った跡は角質層のターンオーバーも正常に戻るので適切に除去してあげるというのは人によっては大いにありです。
皮膚のターンオーバーの遅い手や足、30代以降の人なら合う可能性もあるのででも尿素って染みるのよねー・・・。
簡単にまとめると皮膚の状態が悪いならオイルタイプの保湿剤を試してみる。よくなってきたらクリームタイプに切り替えるというのが一番使い方としてはいいと思う。
夏にクリームタイプ。冬にオイルタイプというのもあり。オイルタイプで悪化するというのならそれは相当状態が良くないのでステロイドとかで皮膚の炎症を抑えてから塗らないとダメという事です。
皮膚の状態によって合う保湿剤というのは違ってくる。
市販のクリームどれを試しても駄目ー!という人はその時期はクリームタイプが合わないことも多いのでワセリン等のオイルタイプを使って保湿すると案外使えたりする。
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